ビスホスホネートは骨粗鬆症女性の心房細動/粗動リスクを増やさない

ビスホスホネートの使用により骨粗鬆症女性の心房細動/粗動のリスクが増大することを示すエビデンスはないことが、デンマークAarhus大学病院臨床疫学のHenrik Toft Sorensen氏らが実施した地域住民ベースの症例対照研究で明らかとなった。ビスホスホネートは骨粗鬆症の治療に広く使用されているが、一部の臨床試験のデータに基づいて心房細動のリスクを増大させる可能性が指摘されていた。BMJ誌2008年4月12日号(オンライン版2008年3月11日号)掲載の報告。
医療データベースを用いた症例対照研究
研究グループは、心房細胞/粗動と骨粗鬆症女性に対するビスホスホネート使用との関連の評価を目的に、デンマークの医療データベースを用いた地域住民ベースの症例対照研究を行った。心房細動/粗動群に1万3,586人が、対照群に6万8,054人が登録された。主要評価項目は心房細動/粗動の補正相対リスクとした。
心房細動/粗動発症の補正相対リスクに有意差なし
心房細動/粗動群の3.2%(435人)および対照群の2.9%(1,958人)がビスホスホネートの投与を受けていた。エチドロネート(国内商品名:ダイドロネル)およびアレンドロネート(ボナロン、フォサマック)の使用頻度は、両群間でほぼ同じであった。ビスホスホネート非使用者と比較して、使用者が心房細動/粗動を発症する補正相対リスクは0.95(95%信頼区間:0.84~1.07)であり、有意な差を認めなかった。新規使用者の相対リスクは0.75(0.49~1.16)と、概して継続使用者と類似していた(0.96、0.85~1.09)。
相対リスクの推計値は、処方数や退院記録にある心房細動/粗動の診断部位とは関連がなく、入院患者と外来患者の間でも類似していた。
これらの結果により、Sorensen氏は「ビスホスホネートの使用により骨粗鬆症女性の心房細動/粗動のリスクが増大することを示すエビデンスはない」と結論し、「われわれのデータは、最近報告されたリセドロネート(ベネット、アクトネル)を用いたプラセボ対照比較試験の再解析(約1万5,000例、フォローアップ期間3年)の結果と一致する」と指摘している。
(菅野守:医学ライター)
[ 最新ニュース ]

FDAへの医療機器メーカーの有害事象報告、3分の1が遅延/BMJ(2025/04/04)

フィネレノン、2型DMを有するHFmrEF/HFpEFにも有効(FINEARTS-HFサブ解析)/日本循環器学会(2025/04/04)

急性GVHDとICANSに対する新たな診断法の開発/日本造血・免疫細胞療法学会(2025/04/04)

市中肺炎へのセフトリアキソン、1g1日2回vs.2g1日1回~日本の前向きコホート(2025/04/04)

抗精神病薬の血中濃度、年齢や性別の影響が最も大きい薬剤は(2025/04/04)

遺伝性消化管腫瘍診療に対する多施設ネットワークの試み/日本臨床腫瘍学会(2025/04/04)

幹細胞治療が角膜の不可逆的な損傷を修復(2025/04/04)

普通車と軽自動車、どちらが安全?(2025/04/04)