大腸内視鏡的ポリープ切除、大腸がん死亡を長期に予防

提供元:ケアネット

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公開日:2012/03/07

 



大腸腺腫性ポリープの内視鏡的切除は、長期的に大腸がんによる死亡を予防し得ることが示された。米国・マウントサイナイ医療センターのAnn G. Zauber氏らが、全米ポリープ研究(National Polyp Study;NPS)の被験者を23年にわたり前向きに追跡し、内視鏡的ポリープ切除が大腸がん死亡に与える長期的な影響について解析した結果による。NEJM誌2012年2月23日号掲載報告より。

NPS参加者を23年間前向きに追跡




研究グループは、1980~1990年の間に、NPS参加医療施設で初回大腸内視鏡検査を受け、ポリープ(腺腫性と非腺腫性)が認められたすべての患者を解析の対象とした。死亡の確認と死因の判定はNational Death Indexに基づいて行われ、フォローアップは23年間に及んだ。

解析は、腺腫性ポリープを除去した患者の大腸がん死亡率について、一般集団における大腸がん発生率に基づく期待死亡率[SEER(Surveillance Epidemiology and End Results)プログラムで推定]、および非腺腫性ポリープ患者(内部対照群)の観察から推定された大腸がん死亡率と比較した。
内視鏡的ポリープ切除で大腸がん死亡率は53%低下




本研究への参加期間中に腺腫を除去したのは2,602例で、そのうち中央値15.8年後に、1,246例は何らかの原因によって死亡しており、大腸がんで死亡したのは12例だった。

一方、一般集団の大腸がんによる死亡は推定25.4で、大腸内視鏡的ポリープ切除による発生率ベースの標準化死亡指数は0.47(95%信頼区間:0.26~0.80)であり、死亡率の53%低下が示唆された。

ポリープ切除後の当初10年間の大腸がん死亡率は、腺腫性ポリープ患者と非腺腫性ポリープ患者とで同程度だった(相対リスク:1.2、95%信頼区間:0.1~10.6)。

(朝田哲明:医療ライター)