びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫に対し、標準化学療法(CHOP)+リツキシマブ(R-CHOP)と比べて、強化化学療法(ACVBP)+リツキシマブ(R-ACVBP)が、18~59歳患者の生存を有意に改善することが第III相オープンラベル無作為化試験の結果、示された。フランス・トゥールーズ大学病院のChristian Recher氏らによる。強化療法の血液毒性は高まったが管理可能だったという。びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫のアウトカムは、化学療法にリツキシマブ(抗CD20モノクローナル抗体、商品名:リツキサン)を加えることでかなり改善される。その知見を踏まえRecher氏らは、標準療法への追加と強化療法への追加について比較を行った。Lancet誌2011年11月26日号掲載報告より。
無イベント生存率を主要エンドポイントに
各群レジメンは、強化療法リツキシマブ(R-ACVBP)群が、リツキシマブ、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンデシン、ブレオマイシン、プレドニゾンで、標準療法リツキシマブ(R-CHOP)群が、リツキシマブ、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾンであった。
試験は2003年12月~2008年12月に、フランス、ベルギー、スイスの73施設部門で行われ、コンピュータシステムにて4ブロックの無作為化介入群に割り付けがされた。無作為化された被験者は、18~59歳の年齢補正国際予後指数が1の未治療患者380例(R-ACVBP群196例、R-CHOP群184例)だった。
主要エンドポイントは、無イベント生存率とし、intention-to-treatにて、有効性と安全性について解析が行われた。
被験者のうち、治療開始前に1例が同意を取り下げ(R-ACVBP群)、54例が治療を完了しなかった(R-ACVBP群35例、R-CHOP群19例)。
強化リツキシマブ(R-ACVBP群)のほうが有意に上昇
追跡期間中央値44ヵ月時点の、推定3年無イベント生存率は、R-ACVBP群81%(95%信頼区間:75~86)であり、R-CHOP群67%(同:59~73)も有意な上昇が認められた(ハザード比:0.56、95%信頼区間:0.38~0.83、p=0.0035)。
推定3年無増悪進行生存率[87%(同:81~91)vs. 73%(同:66~79)、ハザード比:0.48(同:0.30~0.76)、p=0.0015]、全生存率[92%(同:87~95)vs. 84%(同:77~89)、ハザード比:0.44(同:0.28~0.81)、p=0.0071]も、R-ACVBP群で有意な上昇が認められた。
R-ACVBP群196例のうち重篤な有害事象を伴ったのは82例(42%)だった。これに対してR-CHOP群は183例のうち28例(15%)だった。R-ACVBP群のほうがグレード3~4の血液毒性がより多くみられ、発熱性好中球減少患者の割合が高かった[38%(75/196例)vs. 9%(16/183例)]。