直腸癌患者に対し術前放射線療法を施行したほうがアウトカムを改善する

提供元:ケアネット

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公開日:2009/03/19

 




直腸癌患者に対する、術前あるいは術後放射線療法は再発リスクを減らすが、どちらに行うのがアウトカムの改善に寄与するか。英国聖ジェームズの大学病院のDavid Sebag-Montefiore氏らによる多施設共同無作為化試験の結果、手術前に行うことで再発リスクが減り無病生存が改善することが報告された。Lancet誌2009年3月7日号より。

4ヵ国80施設1,305例が参加




試験は、ショートコースの術前放射線療法群と、選択的術後化学放射線療法を伴う初発手術群との比較で行われ、4ヵ国80施設で、直腸腺癌の手術が可能だった1,305例が無作為化され実行された。

ショートコースの術前放射線療法(25 Gyを5回に分けて照射)には674例、選択的術後化学放射線療法群(45 Gyを25回に分けて照射+5FU剤)には676例が割り付けられた。

主要評価項目は、局所再発で全例解析が行われた。

局所再発の相対リスクは0.39倍、3年時点で絶対差6.2%




解析時に330例の死亡が確認された(術前群157例、術後群173例)。一方、生存患者の追跡期間中央値は4年だった。

局所再発は99例(術前群27例、術後群72例)。術前群は術後群に比べて、局所再発の相対リスクは61%低かった(ハザード比:0.39、95%信頼区間:0.27~0.58、p<0.0001)。3年時点の絶対差は6.2%(95%信頼区間:5.3~7.1、4.4% vs 10.6%)だった。

また、無病生存に関しても同様の術前群の改善が認められている。ハザード比:0.76(95%信頼区間:0.62~0.94、p=0.013)、3年時点の絶対差6.0%(95%信頼区間:5.3~6.8、77.5% vs 71.5%)。

全生存の群間差は認められなかった(ハザード比:0.91、95%信頼区間:0.73~1.13、p=0.40)。