親のストレスは子どもの肥満に関連する?

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2012/11/12

 

 親のストレスと子どもの肥満に関する調査結果が報告された。その結果、親のストレス因子の数は子どもの肥満に直接関連しており、親が自覚しているストレスは、肥満リスクの重大な行動学的指標である子どものファストフード消費量に直接関連していることが明らかになった。アメリカのParks氏らによる報告。Pediatrics誌2012年11月号(オンライン版2012年10月22日号)掲載報告。

 本試験は2006年の南東ペンシルベニアの世帯健康調査データを用いて断面解析を行った。対象は、自身と子ども(3~17歳)に関するアンケートに回答した2,119人の親・保護者。

 調査結果は曝露変数(ストレス因子の数、親の自覚しているストレス)とアウトカム(子どもの肥満、ファストフードの消費量、果物と野菜の消費量、身体活動量)の関係を評価するために用いられた。ストレス因子の数はストレス指数によって、親の自覚しているストレスは一般的なストレスに関する質問への回答によって決定された。共変量は、(子どもの)年齢、人種・民族、健康度、性別、および(大人の)学歴、BMI、性別、睡眠の質とされた。また、発達の差を考慮するため、年齢による層別化も行われた(3~5歳、6~8歳、9~12歳、13~17歳)。分析は多重ロジスティック回帰分析で行われた。

 主な結果は以下のとおり。

・親のストレス因子の数は、調整の有無にかかわらず、子どもの肥満に関連していた。
 -未調整モデル:オッズ比 1.12、95%CI:1.02~1.22、p=0.007
 -調整モデル:オッズ比 1.12、95%CI:1.03~1.23、p=0.010
・親の自覚しているストレスは、調整の有無にかかわらず、子どものファストフードの消費量に関連していた。
 -未調整モデル:オッズ比 1.07、95%CI:1.03~1.10、p<0.001
 -調整モデル:オッズ比 1.06、95%CI:1.02~1.10、p<0.001

(ケアネット 森 幸子)