米国FDAにおいて昨年末に承認された、慢性特発性血小板減少性紫斑病(Idiopathic Thrombocytopenic Purpura:ITP)に対する新しい経口治療薬eltrombopag(商品名:Promacta)の第Ⅲ相試験の結果が、Lancet誌2009年2月21日号で公表された。eltrombopagは、血小板新生を促す非ペプチド性トロンボポエチン受容体刺激薬で、第Ⅲ相試験では、安全性、有効性、1日1回50mg投与の忍容性、および服用量を75mgまで増加した場合の有効性について検討された。
無作為化二重盲検プラセボ対照試験にて検討
23ヵ国63施設からITP患者が参加し、無作為化二重盲検プラセボ対照試験にて行われた第Ⅲ相試験は、血小板数30,000/μL未満で、1つ以上の標準治療を受けたことがある患者を最大6週間、標準治療+eltrombopagを1日1回50mg服用群(n=76)と、+プラセボ服用群(n=38)に、検証済無作為化システムを用いて2対1の割合になるよう割り付け実行された。
投与量の増加(75mg)は血小板数50,000/μL未満の患者に対して、試験開始3週時点で行われた。
主要評価項目は、43日時点までに血小板数50,000/μL以上に改善した患者の割合とされた。
eltrombopag治療群の血小板数50,000/μL以上達成割合はプラセボ群の9.61倍
43日間の解析が析可能だったのは、eltrombopag群は73例、プラセボ群は37例で、このうちeltrombopag群では43例(59%)が、血小板数50,000/μL以上となった。プラセボ群では6例(16%)で、オッズ比は9.61(95%信頼区間:3.31~27.86、p<0.0001)となっている。なおeltrombopagによる治療への反応が、先に受けた他の治療の影響を受けていることは認められなかった。
また、服用量を増加した患者34例のうち増量効果の有効性が示されたのは10例(29%)だった。
一方、血小板数は治療終了後、概して2週以内に基線値に戻った。
eltrombopag服用患者は試験中、一貫して、プラセボ群より出血事象は少なかった(オッズ比:0.49、95%信頼区間:0.26~0.89、p=0.021)。
またグレード3および4の有害事象の発生頻度は、両群とも3%、さらに試験中断レベルの有害事象頻度は、eltrombopag群3例(4%)、プラセボ群2例(5%)と、両群同様の結果が示されている。
これら結果を受け、「Eltrombopag服用は、慢性ITPにより血小板が減少した患者に対し効果的な処置である」と結論された。