過体重・肥満の2型糖尿病患者、生活習慣介入強化では心血管リスクは低下しない/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2013/07/04

 

 過体重・肥満の2型糖尿病患者に対し、生活習慣介入を強化し体重減少を図っても、心血管イベントの発生率は減少しなかったことが明らかにされた。米国・ブラウン大学ワーレンアルパートメディカルスクールのRena R. Wing氏ら「Look AHEAD研究グループ(糖尿病健康アクション)」が報告した。過体重・肥満の2型糖尿病患者には体重減少が推奨されているが、これまで体重減少が心血管疾患へ及ぼす長期的な影響について明らかではなかった。NEJM誌オンライン版2013年6月24日号掲載の報告より。

生活習慣介入強化群と糖尿病支援・教育群のアウトカムを比較
 研究グループは、過体重もしくは肥満である2型糖尿病患者に対して、生活習慣介入を強化し体重減少を図ることで心血管疾患罹患率および死亡率が低下するかどうかを調べた。

 試験は米国の医療施設16ヵ所を通じて行われた。2001年8月~2004年4月の間に5,145例が被験者として登録され、生活習慣介入強化群(2,570例、介入群)もしくは糖尿病支援・教育を受ける群(2,575例、対照群)に無作為に割り付けられ追跡を受けた(最大13.5年)。

 主要アウトカムは、追跡期間中の心血管系が原因の死亡・非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中・狭心症による入院の複合とした。

試験は追跡期間中央値9.6年で打ち切り
 試験は、追跡期間中央値9.6年で、介入の無益性が明らかになったとして早期打ち切りとなった。

 体重減少は、本研究全体を通して、対照群より介入群で大きかった(1年時点:8.6%対0.7%、試験終了時6.0%対3.5%)。

 また、生活習慣介入の強化は、初期においては、血糖値(糖化ヘモグロビン)を大きく低下させ、また身体活動度および全心血管リスク因子を大きく改善した。ただし、LDLコレステロール値は除外された(対照群のほうが低値)。

 主要アウトカムの発生は、介入群403例、対照群418例であった。発生率はそれぞれ、100人・年につき1.83件、1.92件で、介入群のイベントハザード比は0.95(95%の信頼区間:0.83~1.09、p=0.51)であり有意差は認められなかった。

(武藤まき:医療ライター)