クラスター無作為化試験の内的妥当性は改善しているようだ

提供元:ケアネット

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公開日:2008/05/02

 



グループ・集団を無作為化して行われるクラスター無作為化試験は、保健サービス分野で介入の妥当性を調査するのに必須とされる。しかし、グループ構成がナーシングホームからであったり一般開業医からであったりといった違いがある。統計学者は設定デザインや解析法等の妥当性、特に盲検化について評価することの重要性を強調するが、研究者は必ずしもその点に留意していない。Barts and The London School of Medicine and Dentistry(英国)Sandra Eldridge氏らは、最近発表された34の治験(医学雑誌7誌で発表分)をレビューし、その内的妥当性、外的妥当性について評価を行った。BMJオンライン版2008年3月25日号、本誌2008年4月19日号より。

医学雑誌7誌で発表された34試験をレビュー




Medlineを利用して行われたレビューの対象試験は、2004~2005年に医学雑誌7誌(「British Medical Journal」「British Journal of General Practice」「Family Practice」「Preventive Medicine」「Annals of Internal Medicine」「Journal of General Internal Medicine」「Pediatrics」)で発表された34治験。

各治験の内的妥当性(サンプルサイズ、解析法、参加者の同定方法および集め方、盲検化について)と、外的妥当性(クラスターの適格性、クラスターの構成要因、クラスターを普遍化できる可能性、医療提供者の介入に対する実行可能性および受容性)が評価された。

内的妥当性は改善、外的妥当性はまだあまり留意されていない




サンプルサイズの妥当性が確認されたのは21治験(62%)、解析法については30治験(88%)で妥当性が評価できた。

患者の集め方と同定法に関しては、約4分の1の治験に、偏りがある可能性が認められた。

盲検化が妥当だったのは19治験(56%)、アウトカム対象者(outcome assessors)が盲検化されていたのは15治験(44%)だった。

一方で、外的妥当性の評価項目のうち、クラスター普遍化の可能性は半分に満たなかった。また介入の実現可能性と許容性に関しては5分の2で妥当性が確認できなかった。

Eldridge氏は、「内部妥当性(例えばサンプルサイズや解析法)については、改善がみられるが、盲検化は必ずしも妥当に行われているとは言えない。内部妥当性に問題があるのは、参加者が集まりにくい試験のようだ。外部妥当性は、介入の質を判断するのに内的妥当性同様重要と思われるが、現状ではあまり留意されていない」とまとめた。