日本人女性において、エストロゲン受容体/プロゲステロン受容体(ER/PgR)の状態からみた乳がんリスク、身体計測因子、身体活動の関連はまだ明らかではない。東北大学の河合賢朗氏らはケースコントロール研究により、女性全体および閉経後女性でBMIが高いとER+/PgR+のがんリスクが高いこと、身体活動がどのタイプの乳がんのリスクも減少させる可能性を報告した。この結果から、乳がん予防には体重コントロールと身体活動が重要であるとしている。Cancer causes & control誌オンライン版2013年3月14日号に掲載。
著者らは、1997~2009年に日本国内の1つの病院に入院した30歳以上の女性患者のなかから、1,017人の乳がん症例(ER+/PgR+:538例、ER+/PGR-:125例、ER-/PgR+:23例、 ER-/PgR-:249例、不明:82例)と、2,902人のコントロールを選択した。身長、体重、BMI(kg/m2)、および週当たりの運動時間について自記式調査票を用いて評価し、ER+/PgR+とER-/PgR-の異質性を多項ロジスティック解析により検討した。
主な結果は以下のとおり。
・全体(BMI≧30.0でのオッズ比[OR] 2.41、95%信頼区間[CI]:1.37~4.23、傾向のp=0.0001)および閉経後女性(同OR 6.24、95%CI:2.68~14.53、傾向のp<0.0001)で、BMIが高いとER+/PgR+のがんリスクが高かった。
・全体、閉経前女性、閉経後女性において運動時間が長い(5時間/週以上)と、どのタイプの乳がんリスクも減少した(統計学的な有意性はなし)。
・身長はどのリスクにも関係はなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)