地中海式ダイエット食、認知症とは無関係? 認知機能低下は抑制する?

提供元:ケアネット

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公開日:2009/08/25

 



フランスUniversite Victor Segalen Bordeaux 2のCatherine Feart氏らは、地中海式ダイエット食を摂っている高齢者に、認知能力試験の1つ、ミニメンタル・ステート試験(MMSE)スコアの低下が認められたが、その他の認知能力試験の結果には、関連は見られなかったことを報告した。併せて、地中海式ダイエット食と認知症の発症リスクとには関連が認められなかったとも報告している。1,400人超のフランス人高齢者を対象に行った試験で明らかにしたもので、JAMA誌2009年8月12日号で発表した。

1,410人を対象に4種の認知能力試験を実施、最低5年毎に追跡




Feart氏らは、2001~2002年にかけて、合わせて1,410人の65歳以上について、前向きコホート試験を開始し、最低5年毎に再調査を行った。認知度を測る4種の試験、MMSE試験、Isaacs Set Test(IST)、ベントン視覚記銘検査(Benton Visual Retention Test;BVRT)、Free and Cued Selective Reminding Test(ヒントがある場合とない場合の選択的想起試験、FCSRT)を行った。

MMSEスコアの低下は減速、他3種試験のスコアでは関連なし




年齢や性別、学歴、運動量、アポリポ蛋白E遺伝子型などについて補正を行った後、地中海式ダイエット食のスコアが高いほど、MMSE試験での間違いが少ない傾向があることが認められた(MMSEスコア1ポイント増加によるβ=-0.006、95%信頼区間:-0.01~-0.0003、p=0.04)。しかし、IST、BVRT、FCSRTのスコアの変化については、地中海式ダイエット食のスコアとの関連は見られなかった。

また、5年の間に認知症の症状が見られなかった人について調べてみると、地中海式ダイエット食のスコアが最も高かった群は、最も低かった群に比べ、MMSEの間違いが少なく、FCSRTスコアも高かった(MMSEのβ=-0.03、95%信頼区間:-0.05~-0.001、p=0.04、FCSRTのβ=0.21、95%信頼区間:0.008~0.41、p=0.04)。

一方、地中海式ダイエット食と認知症発症リスクの間には、関連性は見られなかった(ハザード比:1.12、同:0.60~2.10、p=0.72)。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)