腎結石に罹患したことがある人は、現在検査で異常が認められなくても、冠動脈心疾患(CHD)発症リスク因子を有している可能性が高いことが名古屋市立大学大学院 安藤亮介氏らの研究で明らかになった。The Journal of Urology誌オンライン版2012年11月14日付の報告。
日本人男性における腎結石とCHD発症リスクとの関連について調べるため、横断研究を行った。
対象は1995年4月から2001年3月までに自発的に健康診断を受けた日本人男性1万3,418人(30~69歳)。超音波検査の結果と腎結石の既往歴に基づき、コントロール群、過去罹患群、現在罹患群に分けられた。標準的なCHD発症リスク因子(太りすぎ/肥満、高血圧、糖尿病、痛風/高尿酸血症、脂質異常症、慢性腎臓病)について評価し、腎結石形成との関連を調べた。
主な結果は以下のとおり。
・超音波検査により、腎結石を認めた人は、404人(全体の3.0%)であった(現在罹患群)。
・腎結石の既往があるが、検査で腎結石を認めなかった人は、1,231人(全体の9.2%)であった(過去罹患群)。
・BMI、収縮期/拡張期血圧、血清尿酸値は、現在罹患群・過去罹患群の両群とも、コントロール群に比べて有意に高値であった。
・ロジスティック回帰分析の結果、太りすぎ/肥満、高血圧、痛風/高尿酸血症、慢性腎臓病発症の多変量調整後のオッズ比(95%CI)は、コントロール群、過去罹患群、現在罹患群の順に有意に増加した。
(ケアネット 武田 真貴子)