2型糖尿病患者の冠動脈硬化症にはグリメピリドよりピオグリタゾン

経口糖尿病治療薬であるインスリン抵抗性改善薬のピオグリタゾン(国内商品名:アクトス)とグリメピリド(SU剤)について、2型糖尿病患者の冠動脈硬化症に対する進行抑制効果を比較した臨床試験「PERISCOPE」の結果が2008年3月31日、米国の心臓学会で発表。クリーブランド・クリニック(米国)のSteven E. Nissen氏らは、「ピオグリタゾンのほうが動脈硬化進展の抑制効果が高い」と報告した。報告は同日のJAMA誌オンライン版で公表された(本誌2008年4月2日収載)。
南北アメリカの97施設が協力
「PERISCOPE」には、南北アメリカ大陸の大学および地域医療機関97施設が参加。2003年8月から2006年3月の間に登録された冠動脈疾患と2型糖尿病を有する患者543例を対象に、二重盲検無作為多施設共同試験を行った。
患者には冠動脈の血管内超音波検査が行われ、18ヵ月にわたってグリメピリド1~4mgまたはピオグリタゾン15~45mgが無作為に投与された。
ベースラインからのアテローム量変化率(PAV)を主要評価項目とした結果、研究完了時点で360例にアテローム性動脈硬化症の進行が認められた。
PAV、HbA1cとも低下、HDLは上昇
PAVは、グリメピリド群が0.73%上昇(95%信頼区間:0.33%~1.12%)したのに対し、ピオグリタゾン群では0.16%低下(95%CI:-0.57%~0.25%)した(P=0.002)。
HbA1cのベースライン平均値(SD)は両群とも7.4%(1.0%)で、ピオグリタゾンによる処置の間は平均0.55%(95%信頼区間:-0.68%~-0.42%)低下したが、グリメピリドの場合は同0.36%(-0.48%~-0.24%)低下にとどまった(群間差 P=0.03)。
高密度リポ蛋白質(HDL)値も、ピオグリタゾン群が5.7mg/dL(95%信頼区間:4.4~7.0mg/dL、16.0%)で、グリメピリド群の0.9mg/dL(0.3~2.1mg/dL、4.1%)より高かった。
逆に中性脂肪は、ピオグリタゾン群では16.3mg/dL(-27.7~-11.0 mg/dL、15.3%)低下したが、グリメピリド群は3.3mg/dL(-10.7~11.7mg/dL、0.6%)上昇した(群間差 P<0.001)。
空腹時のインスリン濃度の中央値はピオグリタゾン群で低下、グリメピリド群で上昇した(P<0.001)。
低血糖症はグリメピリド群のほうが頻度が高く、浮腫と骨折、ヘモグロビン・レベルの低下は、ピオグリタゾン群でより多く起こった。
以上の結果を踏まえNissen氏らは「2型糖尿病患者では、ピオグリタゾンのほうがグリメピリドより、冠動脈硬化症の進展を有意に抑制できる」と結論している。
(朝田哲明:医療ライター)
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