単施設試験vs.多施設試験、連続アウトカムの治療結果への影響は?

提供元:ケアネット

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公開日:2012/03/16

 



多くの医師は多施設試験と比べて単施設試験の結果に疑念を抱いている。最近のバイナリアウトカム(binary outcomes)によるメタ疫学的な研究で、単施設試験のほうが多施設試験よりも大きな治療効果を示すことが認められたためである。バイナリアウトカム試験の結果は、連続アウトカム(continuous outcomes)の試験の結果と比べ、ほとんどが医学的状態やバイアスリスク、サンプルサイズが異なる。では、連続アウトカムによる無作為化試験の推定治療効果について、単施設試験と多施設試験とを比較した場合はどうなのか。フランス・INSERMのAida Bafeta氏らが、メタ疫学研究を行った。BMJ誌2012年3月3日号(オンライン版2012年2月14日号)掲載報告より。

26のメタ解析試験で検証




研究グループは、コクラン・データベースを用いてシステマティックレビューを行い、計292件の無作為化試験(単施設試験:177、多施設試験:115)を含む26のメタ解析試験を対象とした。試験はいずれも連続アウトカムによるもので、2007年1月~2010年1月の間に公開されたものだった。

選んだ試験データについて、試験の特徴、単施設か多施設か、バイアスリスク(コクランコラボレーションのバイアスリスクツールを使用)、結果を抽出し、治療効果について標準化平均差を用いて推定した。
単施設試験の治療効果は、多施設試験と比べより大きい




結果、単施設試験の治療効果は、多施設試験と比べより大きかった(統合標準化平均差:-0.09、95%信頼区間:-0.17~-0.01、P=0.04、メタ解析全体の異種性は低かった)。

サンプルサイズで補正後、その差はわずかに減少した(同:-0.08、-0.17~0.01)。

バイアスリスクで補正後、信頼区間推定値の幅は上限値が0に近づいたがほぼ同等だった(バイアスリスク全体について-0.09、-0.17~0.00)。

以上の結果を踏まえてBafeta氏は、「単施設試験の平均化した連続アウトカムは、多施設試験のよりもわずかに大きな治療効果を示した。これらの違いの潜在的原因を調査するためさらなる研究が必要である」と結論している。