女性が経験する自然閉経前後の症状を特徴づけ、症状のプロファイルや変遷別に階層化すること、また各症状プロファイルと社会統計学的因子や健康への取り組みとを関連づけることを目的とする前向きコホート研究が英国で行われた。同国University College and Royal Free Medical SchoolのGita D Mishra氏らによるもので、「医療従事者が自然閉経を迎えさまざまな症状を経験する女性に対し、個々に見合った適切なアドバイスを提供するのに役立つ結果が得られた」と報告している。BMJ誌2012年3月3日号(オンライン版2012年2月8日号)掲載報告より。
47~54歳女性695例について閉経前後の不快症状を収集・分析
Mishra氏らは、イングランド、スコットランド、ウェールズに住む女性の代表を対象とした全英代表コホート研究を行った。被験者は、1946年生まれの女性695例で、47~54歳で自然閉経を迎えるまでの間について追跡された。その間に収集された20の一般的な健康関連症状(睡眠障害、頭痛・関節痛、乳房痛、ほてりなど)について分析を行った。
主要評価項目は、報告された長期にわたる不快症状プロファイルとした。
その結果、20の症状のうち18の症状は、4つの症候群(精神的、身体的、血管運動性、性的不快感)に分類できた。
潜在クラス分析の結果、身体的症候群を除くその他3群の症状については、閉経期における明白な関連性がかなりの女性で認められた。
精神的、血管運動性、性的不快感の各症状について閉経期との関連性が明快に
例えば、重度の精神的症状プロファイルが閉経時またはその後にピークが認められたが、その割合は小さかった(10%、n=63)。
血管運動性症状は、閉経後早期にピークがあり、その後は顕著に減少していた早期重症プロファイルを示した女性が14%(n=83)いた一方で、閉経期に急増し、閉経後4年間以上やっかいな症状が続いた遅延性重症プロファイルを示した女性が11%(n=67)だった。
また、重度の血管運動性症状は、非単純労働者階級(オッズ比:0.79、95%信頼区間:0.57~1.01)や、有資格・免許者(同:0.37、0.18~0.77)の場合は低かった。
性的不快感に関しては、閉経までに症状が増大し閉経後も同程度持続していた遅延性重症プロファイルを示した女性が14%(n=85)だった。
既婚女性は、遅延性の重度あるいは中程度のプロファイルを示す傾向が、その他の婚姻状態の女性と比べて認められた(同:2.40、1.30~4.41)。
身体的症状は、軽度、中程度、重度、重篤の4つに特徴づけられたが、暦年齢や閉経時年齢分けはできなかった。