喫煙女性の肺疾患リスク、禁煙後20年で非喫煙者レベルに低下

喫煙は全体として死亡率上昇に関係しているが、喫煙継続あるいは禁煙後の、死亡率低下との関連については不確かで、とりわけ女性の喫煙と卵巣癌および結腸直腸癌との因果関係を推論する十分な証拠はなかった。米国ハーバード大学医学部ブリガム&ウィメンズ病院のStacey A. Kenfield氏らは、全米の看護師約10万5千人を対象に前向き観察研究を行った。その結果、癌死亡率のリスク増大に喫煙が関係していること、ただし禁煙によって改善する可能性があることを報告している。JAMA誌2008年5月7日号より。
全米の看護師10万5千人弱を追跡調査
研究は、1976年にスタートした「The Nurses’ Health Study」に基づくもので、1980~2004年の参加者10万4,519人を追跡調査したもの。参加女性の全死因(血管・呼吸器系疾患、肺癌、その他癌、その他)における喫煙と禁煙の関係を評価した。
調査対象の死亡コホートは1万2,483例で、このうち全く喫煙経験のなかった者は4,485例(35.9%)、死亡時まで継続的に喫煙していた者は3,602例(28.9%)、過去に喫煙経験のあった者は4,396例(35.2%)だった。
血管系疾患のリスクは禁煙後急激に低下
喫煙群の総死亡率のリスクは非喫煙群と比較してハザード比は2.81で(95%信頼区間:2.68~2.95)、主要原因の死亡率についてもすべて同様に高かった。2004年版公衆衛生総監報告書(2004 surgeon general's report)の分類に基づく、喫煙に関連する癌リスクのハザード比は7.25(95%信頼区間:6.43~8.18)に達し、その他癌も1.58(1.45~1.73)だった。
喫煙の結腸直腸癌リスクは非喫煙群と比較してハザード比1.63(1.29~2.05)、元喫煙群(現在は喫煙していない)との比較では1.23(1.02~1.49)だったが、卵巣癌については有意な関連が認められなかった。
また喫煙を始めた年齢が若かった者について、全死亡率(P=0.003)、呼吸器疾患死亡率(P=0.001)、喫煙関連の癌の死亡率(P=0.001)に有意な傾向が認められた。
なお、全死因死亡率の超過リスクは、禁煙後20年で非喫煙者のレベルに低下することがすべての転帰で観察された。
おおむね死亡原因が喫煙に起因していたのは、喫煙者で約64%、元喫煙者では28%。
Kenfield氏らは「喫煙女性の血管系疾患による死亡率の超過リスクは、禁煙すると急速に低下し、肺疾患でも20年以内に改善する可能性がある。喫煙開始年齢が遅いほど、呼吸器疾患や肺癌、その他喫煙関連の癌死リスクは低下するが、その他の疾患による死亡率にはほとんど影響が認められなかった」と結論した。
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