食習慣は大腸癌発病に加え再発にも深く関与

提供元:ケアネット

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公開日:2007/08/28

 

大腸癌発病と食事の因果関係については知られているが、患者の予後における食事の影響については明らかにされていない。アメリカ・ボストンのダナ・ファーバー癌研究所のJeffrey A. Meyerhardt氏らは、食パターンと大腸癌生存者の再発率および死亡率との関連に着目して、前向き観察研究を実施した。JAMA誌8月15日号の報告から。

III期大腸癌患者1,009例を追跡調査


対象患者は1999年4月~2001年5月の間に、無作為化補助化学療法試験(CALGB 89803)に登録されたIII期の大腸癌患者1,009例。補助化学療法中および治療後6ヵ月間の食習慣についてアンケートを行い、確認された慎重食パターン(prudent pattern)と西洋食パターン(Western pattern)の2つの食パターンと、癌再発および死亡について分析した。慎重食パターンは果物、野菜、鶏肉、魚をよく摂取することが、一方の西洋食パターンは肉、油脂、精製された穀物、デザート類の摂取率が高い。

西洋食パターンと再発率、死亡率との関連を確認


追跡期間5.3年(中央値)の間に、集団全体として324例の患者が癌再発、223例が癌再発で死亡、28例が癌再発以外の要因で死亡しており、西洋食が大腸癌再発や死亡と関連していることが明らかとなった。

五分位比較による西洋食パターンの最小摂取群と最大摂取群の患者の、無疾患生存の補正ハザード比(AHR)は3.25(95%信頼区間2.04- 5.19)、無再発生存AHRは2.85(同1.75-4.63)、全生存AHRは2.32(同1.36-3.96)だった(いずれもP<0.001)。

西洋食パターンに偏ったことによる無疾患生存の低下は、性、年齢、ステージ、BMI、身体活動レベル、基線PSあるいは治療による差異はなかった。対照的に慎重食パターンは、癌再発および死亡率との関連は認められなかった。

以上の結果を踏まえMeyerhardt氏らは、「手術および補助化学療法を受けたIII期大腸癌患者が西洋食をより多く摂取することは、再発と死亡率を高める可能性がある。そのような食事のどの構成要素が最も強く関連しているのか、さらなる研究によって明らかにする必要がある」と結論づけた。

(武藤まき:医療ライター)