子宮筋腫に対する経口ulipristal acetateの有効性と安全性

提供元:ケアネット

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公開日:2012/02/15

 



子宮筋腫に対する術前治療としての、経口ulipristal acetateの有効性と安全性について、プラセボとの比較による第3相の二重盲検無作為化試験の結果、13週間の治療で子宮筋腫の症状の一つである出血過多を有効にコントロールし、筋腫サイズも縮小したことが報告された。ベルギーのルーヴェン・カトリック大学のJacques Donnez氏らによる検討で、NEJM誌2012年2月2日号で発表された。子宮筋腫は生殖年齢にある女性の20~40%に起こり得る良性腫瘍であるが、出血過多や貧血、痛みなどでQOLや妊娠への悪影響が問題となる。治療を望む女性の多くは子宮摘出回避を願うが、一方で子宮摘出の最も多い適応症ともなっている。

13週間にわたる二重盲検プラセボ対照無作為化試験を実施




研究グループは、2008年10月~2010年8月の間に6ヵ国38の大学病院を通じて、18~50歳までの生殖年齢にあり、症候性子宮筋腫で出血過多、貧血を呈する242例を対象に試験を行った。

出血過多の状態は、出血量の客観的評価法PBAC法(1ヵ月の出血量範囲を0~>500とし、高いほど出血量が多いことを示す)によるスコアが>100とした。貧血は、ヘモグロビン値が≦10.2g/dLとした。

被験者は、無作為に、経口ulipristal acetateを5mg/日投与される群(96例)、同10mg/日投与される群(98例)とプラセボを投与される群(48例)に割り付けられ、13週間治療を受けた。また全員、鉄剤のサプリメントを服用していた。

共同主要有効性エンドポイントは、13週時点で、子宮出血がコントロールされたこと(PBACスコア<75)、および筋腫の縮小であった。被験者はその後、手術を受けることが可能だった。
出血コントロールを改善、筋腫も縮小




結果、13週時点で子宮出血のコントロールが、5mg群で91%、10mg群で92%に認められた。プラセボ群は19%で、ulipristal acetateの有意なコントロール達成が示された(いずれの投与群もプラセボ群と比較してP<0.001)。

無月経の発生は、それぞれ73%、82%、6%だった。ulipristal acetateを受けていた被験者の大半は、10日以内で無月経を来した。

総筋腫体積の変化の中央値は、それぞれ-21%、-12%、+3%だった(5mgのプラセボ群に対するP=0.002、10mg群のプラセボ群に対するP=0.006)。

ulipristal acetate群では、組織的な子宮内膜変化が誘発されたが、治療期間終了後6ヵ月までに回復した。

治療期間中の重篤な有害事象は、10mg群で子宮出血が1例、プラセボ群で子宮頸部からの筋腫突出が1例に認められた。ulipristal acetateと関連する最も頻度の高い有害事象は頭痛と乳房圧痛だったが、プラセボとに有意な頻度の差は認められなかった。

(武藤まき:医療ライター)