白血病患者などに対する、非血縁ドナーからの末梢血幹細胞移植(PBSCT)と骨髄移植(BMT)について、2年生存率は同等であることが報告された。また、生着不全の割合はPBSCTのほうが、慢性移植片対宿主病の発症率はBMTのほうが、それぞれ有意にリスクは低い可能性も示唆された。米国・H. Lee Moffitt Cancer Center and Research InstituteのClaudio Anasetti氏らが、約550例について行った第3相多施設共同無作為化試験の結果で、NEJM誌2012年10月18日号で発表した。
48ヵ所の医療機関を通じ、中央値36ヵ月追跡
研究グループは2004年3月~2009年9月にかけて、48の医療機関を通じ66歳未満の急性白血病、脊髄形成異常、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、骨髄線維症の患者、合わせて551例について試験を行った。
被験者を無作為に2群に分け、非血縁ドナーからの、末梢血幹細胞移植(PBSCT)、または骨髄移植(BMT)を行った。生存者の追跡期間中央値は36ヵ月(四分位範囲:30~37)。両群の2年生存率などについて比較した。
生着不全はPBSCT群3%でBMT群9%、慢性移植片対宿主病はそれぞれ53%と41%
その結果、2年時点の全生存率は、PBSCT群が51%(95%信頼区間:45~57)、BMT群は46%(同:40~52)で、絶対格差は5%ポイント(同:-3~14)と両群間に有意差はみられなかった。
生着不全の発生は、PBSCT群が3%(同:1~5)に対し、BMT群は9%(同:6~13)と有意に高率だった(p=0.002)。一方、移植2年後における慢性移植片対宿主病(GVHD)の発症率は、PBSCT群が53%(同:45~61)に対し、BMT群は41%(同:34~48)と有意に低率だった(p=0.01)。
なお、急性GVHDや再発率について、両群間に有意差はみられなかった。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)