III期またはIV期の進行古典的ホジキンリンパ腫を有する思春期および成人患者において、ニボルマブとドキソルビシン、ビンブラスチン、ダカルバジンの併用投与(N+AVD)は、ブレンツキシマブ ベドチンとドキソルビシン、ビンブラスチン、ダカルバジンの併用投与(BV+AVD)と比較して無増悪生存期間(PFS)を延長し、良好な副作用プロファイルを示したことが、米国・シティ・オブ・ホープ総合がんセンターのAlex F. Herrera氏らによる検討で示された。進行古典的ホジキンリンパ腫の治療にブレンツキシマブ ベドチンを組み入れることで、成人および小児患者の転帰は改善することが知られている。しかしながら、ブレンツキシマブ ベドチンは、成人の治療において毒性を増加させ、投与を受けた小児患者の半数以上に地固め放射線療法が行われており、再発が依然として課題となっている。ホジキンリンパ腫では、未治療患者を含めた予備的試験などでPD-1の阻害が有効であることが示されており、研究グループはN+AVDの有効性と安全性を評価する試験を行った。NEJM誌2024年10月17日号掲載の報告。
III期/IV期の12歳以上患者を対象、N+AVD vs.BV+AVDを評価
研究グループは、米国およびカナダの256施設でIII期またはIV期のホジキンリンパ腫と新規に診断された12歳以上の患者を対象に、第III相多施設共同非盲検無作為化試験を行った。
被験者は、N+AVD群またはBV+AVD群に1対1の割合で無作為化され、追跡評価を受けた。残存する代謝活性病変に放射線療法を受けることが可能であることが事前に規定された。
主要評価項目はPFSで、無作為化から初回の病勢進行または全死因死亡までの期間とした。
N+AVD群でPFSが有意に改善
2019年7月19日~2022年10月5日に計994例が無作為化を受け(N+AVD群496例、BV+AVD群498例)、970例が修正ITT集団に組み入れられた(N+AVD群487例、BV+AVD群483例)。
計画されていた第2回中間解析の時点(追跡期間中央値12.1ヵ月)で、N+AVD群はBV+AVD群と比較してPFSの有意な改善が示され(病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.48、99%信頼区間[CI]:0.27~0.87、両側p=0.001)、有効性の閾値達成が認められた。
追跡期間が短かったために、追跡期間を延長して繰り返し解析を実施。追跡期間中央値2.1年(範囲:0~4.2)では、2年PFS率はN+AVD群で92%(95%CI:89~94)、BV+AVD群で83%(79~86)であった(病勢進行または死亡のHR:0.45、95%CI:0.30~0.65)。
全体で7例が放射線療法を受けた。ニボルマブ投与による免疫関連の有害事象はまれであった。ブレンツキシマブ ベドチンは、より多くの治療中止と関連していた。
(ケアネット)