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妊娠糖尿病患者の2型糖尿病発症リスクは、正常妊婦に比べ7倍

提供元:ケアネット

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公開日:2009/06/04

 



妊娠糖尿病を有した女性が、2型糖尿病を発症するリスクは、正常血糖妊娠だった女性に比べ7倍強に上ることが、システマティックレビューおよびメタ解析の結果、明らかになった。ロンドン・Northwick Park病院のLeanne Bellamy氏らによる解析で、Lancet誌2009年5月23日号に掲載された。これまで、妊娠糖尿病患者が2型糖尿病を発症するリスクが高いことは知られていたが、その度合いや時期については十分わかってはいなかった。

過去半世紀にわたる文献からシステマティックレビューおよびメタ解析




Bellamy氏らの研究は、被験者の状態とリスクに影響を与える因子との関連についての評価を目的とした、システマティックレビューおよびメタ解析。文献検索はEmbase、Medlineで、1960年1月1日~2009年1月31日の広範囲にわたって行われた。検索されたのは、妊娠糖尿病後の2型糖尿病発症について追跡されている論文で、205の重要な報告が入手できた。

そのうち、20の研究を選定。被験者女性は67万5,455例、2型糖尿病の発症例は1万859例だった。入手したデータから、ランダム効果モデルを用いて未補正相対リスク(および95%信頼区間)を算出した。また、2型糖尿病の症例数、民族・人種、追跡調査期間、妊産婦年齢、BMI、診断基準によるサブグループ解析も行われた。

その結果、妊娠糖尿病の女性は、正常血糖妊娠女性に比べて、2型糖尿病を呈するリスクは7.43倍(95%信頼区間:4.79~11.51)に上ると算出された。リスク値は、最大規模の試験(被験者女性65万9,164例、2型糖尿病9,502例)で最も大きく、12.6倍(12.15~13.19)だった。

これら値に関して、サブグループ解析でも整合性が取れていた。

Bellamy氏は「解析結果から、妊娠糖尿病患者が2型糖尿病を発症するリスクは大きいこと、および時期に関して患者と医療者との認識を増すことができた。これによって、対象女性に対し、検査や食事、生活様式、さらに薬物療法の機会を提供することで、予防や発症を遅らせることができるかもしれない」と知見をまとめている。