心房細動患者の脳卒中予防のための経皮的左心耳閉鎖術 vs. ワルファリン療法

提供元:ケアネット

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公開日:2009/08/27

 



非弁膜症性心房細動患者では、塞栓性発作は左心耳(LAA)血栓によると考えられている。米国メイヨー医科大学のDavid R Holmes氏らは、心房細動患者の脳卒中予防のために、LAAの経皮的閉鎖術の有効性と安全性を評価するため、ワルファリン療法との比較で無作為化非劣性試験を行った。Lancet誌2009年8月15日号より。

心房細動患者をLAA経皮的閉鎖術とワルファリン療法に無作為化




この多施設共同無作為化非劣性試験に参加する成人の非弁膜症性心房細動患者は、脳卒中または一過性脳虚血発作、うっ血性心不全、糖尿病、高血圧の既往、または75歳以上の後期高齢者――の少なくとも1つの条件を満たした場合に限られた。707例の適格患者はコンピュータで作成した無作為化配列に従い、LAA経皮的閉鎖術・ワルファリン45日間投与後中段群(介入群、n=463)と、INR2.0~3.0を維持したワルファリン継続投与群(コントロール群、n=244)にランダムに2:1の比率で割りつけられた。治療の有効性は、脳卒中、心血管死、全身性塞栓症の主要複合エンドポイントによって評価された。

少なくとも97.5%の介入に関して、二倍非劣性マージンを用いた非劣性片側検定を選択した。安全性の主要エンドポイントを構成する深刻な有害事象として、大出血、心膜液浸出、デバイス塞栓形成を含めた。

有害事象は高率も、非劣性が証明された




1,065患者年の追跡調査の結果、主要な有効性イベント発生率は、介入群の100患者年につき3.0(95%信頼区間:1.9~4.5)に対し、対照群は同4.9(同:2.8~7.1)だった(リスク比:0.62、95%信頼区間:0.35~1.25)。介入群の非劣性確率は99.9%以上だった。著者はこれらから、このデバイスを用いたLAA経皮的閉鎖術の有効性はワルファリン療法と比べて劣らないと解釈できるとしている。

また、主要安全性イベントは介入群で対照群より頻度が高く、100患者年につき7.4(同:5.5~9.7)対4.4(同:2.5~6.7)だった(リスク比:1.69、同:1.01~3.19)。有害事象が対照群より介入群で高率でみられたが、それはおもに周術期の合併症によるものだとした。

これらから研究グループは、LAA経皮的閉鎖術が非弁膜症性心房細動患者の脳卒中予防に、長期間のワルファリン療法に代わる治療戦略を提供する可能性があると述べている。