東アジア人では、BMIと心血管疾患死リスクとの関連は、BMI値が高すぎる場合も低すぎる場合も同リスクが高まる、U型カーブの関連を示すことが明らかにされた。米国・ニューヨーク大学のYu Chen氏らが、東・南アジア人約112万人を対象としたアジアコホート連合(Asia Cohort Consortium)のデータを解析して明らかにしたもので、BMJ誌オンライン版2013年10月1日号で発表した。なお南アジア人では同様の傾向はみられず、BMI高値と心血管疾患死リスクの関連は弱かったという。
東アジア84万人、南アジア29万人を平均9.7年追跡
研究グループは、東アジア人(83万5,082人:中国、台湾、シンガポール、日本、韓国)と南アジア人(28万9,815人:インド、バングラディシュ)が参加している20の前向きコホート、被験者合計112万4,897人のデータについてプール解析を行った。
心血管疾患、冠動脈性心疾患、脳卒中などによる死亡リスクと、BMIとの関連を分析した。
ベースライン時の被験者の平均年齢は、53.4歳、平均追跡期間は9.7年だった。その間の心血管疾患死の発生は、東アジア人コホートで4万791人、南アジア人コホートで8,393人、合わせて4万9,184人だった。
東アジア人コホートで、BMI 25以上、17.4以下で心血管疾患死リスクがいずれも増大
東アジア人でBMIが25以上の人は、22.5~24.9の人に比べて、心血管疾患死に関するハザード比は1.09~1.97と有意に増大した。具体的には、BMIが25.0~27.4のハザード比は1.09(95%信頼区間:1.03~1.15)、27.5~29.9が1.27(同:1.20~1.35)、30.0~32.4が1.59(1.43~1.76)、32.5~34.9が1.74(同:1.47~2.06)、35.0~50.0が1.97(同:1.44~2.71)だった。
同様の関連は、冠動脈性心疾患死や虚血性脳卒中による死亡についても認められ、また脳出血による死亡については、BMI 27.5以上で有意に高かった。
一方、BMIが低値の人についても、心血管疾患死リスクの増大が認められ、BMI 15.0~17.4の人のハザード比は1.19(同:1.02~1.39)、15.0未満では2.16(同:1.37~3.40)だった。
南アジア人では、BMIと心血管疾患死リスクとの関連性は弱く、BMIが35超の人で22.5~24.9の人に比べ、冠動脈性心疾患死に関するハザード比が1.90(同:1.15~3.12)に上昇する関連がみられただけだった。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)
C.Yu et al. Association between body mass index and cardiovascular disease mortality in east Asians and south Asians: pooled analysis of prospective data from the Asia Cohort Consortium. BMJ. 2013 Oct 1;347:f5446.