アメリカのNixon氏らによって、小児救急における急性感染性下痢症状の罹患期間を減らすことを目的として、プロバイオティクス乳酸菌(ラクトバチルスGG;LGG)の有用性が検討された。その結果、LGGは2日以上下痢症状を呈する患児の罹患期間を短縮する可能性が示唆された。Pediatr Emerg Care誌2012年10月号の報告。
下痢を主訴に小児救急を受診した生後6ヵ月から6歳の小児を対象とした二重盲検ランダム化比較試験。155例の患児が登録され、129例が試験を完了した。LGG群(63例)とプラセボ群(66例)に無作為に割り付けられ、それぞれ1日2回、5日間服用した。どちらの群も保護者が家での排便状況を毎日記録し、リサーチャーが調査を毎日行い、両群の正常な排便に戻るまでの時間と下痢回数を比較した。
主な結果は以下のとおり。
・正常な排便までに要した時間(LGG群:中央値60時間[四分位範囲37-111時間]、プラセボ群:74時間[43-120時間];p=0.37)、および下痢回数(LGG群:5.0回[1-10回]、プラセボ群:6.5回[2-14回];p=0.19)において、有意差はみられなかった。
・一方、2日以上下痢症状を呈している患児では、LGG群では正常な排便に戻る時間が早く(LGG群:51時間[32-78時間]、プラセボ群:74時間[45-120時間];p=0.02)、下痢回数も少なかった(LGG群:3.5回[1.0-7.5回]、プラセボ群:7回[3.0-16.3回];p=0.02)。
・2日以上下痢症状を呈している患児では、LGG群ではプラセボ群と比較して2.2倍正常便に戻りやすかった(95%CI:1.3~3.9;p=0.01)。
(ケアネット 森 幸子)