薬物過剰摂取による死者の90%以上がオピオイド使用

提供元:ケアネット

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公開日:2008/12/23

 



米国ウエストバージニア州で薬物乱用が原因で死亡した人のうち、90%以上がオピオイドを使用、その4割超が処方箋なしで不正入手していたことが明らかになった。これは、米国疾病予防管理センター(CDC)のAron J. Hall氏らの調べによるもので、JAMA誌2008年12月10日号で発表した。同州は1999~2004年にかけて、薬物過剰摂取による死亡率が全米で最も増加した地域だった。

薬物過剰摂取死亡者のうち6割強が処方薬を不正入手




Hall氏らは、2006年に同州で薬物の過剰摂取で死亡した295人について、その薬の種類や処方箋の有無などについて調査した。調査対象となった死者のうち、198人(67.1%)が男性で、271人(91.9%)が18~54歳で、平均年齢、年齢の中央値ともに39歳だった。

医師からの処方箋がなく処方薬を不正入手し、使用していたのは、全体の63.1%にあたる186人だった。

また、死亡した前年に、5人以上の医師から規制薬物の処方箋を入手した、“ドクター・ショッピング”をしていた人は、21.4%、63人だった。ドクター・ショッピングの傾向は女性に多く、調査対象の女性の30.9%(30人)に上ったのに対し、男性では同16.7%(33人)、また年齢別では35~44歳のグループが30.7%(23人)と最も高率だった。

8割が複数種の薬物を使用




オピオイドを使用していたのは、275人(93.2%)に上った。そのうち、同種の薬を医師から処方してもらったことがなく、不正に入手していた人は、122人(44.4%)だった。

また、調査対象者の279人(94.6%)で、故意に間違った投与法で薬を使用していたり、違法薬を使用するなど、薬物乱用の兆候が見られた。さらに234人(79.3%)が複数種の薬物を使用していた。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)