RA初期のアダリムマブ併用、アウトカムを改善/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2013/11/11

 

 発症1年未満の初期の関節リウマチ(RA)に対し、生物学的製剤アダリムマブ(商品名:ヒュミラ)をメトトレキサート(MTX、商品名:リウマトレックスほか)と併用して用いることは、長期的ベネフィットがあることが示された。臨床・機能・構造的アウトカムの改善達成はMTX単独と変わらず、低疾患活動性の達成割合はMTX単独群よりも高く、治療初期に併用治療に反応した患者では、その後アダリムマブ投与を中止しても、投与を継続した群とアウトカムはほぼ変わらなかったという。オーストリア・ウィーン大学のJosef S Smolen氏らが「OPTIMA試験」の結果、報告した。Lancet誌オンライン版2013年10月25日号掲載の報告より。

2期間78週にわたるアダリムマブ+MTX併用治療とMTX単独治療の比較試験
 OPTIMA試験は、初期RA患者の安定性低疾患活動性の達成について、アダリムマブ+MTX併用治療とMTX単独治療の異なる治療パターン戦略を評価した、2期間78週にわたる無作為化二重盲検試験であった。

 試験は161施設(欧州71、北米73、南米5、アフリカ6、オーストラリア3、ニュージーランド3)で、RA初期(1年未満)でMTX未治療の18歳以上患者を適格として行われた。

 被験者は無作為に最終的に4ブロックに割り付けられた。まず第1期間(26週間)では、(1)アダリムマブ(40mg隔週)+MTX(7.5mg/週で開始し1~2週につき2.5mg増量、8週時点までに最大週20mgまで増量)(併用群)、(2)プラセボ+MTX(単独群)に割り付けられた。次いで第2期間(52週間)では、第1期間を完了した併用群の患者で、安定性低疾患活動性を達成した患者(22週、26週時点の28関節疾患活動性スコアとCRP値を合わせたDAS28が3.2未満)を、アダリムマブ継続群と中止群に無作為化して治療を行った。また(2)治療群で治療目標を達成した患者はそのまま単独療法を継続した。両群の治療目標未達成患者には併用療法が行われた。割り付けは、第2期間の治療目標未達成患者の場面を除き、患者、研究者共に盲検下にて行われた。

 主要エンドポイントは、併用群とMTX単独群の比較における、78週時点のDAS28スコア3.2未満達成かつ骨破壊抑制(X線所見による)のベースラインからの変化であった。有害イベントの発生については、全期間を通じてモニタリングされた。

初期治療で寛解を達成した場合は、アダリムマブ投与を中止しても良好な状態が継続
 試験は、2006年12月28日~2010年8月3日に行われた。1,636例の患者が評価を受け適格と判定された1,032例が、第1期間の無作為化を受けた(併用群515例、MTX単独群517例)。そのうち926例が同期間の試験治療を完了した。

 併用群で第1期間を完了したのは466例であった。そのうち207例が安定性低疾患活動性を達成した。第2期間ではそのうち105例がアダリムマブ継続群に無作為化され、102例はアダリムマブを中止した。一方、MTX単独群で第1期間を完了したのは460例であった。そのうち112例が安定性低疾患活動性を達成した。第2期間では112例がMTX単独を継続し、348例がアダリムマブ併用療法に切り替えられた。

 結果、78週時点で主要エンドポイントを達成したのは、併用療法継続群73/105例(70%)であったのに対し、MTX単独群は61/112例(54%)だった(平均差:15%、95%信頼区間[CI]:2~28%、p=0.0225)。

 第2期間にアダリムマブ投与を中止した102例も、大半が良好な寛解状態が継続した。

 試験全体を通して、926例のうち706例が有害イベントを呈し、そのうち82例は重篤例とみなされたが、併用群と単独群で差はみられなかった。