妊婦のフルコナゾール内服、自然流産のリスク増加/JAMA

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2016/01/21

 

 妊娠7~22週にカンジダ症の治療薬として経口フルコナゾールを服用した妊婦は、服用しなかった妊婦、またはアゾール外用薬を使用した妊婦に比べ、いずれも自然流産リスクが約5~6割増大することが判明した。一方で死産リスクについては、有意な増大は認められなかった。デンマークStatens Serum InstitutのDitte Molgaard-Nielsen氏らが、140万例超の妊婦コホートを対象に行った試験で明らかにした。JAMA誌2016年1月5日号掲載の報告。

非服用またはアゾール外用薬使用と自然流産・死産リスクを比較
 研究グループは、1997~2013年のデンマーク国内を対象とした妊婦コホート140万5,663例のうち、経口フルコナゾールを服用した妊婦について、最大4つの非服用適合コホートと比較した。適合は、傾向スコア、妊婦の年齢、妊娠年、妊娠週数で行った。また、アゾール外用薬を使用した妊婦についても比較し、適応による交絡因子の影響を除外した。

 主要評価項目は、自然流産と死産とした。

経口フルコナゾール群で自然流産リスク1.48倍
 結果、経口フルコナゾールを妊娠7~22週に服用した妊婦3,315例では、自然流産は147例だったのに対し、適合コホート1万3,246例では563例と、フルコナゾール群で同発生リスクは約1.5倍に増大した(ハザード比[HR]:1.48、95%信頼区間:1.23~1.77)。

 一方、経口フルコナゾールを妊娠7週~出産までに服用した妊婦5,382例のうち、死産は21例で、適合コホートでは2万1,506例中77例と、同発生リスクの有意な増大は認められなかった(HR:1.32、同:0.82~2.14)。

 また、アゾール外用薬を使用した妊婦との比較でも、自然流産の発生は、アゾール外用薬群2,823例中118例に対し、経口フルコナゾール群2,823例中130例と有意に高率だった(HR:1.62、同:1.26~2.07)。死産については、それぞれ4,301例中22例、4,301例中20例と両群で同程度だった(HR:1.18、同:0.64~2.16)。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)