間欠性跛行に対する経口ナフチドロフリルの有効性について、Ghent大学(ベルギー)Heymans薬理学研究所のT De Backer氏らが、個々の患者データに基づくメタ解析を実施。プラセボとの比較で臨床的な有用性が確認されたと、BMJ誌2009年3月21日号(オンライン版2009年3月10日号)で発表した。血管作用薬の治療薬として提案されて30年以上になるが、強力な有効性データが不足しており、使用については議論が続いている。ナフチドロフリルは1968年に発売され、European and transatlanticガイドラインでも有効性が言及されているが、メタ解析による有効性の提示が行われていない。唯一行われたシステマティックレビューによるメタ解析は、取り上げた試験間の不均一性を理由に見送られていたが、Backer氏らは、個々の患者データに基づくメタ解析で補正可能と判断し本研究を実施した。
1,266例を無作為化し全例解析
解析は、Medline、International Pharmaceutical Abstracts、Embase、Science Citation Index、the Cochrane trial registersから、無痛歩行距離を主要アウトカムとする、二重盲検無作為化プラセボ対照試験を取り出し行われた。
個々の患者データは、電子データもしくは症例報告から収集され整合性の確認を行った上で解析に回された。
解析方法は、すべての患者を無作為化したのち全例解析。有効性は、プラセボとの比較によるナフチドロフリル投与後の無痛歩行距離の相対的改善率(相乗平均)で評価された。レスポンダー解析における治療成功の定義は、歩行距離がベースライン時より最低50%改善された場合とした。
患者総数は1,266例で、主要解析対象は1,083例にて行われた。
結果、プラセボとの比較でナフチドロフリル投与後の無痛歩行距離の相対的改善率は、1.37(95%の信頼区間1.27~1.49)。改善率の差は22.3%(95%信頼区間:17.1%~27.6%)だった。また、6ヵ月の治療期間中に症状軽減のために必要とした治療回数は4.48(95%の信頼区間3.62~5.85)だった。