循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:342

【速報!AHA2012】日本における下肢虚血に対する血管内治療の成績発表:OLIVEレジストリ

近時、下肢虚血に対する血管内治療(EVT)の進歩が著しい。その一方、網羅的な実態は必ずしも明らかではなかった。そのため、わが国では”OLIVE”レジストリが組織され、 重症下肢虚血例に対するEVTの実態把握にのりだした。その成績が、学会最終日となる7日、Clinical Science:Special Reportsセッションにて、中村正人氏(東邦大学医療センター大橋病院循環器内科教授)により報告された。

【速報!AHA2012】虚血性心不全に対する初の心筋幹細胞移植、2年目成績が明らかに!-SCIPIO試験-

学会3日目となる6日のLate Breaking Clinical Trialsセッションでは、昨年の本学会で報告されたSCIPIO試験の2年追跡データが報告された。心筋梗塞後の左室機能低下例に対する、初の心筋幹細胞移植の安全性・有効性を検討した第 I 相試験である。2年間追跡後も、1年間追跡時と同様の有用性が確認された。ルイビル大学(米国)のRoberto Bolli氏が報告した。

【速報!AHA2012】 期待の『抗PCSK9抗体』の最大規模第II相試験、報告される -LAPLACE-TIMI57試験-

今回のAHAで最も注目されている薬剤は、抗PCSK9抗体だろう。強力な新規LDLコレステロール低下薬としての可能性が、多くの臨床試験で報告されている。6日のClinical Science:Special Reportでは、抗PCSK9抗体AMG145を用いた最大規模の第二相試験"LAPLACE"の、最終結果が、ハーバード大学(米国)のRobert P. Giugliano氏により報告された。

【速報!AHA2012】同時複数箇所焼灼カテーテルを用いた腎動脈アブレーションの安全性:降圧効果は?:EnligHTN 1

近年、Symplicityカテーテルを用いた腎動脈アブレーションの、薬物治療抵抗性高血圧に対する著明な降圧作用が報告されている。今回、EnligHTNカテーテルを用いても、同様の有用性を期待できることが明らかになった。パイロットスタディ "EnligHTN I" の結果として、4日のClinical Science: Special RepoertsセッションにてVAメディカルセンター(米国)のVasilious Papademetriou氏が報告した。

【速報!AHA2012】CETP阻害薬によるHDL-C増加、今度は有用性を示せたか?:dal-OUTCOMES

4日のLate Breaking Clinical Trialsセッションでは、本年6月に中止が公表された大規模試験 "dal-OUTCOMES" の結果が報告された。急性冠症候群(ACS)既往例において、ダルセトラピブは、HDLコレステロール(HDL-C)を著明に増加させながら、心血管系イベント抑制作用はプラセボと同等だった。VAメディカルセンター(米国)のGregory G Schwartz氏が報告した。先行していたCETP阻害薬トルセトラピブがILLUMINATE試験にて、プラセボに比べ総死亡と心血管系イベントを有意に増加させていたのとは、若干異なるようだ。

【速報!AHA2012】心筋梗塞後慢性期に対するキレート療法、有用性を確立するには至らず

米国では、理由は不明だが、冠動脈疾患に対するキレート療法の施行数が増加しているという。しかしながら、その有用性は確認されていない。驚いたことに、有用性を示唆する機序さえ未確定だという。そのため、心筋梗塞後慢性期を対象とする無作為化試験TACT(Trial to Assess Chelation Therapy)が、NIH(国立衛生研究所)の出資により行われた。その結果、有意差はついたものの、キレート療法がプラセボに勝る有用性を確立するには至らなかったようだ。3日のLate Breaking Clinical Trialsセッションにて、マウントサイナイ・メディカルセンター(米国)のGervasio A. Lamasが報告した。

【速報!AHA2012】待機的ステント留置例におけるVerify-Nowによる血小板活性測定の有用性、認められず:ARCTIC

近年、ex vivoの血小板活性簡易測定キット(VerifyNow)が開発された。これにより、クロピドグレル不応例などに対するより効果的な抗血小板療法の実現が期待されたが、2つの無作為化試験(GARVITAS、TRIGGER-PCI)では、薬物溶出ステント(DES)留置後にVerifyNowを用いて抗血小板療法を調節・変更しても、有用性は従来のクロピドグレル療法と差がなかった。

ステント血栓症、ゾタロリムスとシロリムスの溶出ステントで同等:PROTECT試験

 留置術後3年の時点におけるステント血栓症の発生状況は、ゾタロリムス溶出ステントとシロリムス溶出ステントで有意な差はないことが、スイス・ジュネーブ大学のEdoardo Camenzind氏らが行ったPROTECT試験で示された。複雑な冠動脈病変を含む広範な患者集団において薬剤溶出ステント(DES)の導入が急速に進んでいるが、近年、再狭窄の発生がより少ないDESによる医療コストの抑制効果に対する関心が高まっている。これまでに実施された両ステントの比較試験では、ステント血栓症の評価は行われていなかったという。Lancet誌2012年10月20日号(オンライン版2012年8月27日号)掲載の報告。

冠動脈疾患発症予防薬が、心房細動患者の死亡に与えるインパクトは?

心房細動が脳卒中のリスクであることは有名であるが、冠動脈疾患予防薬が心房細動患者に及ぼす影響については情報が限られていた。このたび、Wandell氏らは、冠動脈疾患予防薬が心房細動患者の全死亡に与える影響について解析した結果を発表した。Eur J Clin Pharmacol誌オンライン版2012年9月19日号掲載の報告。

DES留置後のステント遠位部における血管内皮機能障害は、なぜ起こる?

現在、薬剤溶出性ステント(DES)は再狭窄率の低さから多くの患者さんに使用されている。しかし、DES留置後の遅発性ステント血栓症が問題であり、ステント留置遠位部に血管内皮機能障害が起こることが報告されていた。この点に関し、久留米大学の光武氏らは、DES留置後の遠位部における血管内皮機能障害は、新生内膜被覆不良と関係することを報告した(JACC Cardiovasc Interv誌 2012年9月号 掲載報告)。