前兆を伴う偏頭痛を経験した中年女性、小脳梗塞様病変の発生が約2倍

提供元:ケアネット

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公開日:2009/07/07

 



中年期に前兆を伴う偏頭痛を毎月経験した女性は、頭痛経験がなかった人に比べ、後年期に、小脳梗塞様病変が発生する割合が約2倍増加することがわかった。なお、前兆のない偏頭痛や、男性の前兆を伴う偏頭痛については、同関連は見られなかったという。米国Uniformed Services大学のAnn I. Scher氏らの調べで明らかになったもので、JAMA誌2009年6月24日号で発表した。

月1回以上の前兆のある偏頭痛で小脳梗塞様病変は1.4倍




Scher氏らは、1907~1935年に生まれた4,689人について、1967年から追跡を始め、偏頭痛症状について診察やインタビュー調査を行った。症状について調査を行った時点の被験者の年齢は33~65歳で、平均年齢は51歳だった。その26年以上後に、MRIで脳の梗塞様病変の有無について調べた。

その結果、前兆のある偏頭痛が1ヵ月に1回以上あった人(361人)は、頭痛がなかった人(3,243人)に比べ、後に脳梗塞様病変が認められる確率がおよそ1.4倍(補正後オッズ比:1.4、95%信頼区間:1.1~1.8)だった。

女性の前兆のある偏頭痛は小脳梗塞様病変が1.9倍




なかでも、女性の小脳梗塞様病変については、前兆のある偏頭痛を経験した人の同発生率は23.0%だったのに対し、頭痛のなかった人の同発生率は14.5%と、補正後オッズ比が1.9(95%信頼区間:1.4~2.6)だった。一方男性については、前兆のある偏頭痛を経験した人と頭痛のなかった人の間で、同発生率に有意差はなかった(補正オッズ比:1.0)。

なお、前兆のない偏頭痛や、偏頭痛以外の頭痛と、梗塞様病変の発生率については、関連は認められなかった。

同研究グループはこの結果を受けて、中年期に前兆のある偏頭痛を経験した女性は、後年の小脳部血管疾患の発生に関連がある可能性が支持されたとしている。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)