医療一般|page:2

悪態をつくことはパフォーマンスを高める?

 次に、罵り言葉があふれ出しそうなのを必死でこらえる状況に陥ったときには、むしろ思い切って吐き出してしまうと良いかもしれない。英キール大学のRichard Stephens氏らによる新たな研究で、悪態をつくことで抑制が弱まり、筋力や持久力テストで、より限界まで自分を追い込めるようになることが示された。「悪態をつくことは、集中力や自信を高め、気を散らしにくくし、もう一歩踏み出す助けになる手軽な方法だ」と述べている。この研究結果は、「American Psychologist」に12月18日掲載された。

がん患者の治験参加を阻む要因とは?

 最先端のがん治療薬は常に臨床試験で有効性や安全性が検証されており、試験参加者の命を救ったり生存期間を延ばしたりする可能性がある。それにもかかわらず、多くのがん患者がこうした治験に参加しない理由は何なのか。その答えはお金であることを示した研究結果が報告された。がん治療薬に関する臨床試験への参加と最も強く関連する因子は、人種や患者背景ではなく経済的要因であることが示されたという。米ワイル・コーネル医科大学およびヒューストン・メソジスト病院のWeichuan Dong氏らによるこの研究結果は、「Journal of the National Comprehensive Cancer Network」に12月17日掲載された。

ASCO多発性骨髄腫ガイドライン改訂、移植適応初回治療に4剤併用を推奨など/JCO

 米国臨床腫瘍学会(ASCO)・Ontario Health(Cancer Care Ontario)による多発性骨髄腫治療に関するガイドラインの改訂版が、Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年1月6日号に公表された。ASCOおよびOntario Health(Cancer Care Ontario)の合同の専門家パネルが論文の系統的レビューを実施し、同定された161の無作為化試験における217論文を基に治療推奨が作成された。  改訂された主な推奨箇所は以下のとおり。 ・高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫には、積極的モニタリングのほかダラツムマブ(最長36ヵ月)が推奨される場合がある。

「全国がん登録」での初の5年生存率発表、小児/成人・性別・進展度・都道府県ごとに集計/厚労省

 厚生労働省は、2026年1月14日に「2016年全国がん登録生存率報告」の結果を公開した。この「全国がん登録」は、すべての病院と都道府県が指定する診療所に対し、がん患者の情報の登録を義務付けた制度であり、2016年から登録が開始され、今回、初めて5年生存率が公表された。

夜勤と日勤の頭痛有病率、ストレスや睡眠の影響は?

 夜勤は、主に概日リズムの乱れや睡眠障害により、頭痛リスクを高めることが示唆されている。これまでの多くの研究において夜勤者と日勤者が比較されているが、両群間の職務特性や業務内容の違いがバイアスをもたらす可能性がある。デンマーク・The National Research Centre for the Working EnvironmentのRikke Harmsen氏らは、この潜在的なバイアスを最小限にする目的で、同一被験者における異なる労働条件(夜勤と日勤)が頭痛の発症に及ぼす影響を検討した。Headache誌2025年10月号の報告。

NSAIDsによるVTEリスク上昇は本当?~アセトアミノフェンと比較

 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、静脈血栓塞栓症(VTE)発症リスクを上昇させる可能性が指摘されている。しかし、VTE発症リスクの上昇は、NSAIDsが必要となる患者背景による影響を受けている可能性も考えられている。そこで、松尾 裕一郎氏(東京大学)らの研究グループは、日本のレセプトデータベースを用いた研究において、NSAIDsとアセトアミノフェンのVTE発症リスクを比較した。その結果、新規にNSAIDsを処方された患者は、アセトアミノフェンを処方された患者と比較して、VTE発症リスクが有意に低かった。一方で、NSAIDsを処方された患者は、NSAIDsを処方されていない患者と比較するとVTEリスクが高かった。著者らは、アセトアミノフェンがVTE発症リスクを上昇させないと仮定すると、NSAIDsがVTE発症リスクを上昇させるわけではないことが示唆されたとしている。

紅茶は高齢女性の骨の健康に良い可能性

 足の付け根の周辺(大腿骨近位部)の骨折をできる限り防ぎたいという女性が自分で用意できる「処方箋」があるとすれば、それは「コーヒーではなく、紅茶を飲むこと」かもしれない。高齢女性を対象とした10年間にわたる研究で、紅茶を飲む人はコーヒーを飲む人に比べて、わずかながら骨密度(BMD)が高く、骨が強いことが示されたのだ。フリンダース大学(オーストラリア)医学・公衆衛生学部のEnwu Liu氏とRyan Liu氏らによるこの研究の詳細は、「Nutrients」に2025年11月23日掲載された。

前糖尿病状態が寛解すれば心臓の健康が守られる

 2型糖尿病の合併症の中で心血管疾患などについては、糖尿病の診断基準に至らない軽度の高血糖状態である「前糖尿病」の段階でも増加することが知られている。しかし前糖尿病が寛解(血糖値が正常化)すると、そのリスクが有意に低下することを示すデータが報告された。心血管死や心不全入院などが半減するという。英キングス・カレッジ・ロンドン(KCL)のAndreas Birkenfeld氏らの研究によるもので、詳細は「The Lancet Diabetes & Endocrinology」に12月12日掲載された。  前糖尿病では心血管疾患や心不全のリスクが高いため、主として減量を目指した食事療法や運動療法などの生活習慣改善が推奨されている。

薬剤師連携で精神疾患患者の薬理学的介入を最適化できるか

 臨床薬剤師との連携による服薬レビュープロセスは、精神疾患および身体的合併症を有する高齢患者に対する薬物療法の最適化につながる可能性がある。スロベニア・マリボル大学のMatej Stuhec氏らは、服薬レビューにおける臨床薬剤師の推奨が、薬剤数の変化、潜在的に不適切な薬剤(PIM)の使用、潜在的な薬物間相互作用(DDI)、治療ガイドラインの順守などにどのような影響を及ぼすかを評価した。Frontiers in Pharmacology誌2025年9月1日号の報告。

RSVのワクチン接種を受けていた妊婦は約11%/国立成育医療研究センター

 呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染は、乳児の下気道感染症の主要な原因であり、多大な罹患、入院、医療費の増大を引き起こす。RSV母子免疫ワクチンは近年いくつかの国では公費で提供されているが、わが国では任意接種で高額な自己負担費用がかかるため、実際の接種率や社会経済的背景による差は依然として不明確である。そこで、国立成育医療研究センター社会医学研究部 臨床疫学・ヘルスサービス研究室の大久保 祐輔氏らの研究グループは、妊婦のRSVワクチンの接種率とその決定要因について全国調査を行った。その結果、ワクチン接種を受けていた妊婦は約11%に過ぎないことが判明した。この結果は、Journal of Infection and Chemotherapy誌2026年1月号に掲載された。

2型糖尿病/肥満者の体重減少、GLP-1RA vs.SGLT2i vs.頭蓋磁気刺激

 2型糖尿病患者および肥満者の体重減少に寄与する薬剤以外の有効な治療方法にはどのようなものがあるであろう。イタリア・ミラノのIRCCSマルチメディカ内分泌・栄養・代謝疾患科のAnna Ferrulli氏らの研究グループは、肥満および2型糖尿病患者を対象に、GLP-1受容体作動薬セマグルチド(0.5mg/週)、SGLT2阻害薬、および肥満に対する新たな治療法として登場した反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の有効性を比較した。その結果、rTMS治療は、セマグルチドと同等の体重減少効果を示すことがわかった。この結果はObesity誌オンライン版2025年12月26日号に公開された。

旅行者下痢症、抗菌薬が効きにくい菌が増加

 新年の抱負の一つとして海外旅行を計画している人は、注意が必要だ。旅行者下痢症の治療に一般的に使われてきた抗菌薬が以前ほど効かなくなっていることが、新たな研究で示された。ただし、薬剤耐性の状況は地域によって異なり、原因菌の種類にも左右されるという。CIWEC Hospital and Travel Medicine Center(ネパール)の感染症専門医であるBhawana Amatya氏らによるこの研究の詳細は、「JAMA Network Open」に12月22日掲載された。  この研究では、旅行者下痢症の主な原因となる4種類の細菌(カンピロバクター、非チフス性サルモネラ、赤痢菌、下痢原性大腸菌)に対する抗菌薬の有効性が検討された。

うつ病や不安症はストレスを通じて心臓病のリスクを高める

 うつ病や不安症の患者は心臓発作や脳卒中などのリスクが高く、そのメカニズムとしてストレス反応や炎症が関与しているとする研究結果が報告された。米マサチューセッツ総合病院のShady Abohashem氏らの研究によるもので、詳細は「Circulation: Cardiovascular Imaging」に12月17日掲載された。  この研究では、マサチューセッツ総合病院ブリガム・バイオバンクの2010~2020年のデータが用いられた。解析対象者数は8万5,551人で、中央値3.4年(四分位範囲1.9~4.8)の追跡期間中に3,078人(3.6%)が主要心血管イベント(MACE〔心筋梗塞、心不全、脳卒中など〕)を発症していた。

大細胞型B細胞リンパ腫へのCAR-T細胞療法、投与時刻が効果に影響か/Blood

 概日リズムは免疫活性化とエフェクター機能を調節するが、日内リズムがキメラ抗原受容体(CAR)細胞療法のアウトカムに影響するかはわかっていない。今回、米国・Weill Cornell Medical CollegeのDanny Luan氏らによる再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者における国際多施設共同後ろ向き研究で、CAR-T細胞投与のタイミングが治療効果に影響しうることが初めて示唆された。Blood誌オンライン版2025年12月23日号に掲載。  本研究は、2017~25年に7施設でCD19標的CAR-T細胞療法を受けた再発・難治性LBCLの成人患者1,052例を対象に実施した。

間質性肺炎合併NSCLC、遺伝子検査の実施状況と治療成績は?

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)では、治療標的となるドライバー遺伝子異常の有無を遺伝子検査で確認することが一般的である。しかし、間質性肺炎(IP)を合併するNSCLC患者は、薬剤性肺障害のリスクが懸念され、一般的なドライバー変異(EGFR、ALKなど)の頻度が低いことが報告されていることから、遺伝子検査が控えられる場合がある。そこで、池田 慧氏(関西医科大学 呼吸器腫瘍内科学講座)らは、びまん性肺疾患に関する調査研究班の分担・協力施設による多施設共同後ろ向き研究を実施し、IP合併NSCLC患者における遺伝子検査の実態、ドライバー遺伝子異常の頻度、分子標的治療の安全性・有効性を調査した。その結果、マルチ遺伝子検査の実施率は依然として低い一方で、特定の遺伝子変異(KRAS、BRAFS、METなど)は一定頻度で検出された。

HR+/HER2-転移乳がんへのパルボシクリブ+内分泌療法、日本の実臨床での高齢/PS不良患者における有用性

 HR+/HER2-進行乳がんの1次治療としてCDK4/6阻害薬が確立され、欧米諸国では実臨床で高齢患者における有効性や安全性が確認されている。しかし、体格の小さいアジア人における高齢者やPS不良の患者でのエビデンスは限られている。今回、日本医科大学多摩永山病院の柳原 恵子氏らがアジア人患者における実臨床でのパルボシクリブ+内分泌療法(ET)の有効性と安全性を評価し、年齢およびPSによるサブグループ解析を実施した。その結果、高齢患者(70歳以上)において無増悪生存期間(PFS)は若年患者と有意な差がみられず、忍容性も良好であった。また、PS 2~3の全患者で病勢コントロールが達成されたという。Oncology Research誌2025年12月30日号に掲載。

抗うつ薬の選択で死亡リスクに違いはあるか?

 うつ病は死亡リスクを著しく上昇させることが知られているが、抗うつ薬の使用が長期生存へ及ぼす影響は依然として不明である。中国・Shantou University Medical CollegeのXiaoyin Zhuang氏らは2005~18年の抗うつ薬の使用傾向を調査し、米国の全国代表コホートにおける、うつ病関連死亡率に及ぼす抗うつ薬の影響を定量化するため本研究を実施した。General Hospital Psychiatry誌2026年1・2月号の報告。  米国国民健康栄養調査(NHANES)の7サイクル分(2005~18年)のデータを解析した(成人:1万1,569人)。うつ病の定義は、こころとからだの質問票(PHQ-9)スコア10以上とした。

医師はパーキンソン病リスクが高い!?~日本の多施設研究

 職種とパーキンソン病リスクとの関連と発症後の職種の変更に関して、東海大学の中澤 祥子氏らが全国多施設におけるケースコントロール研究で調べたところ、サービス産業とホワイトカラー産業の専門職、とくに医師などの医療専門職においてパーキンソン病リスクが高いことが示唆された。BMJ Open誌2025年12月23日号に掲載。 本研究は、わが国の労働者健康安全機構労災病院が構築している入院患者病職歴データベース(Inpatient Clinico-Occupational Database of Rosai Hospital Group:ICOD-R)を使用したマッチドケースコントロール研究。2005~21年の入院患者データから、パーキンソン病と診断された2,205例をケース群、年齢・性別・入院年・病院が一致するパーキンソン病以外の1万436例をコントロール群とした。

胃癌学会の認定施設、術後死亡率リスクを有意に低下

 2023年に日本胃癌学会は胃がん診療の質を担保するため、関連する専門医の在籍数、手術数を主な認定基準とした「機関認定制度」をスタートさせた。2026年1月現在、最高水準の「認定施設A」が149、それに次ぐ「認定施設B」が299ある。一方で、この制度が実際の診療の質向上につながるのかは明らかでなかった。鳥取大学の松永 知之氏による研究チームは、2020〜22年に実施された遠位胃切除術および胃全摘術を対象に、認定施設と非認定施設の術後短期成績を比較する後ろ向きコホート研究を実施した。  全国臨床データベース(NCD)登録例を用い、2020年1月~2022年12月に実施された遠位胃切除術および胃全摘術を受けた患者を対象とした。

アスピリンに「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」の重大な副作用追加/厚労省

 2026年1月13日、厚生労働省より添付文書の改訂指示が発出され、アスピリンやアスピリン含有製剤の「重大な副作用」の項に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」が追加された。  アスピリンならびにアスピリン含有製剤について、アレルギー反応に伴う急性冠症候群関連症例を評価した結果、因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断された。なお、一般用医薬品として販売されているものについても「相談すること」の項に同様の改訂がなされた。