生後3ヵ月の過度な体重増、早期成人期の心血管疾患や2型糖尿病リスク因子と関連

提供元:ケアネット

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公開日:2009/06/16

 



生後3ヵ月に急激な体重増が見られた人は、早期成人期に、インスリン感受性の低下など心血管疾患や2型糖尿病のリスク因子の発症率が増加することがわかった。新生児期の成長速度と、心血管疾患や2型糖尿病リスクとの関連についての研究結果は少ないという。オランダErasmus Medical CenterのRalph W. J. Leunissen氏らが、200人超の早期成人について調べ明らかにしたもので、JAMA誌2009年6月3日号で発表した。

217人について生後1年間のデータを分析




Leunissen氏らは、2004~2007年にかけて、18~24歳の323人について調査を行った。対象には、出生時の身長が-2標準偏差未満で成長後には標準身長範囲になった92人や、逆に出生時には標準身長範囲だったが成長時には身長が-2標準偏差未満になった60人も含んでいた。また30人は、出生時にも成長時にも身長が-2標準偏差未満だった。

そのうち、生後1年間のデータが得られた217人について、重回帰分析を行った。

生後3ヵ月の急激な体重増、インスリン抵抗性の低下などに関連




その結果、生後3ヵ月に急激な体重増が見られた人には、インスリン抵抗性の低下(標準化偏回帰係数:-0.223、95%信頼区間:-0.386~-0.060)、高比重リポプロテイン(HDL)コレステロール値の低下(-0.053、-0.090~-0.016)、ウエスト周囲の増加(1.437、0.066~2.808)、急性インスリン反応の増加(0.210、0.024~0.395)、総コレステロール値/HDLコレステロール値の増加(0.052、0.010~0.094)、トリグリセリド値の増加(0.066、0.003~0.129)が認められた。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)