食物繊維の豊富な摂取は、大腸がんのリスクを減少する

提供元:ケアネット

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公開日:2011/12/09

 



食物繊維の摂取量が多いこと、特にシリアル線維と全粒粉の摂取が多いことは、大腸がんのリスクを減少することが明らかにされた。英国・ロンドン大学公衆衛生校のDagfinn Aune氏らが行った前向き試験のシステマティックレビューと用量反応試験のメタ解析の結果、報告された。BMJ誌2011年11月26日号(オンライン版2011年11月10日号)掲載報告より。

メタ解析で、食物繊維、全粒粉の摂取と大腸がんリスクとの関連を評価




研究グループは、食物繊維、全粒粉の摂取と大腸がんリスクとの関連を評価することを目的に、前向き観察研究のシステマティックレビューとメタ解析を行った。

2010年12月までにアップされたPubMedとその他データベースと、試験の参照リストをデータソースとした。またこれまでに公表されたメタ解析の参照リストも同様に対象とし、食物繊維や全粒粉の摂取、大腸がんの発生率についての前向きコホート研究およびネスティッドケースコントロール試験を行っていた論文25件を選定した。

特にシリアル線維と全粒粉の摂取は、大腸がん発生リスクを低下




解析の結果、食物繊維の総摂取量が1日10gであることの大腸がん発生の相対リスク(16試験)は、おおよそ0.90(95%信頼区間:0.86~0.94、I2=0%)であった。

果物線維(9試験)では同0.93(0.82~1.05、I2=23%)、植物性繊維(9試験)は同0.98(0.91~1.06、I2=0%)、マメ科植物線維(4試験)は同0.62(0.27~1.42、I2=58%)、シリアル線維(8試験)では同0.90(0.83~0.97、I2=0%)だった。

1日3食とも全粒粉にした人の大腸がん発生の相対リスク(6試験)は、おおよそ0.83(同:0.78~0.89、I2=18%)だった。

著者は「食物繊維の高い摂取は、特にシリアル線維と全粒粉の摂取は、大腸がんのリスク減少と関連していた」と結論。「さらなる試験で、より詳細な結果を報告しなければならない。たとえば、線維のサブタイプに対する結果や、残余交絡因子を除外するために他のリスク因子によって層別化するなどである。また、推定リスクの測定誤差の影響についても、さらなる検証が必要である」とまとめている。