2001~2009年の間で、米国の0~19歳の青少年における1型および2型糖尿病患者の有病率が上昇していたことが、米国・コロラド大学公衆衛生大学院のDana Dabelea氏らによる調査の結果、判明した。著者は、「さらなる検討を行い、上昇した原因について明らかにする必要がある」と述べている。JAMA誌2014年5月7日号掲載の報告より。
全米4地域1集団の0~19歳を対象に、2001~2009年の有病率の変化を調査
米国では1型および2型糖尿病に関して人種を問わず“蔓延している”との懸念があるが、これまで有病率の傾向に関するデータは限定的なものしかなかった。
研究グループは、青少年の有病率の変化について、性別、年齢、人種/民族別に調べるため、4地域と1つのマネジド医療プランを対象に2001~2009年の症例患者について調べた。
主要評価項目は、1型と医師に診断された0~19歳の有病率(1,000人当たり)、同じく2型と医師に診断された10~19歳の有病率だった。
1型糖尿病は21.1%増、2型糖尿病は30.5%増
結果、1型糖尿病患者は、2001年は調査対象(0~19歳)330万人のうち4,958例で、有病率(/1,000人)は1.48(95%信頼区間[CI]:1.44~1.52)だった。2009年には340万人のうち6,666例、有病率1.93(同:1.88~1.97)となっていた。2009年に最も有病率が高かったのは、人種別(白人、黒人、ヒスパニック、アジア系、ネイティブ)でみると白人の未成年者で有病率は2.55(同:2.48~2.62)だった。最も低かったのはネイティブ未成年者で0.35(同:0.26~0.47)だった。また年齢別(0~4、5~9、10~14、15~19歳)ではそれぞれ15~19歳群が最も高く3.22であり、0~4歳群が最も低く0.29だった。
しかし、人種別、年齢別また性別でみた有病率はいずれも、最も低かった群(0~4歳、ネイティブ)も含めて2001年と比べて2009年のほうが高くなっていた。完全補正後、8年間の1型糖尿病患者の増大は21.1%(95%CI:15.6~27.0%)だった。
2型糖尿病患者は、2001年は調査対象(10~19歳)170万人のうち588例、有病率は0.34(同:0.31~0.37)だった。2009年には180万人のうち819例で0.46(同:0.43~0.49)となっていた。2009年において、人種別で最も有病率が高かったのはネイティブ青少年で1.20(同:0.96~1.51)、次いで黒人1.06、ヒスパニック0.79、アジア系0.34と続き、白人青少年が0.17(同:0.15~0.20)と最も低かった。年齢別(10~14、15~19歳)では、15~19歳群が高かった(0.23 vs. 0.68)。
2型糖尿病については、性別、両年齢群でみた場合はいずれも、2001年と比べて2009年の有病率は有意に上昇していた。有意な変化がみられなかったのは、アジア系(0.01減少)およびネイティブ(有病率は最も高かったが0.01減少)だった。完全補正後、8年間の2型糖尿病患者の増大は30.5%(95%CI:17.3~45.1%)だった。