ピロリ除菌10年経過後の胃がん発症リスク因子~日本での研究

提供元:ケアネット

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公開日:2026/03/27

 

 Helicobacter pylori除菌療法後10年以上経過した患者における胃がん発症のリスク因子を検討した横浜市立大学の小野寺 翔氏らの症例対照研究の結果、開放型萎縮と重度腸上皮化生が独立したリスク因子であることが明らかになった。Scandinavian Journal of Gastroenterology誌2026年3月号に掲載。

 本研究では、除菌療法後10年以上経過してから胃がんと診断され内視鏡的粘膜下層剥離術を受けた患者を胃がん群、除菌療法後10年以上胃がんを発症していない患者を非胃がん群とした。年齢、性別、除菌後の期間について傾向スコアマッチングを実施後、両群の臨床所見および内視鏡所見を比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・胃がん群は105例、非胃がん群は127例で、マッチング後、95組のペアを作成した。
・胃がん群では、開放型萎縮(p<0.001)、重度腸上皮化生(p<0.001)、地図状発赤(p=0.002)、黄色腫(p=0.005)が有意に多かった一方、胃潰瘍の既往(p=0.022)、十二指腸潰瘍の既往(p=0.015)、胃底腺ポリープ(p=0.006)は有意に少なかった。
・多変量解析により、開放型萎縮(オッズ比[OR]:10.40、95%信頼区間[CI]:4.57~23.80)および重度腸上皮化生(OR:5.15、95%CI:2.06~12.90)が独立したリスク因子として特定された。

(ケアネット 金沢 浩子)