米国においては1980年~2004年の間に、過体重(overweight)の子どもが増加したことが知られている。そこで米国国立保健統計センター(NCHS)のCynthia L. Ogden氏らは、2003年から2006年にかけての子供たち(2~19歳)のBMI値の変化を調査した。JAMA誌2008年5月28日号より。
全米の2~19歳8,165例を調査
調査は、2003~2004年および2005~2006年の国民健康栄養調査研究(NHANES)の一部から、2~19歳8,165例の身長と体重の測定値を得て行われた。NHANESは米国市民を対象とした代表的な全国調査である。得られた数値を、米国疾病管理センター(CDC)が出した米国児童の年齢・性別・民族/人種別に基づくBMI成長曲線にあてはめて、85パーセンタイル以上(過体重)、95パーセンタイル以上(肥満)、97パーセンタイル以上に該当する者の各割合を比較した。
結果、2003~2004年および2005~2006年の各年間では統計学的な有意差が見出されなかった。そこで4年間のデータを結合して検討が行われた。
2003~2006年に、2~19歳でBMI成長曲線値が97パーセンタイル以上だった者は11.3%(95%信頼区間:9.7~12.9%)、95パーセンタイル以上は16.3%(14.5~18.1%)、85パーセンタイル以上は31.9%(29.4~34.4%)だった。
高BMIの子どもの割合に有意な経年変化は見られず
高BMIの割合傾向は年齢、民族/人種による違いはみられたが、4つの期間(1999~2000年、2001~2002年、2003~2004年、2005~2006年)を通して、男女間では統計的に有意な傾向はみられなかった(P値傾向0.07~0.41)。
高BMIの子どもの割合は、2003~2004年および2005~2006年の各間で有意な変化はみられず、1999~2006年の間でも有意な傾向は見られなかったと結論している。
(朝田哲明:医療ライター)