高齢で肥満のがん患者、電話による食事や運動指導で身体機能スコア低下を緩和

提供元:ケアネット

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公開日:2009/05/26

 




高齢で肥満のがん患者に対し、電話や郵送による食事・運動指導を行ったところ、1年後の身体機能スコアの低下が緩和できたという。QOL(生活の質)も向上し、体重も減少していた。これは、米国Duke大学高齢者センターのMiriam C. Morey氏らの調査で明らかになったもので、JAMA誌2009年5月13日号で発表した。

指導によりSF-36スコアの低下幅が半分以下に




同氏らは、直腸結腸がん、乳がん、前立腺がんの診断を受けてから5年以上経過した、肥満の65~91歳の高齢患者、641人について調査を行った。被験者の肥満指数(BMI)は25以上40未満だった。

被験者を無作為に2群に分け、一方の群には電話や郵便物を通じて、食事・運動指導を12ヵ月にわたり行った。もう一方は対照群として、何も行わなかった。試験開始時の身体機能(SF-36)スコアは、平均75.7だった。

12ヵ月後のSF-36スコアの変化幅について見てみると、対照群では-4.84(95%信頼区間:-3.04~-6.63)だったのに対し、指導群では-2.15(-0.36~-3.93)に留まった(p=0.03)。

下肢機能スコアの減少も緩和、体重減少幅は増大




また、試験開始時の下肢機能スコアの平均は78.2だった。12ヵ月後の変化幅について見てみると、対照群では-1.89(-0.70~-3.09)だったのに対し、指導群では0.34(-0.84~1.52)だった(p=0.005)。

さらに、体重減少幅について指導群で有意に大きく、対照群では0.92kg(0.51~1.33kg)だったのに対し、指導群では2.06kg(1.69~2.43kg)だった(p<0.001)。生活の質(QOL)や身体活動、食事習慣についても、対照群に比べ、指導群で有意な改善が見られた。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)