英国NHSで導入された簡易院内死亡率指数SHMIの特徴

提供元:ケアネット

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公開日:2012/03/30

 



英国・シェフィールド大学のMichael J Campbell氏らは、透明性、再現性、可視化に優れた、英国内全病院の入院データから導き出した簡易院内死亡率指数(summary hospital mortality index:SHMI)を開発した。これまでにも院内標準死亡率指数(hospital standardised mortality ratio:HSMR)など死亡率指数はいくつかあったが、SHMIはそれらと違い全入院・死亡データおよび退院30日以内データに基づくもので、2011年10月からNHS(英国保健サービス)の病院評価指標として採用されているという。BMJ誌2012年3月17日号(オンライン版2012年3月1日号)掲載報告より。

5年間分の英国全入院データから導き出した指数




Campbell氏らはSHMI開発に当たって、5年間分の英国内全入院データを用いて後ろ向き横断調査を行った。具体的には、2005年4月1日から2010年9月30日の、Hospital episode statistics for Englandのデータと英国統計局の死亡データとを突き合わせ、院内死亡と退院30日以内の死亡を主要評価項目として評価を行った。

対象に含まれたのは、146の総合病院および72の専門病院に入院した3,650万例分のデータであった。
簡易な予測因子で評価が可能




評価を行った最終モデルで予測因子として含まれたのは、入院診断名、年齢、性、入院タイプ、共存症であった。

院内死亡または退院30日以内死亡は、男性入院患者では4.2%、女性では4.5%で認められた。

全入院の75%が救急入院で、それらの人での院内死亡は5.5%だった。対照的に、選択的入院者での院内死亡は0.8%だった。

チャールソン共存症スコア0の院内死亡者の割合は2%であったのに対し、スコアが5以上の院内死亡者の割合は15%だった。

これらの変数を用いると、地域性や救急外来の既往回数で補正後も、相対的標準院内死亡率が著しく変わることはなかった。

Campbell氏らは、これらの予測因子を用いてSHMIを開発。その指数は、標準を逸脱するような病院を特定したり、また以前からの院内死亡率指数を強固なものとすることが示されたと述べている。