中高年で禁煙ができない人も、休みの日に少しでも体を動かせば、禁煙したのと同じくらい長生き効果があることが、スウェーデン中部の都市ウプサラ県での住民コホート追跡調査から報告された。ウプサラ大学(スウェーデン)整形外科/研究センターのLiisa Byberg氏らが、1970~1973年の間に満50歳だった同県男性2,205人を35年にわたり追跡調査した結果で、2009年4月18日号(オンライン版2009年3月5日号)で掲載された。
50歳以後の身体活動度と死亡率を評価
調査は参加者の死亡率を主要評価項目として行われ、追跡調査は参加者が60、70、77、82歳時それぞれの時点で行われた。
各々の調査時点では、参加者に4項目を質問――(1)余暇はじっとして過ごすことが多いか(読書、TVあるいは映画鑑賞など座って過ごす)、(2)よくウォーキングやサイクリングを楽しんでいるか、(3)毎週、娯楽的なスポーツやガーデニングを少なくとも3時間はしているか、(4)ハードトレーニングや競技スポーツを定期的に行っているか。(1)と回答した人は「低身体活動度」群に、(2)は「中身体活動度」群、(3)(4)の人は「高身体活動度」群と評価した。
50歳時点では半数以上が「高」群に、「中」群は36%、「低」群は15%だった。
50歳からの運動開始でも十分間に合う
追跡調査終了時で死亡していたのは、1,329人(60%)。
絶対死亡率は、「低」群27.1例/人・年、「中」群23.6例/人・年、「高」群18.4例/人・年だった。
「高」群の死亡率の相対的低下率は、「低」群との比較で32%、「中」群とでは22%だった。
50~60歳の間に身体活動度がアップした人は、追跡期間の最初の5年間の死亡率が、活動度が変わらなかった人と比べると上昇し続けた(ハザード比:2.64)。しかし追跡期間10年を経ると、同等になった(1.10)。
死亡率の低下は、身体活動度を増すことと関連しており、身体活動を増すことは禁煙したのと同じくらいの低減効果に匹敵する効果があることが確認されたという。