腰椎変性すべり症、除圧術単独は固定術併用に非劣性/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2024/08/19

 

 腰椎変性すべり症に対する除圧術単独vs.固定術併用を検討した多施設共同無作為化非劣性試験「Nordsten-DS試験」の5年間の追跡調査で、除圧術単独群の固定術併用群に対する非劣性が示され、indexレベルまたは隣接腰椎レベルでの新たな手術実施の割合に群間で差はなかったという。ノルウェー・Haukeland University HospitalのEric Loratang Kgomotso氏らNordsten collaboratorsが報告した。BMJ誌2024年8月7日号掲載の報告。

術後5年でOswestry disability index約30%低下達成の患者割合を評価

 Nordsten-DS試験は、ノルウェーの公立整形外科および脳神経外科16ヵ所で腰椎変性すべり症患者を対象に、固定器具を用いて行う除圧術(固定術併用)に対して除圧術単独が非劣性であるかを、初回手術から5年後の時点で評価した。対象は、症候性腰部脊柱管狭窄症を有し、狭窄レベルで3mm以上のすべりがある18~80歳の患者であった。

 主要アウトカムは、ベースラインから追跡5年時点のOswestry disability indexの約30%の低下。事前に規定した非劣性マージンは、主要アウトカム達成患者の割合の差が15%ポイントであることとした。副次アウトカムは、Oswestry disability index、Zurich claudication questionnaire、脚部・腰部疼痛の数値的評価スケール、およびEuroQol Group 5-Dimension(EQ-5D-3L)質問票の平均変化値などであった。

修正ITT解析の達成患者割合は両群63%、事前規定の非劣性マージン達成

 2014年2月12日~2017年12月18日に、267例が1対1の割合で除圧術単独群(134例)または固定術併用群(133例)に無作為に割り付けられた。このうち230例(88%)が5年時の質問票に回答した(除圧術単独群121例、固定術併用群109例)。ベースラインの平均年齢は66.2歳(SD 7.6)、女性は69%を占めた。

 欠損データに対する多重代入法を用いた修正ITT解析において、除圧術単独群84/133例(63%)と固定術併用群81/129例(63%)が、Oswestry disability indexの30%以上低下を達成し、群間差は0.4%ポイント(95%信頼区間[CI]:-11.2~11.9)であった。per protocol解析の結果は、除圧術単独群65/100例(65%)、固定術併用群59/89例(66%)で、群間差は-1.3%ポイント(-14.5~12.2)であった。修正ITT解析およびper protocol解析のいずれにおいても、95%CI値は事前規定の非劣性マージンである-15%を下回らなかった。

 ベースラインから5年時までのOswestry disability indexの平均変化値は、両群ともに-17.8だった(平均群間差:0.02[95%CI:-3.8~3.9])。その他の副次アウトカムの結果は、主要アウトカムと同様の傾向を示した。

 新たな腰椎手術は、追跡2~5年の間に除圧術単独群で6/123例(5%)、固定術併用群で11/113例(10%)に行われた。ベースラインから5年時までの同手術の総数は、除圧術単独群21/129例(16%)、固定術併用群23/125例(18%)であった。

(ケアネット)