早産児へのEPO、脳損傷リスク大幅減/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2014/09/12

 

 早産児への、出生前3時間~出生後42時間のエリスロポエチン(EPO)製剤投与は、脳損傷リスクを約40~80%低減することが示された。スイス・ジュネーブ大学病院のRussia Ha-Vinh Leuchter氏らが、早産児165例について行ったプラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果、報告した。JAMA誌2014年8月27日号掲載の報告より。

エリスロポエチン3,000IU/kgを静脈内投与
 研究グループは、2005~2012年にかけて、495例の乳児について行った無作為化試験の被験者のうち、165例の早産児について、エリスロポエチン投与と脳の異常との関連を分析した。被験者のうち、エリスロポエチン群は77例、プラセボ群は88例だった。脳の異常については、満期産相当時のMRIにより評価した。

 エリスロポエチン群には、出産3時間前、出産後12~18時間、同36~42時間にエリスロポエチン(3,000IU/kg)を静脈内投与した。

 試験の主要アウトカムは、24ヵ月時点の神経発達であった。副次アウトカムは、早産児の白質疾患でMRIにより評価した。

白質信号強度リスク、エリスロポエチン群で0.2倍
 副次的評価項目である白質疾患について、満期産相当時のMRIによる評価の結果、白質損傷はプラセボ群36%(32例)に対しエリスロポエチン群が22%(17例)だった。また、白質信号強度はそれぞれ11%(10例)と3%(2例)、脳室周囲白質減少が33%(29例)と18%(14例)、灰白質損傷が19%(17例)と7%(5例)と、いずれもエリスロポエチン群で有意に低率だった。

 出生時体重補正後リスク比でみると、白質損傷0.58、白質信号強度0.20、脳室周囲白質減少0.53、灰白質損傷0.34だった。

 なお、主要評価項目の生後24ヵ月時点の神経発達評価は、現時点では行われていなかった。著者は、「今回認められた所見を主とした無作為化試験、また神経発達アウトカムとの関連を調べる評価が必要である」とまとめている。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)