日本人健診データからみる、hsCRPと糖尿病発症の関係

提供元:ケアネット

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公開日:2012/05/21

 



糖尿病発症と高感度C-反応性タンパク質(hsCRP)との関係を明らかにする目的で、日本人男性を対象とした5年間の前向きコホート研究が行われた。試験参加者は2005年~2010年の間に毎年健康診断を受けた鉄鋼工場勤務の19~75歳の日本人男性7,392名。本研究のエンドポイントである新規糖尿病発症は、HbA1c値が6.5%以上、または、抗糖尿病薬服用として定義した。年齢、ベースライン時のBMI、ベースライン以降のBMI増加、血液生化学検査の値、業務スケジュールや業務上のストレス、といった、さまざまな因子を調整し、ロジスティック回帰分析を用いて調べた。

主な結果は以下のとおり。

・本研究における糖尿病発症率は13.9/1000人・年であった。
・多変量解析の結果、糖尿病発症と、ベースライン時点におけるhsCRP高値、ベースライン以降のhsCRP上昇との間に有意な相関がみられた。オッズ比は2.9[±1幾何標準偏差]
・ベースライン時点におけるhsCRP高値とのオッズ比は1.18(95%信頼区間[CI]:1.03~1.34、P=0.018]、およびベースライン以降のhsCRP上昇とのオッズ比は1.21(95%CI:1.03~1.41、P=0.018)であった。
・hsCRPは、BMI、業務スケジュールや業務上のストレスといったさまざまな交絡因子と同様、日本人男性における糖尿病発症の独立した予測因子であることが示された。

(ケアネット 佐藤 寿美)