糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:131

2型糖尿病へのエキセナチド徐放剤、心血管転帰への影響と安全性/NEJM

 2型糖尿病患者に対し、心血管疾患の病歴の有無を問わず、通常治療にエキセナチド徐放剤(商品名:ビデュリオン)を追加投与した試験において、安全性についてはプラセボに対して非劣性を示し、心血管イベントの発生リスクに対する有効性については統計上の有意差は示されなかった。英国・チャーチル病院のRury R. Holman氏らが、1万4,752例の2型糖尿病患者を対象に行った無作為化プラセボ対照二重盲検試験「EXSCEL試験」の結果で、NEJM誌2017年9月14日号で発表された。

炭水化物過剰摂取は全死亡を増やすが心血管病発症に影響せず(解説:島田俊夫氏)-740

生活習慣病は文字通り生活の悪習が原因で発症する病気で、発症を抑えるためには生活習慣の改善が必要不可欠である。生活習慣の基本は食および運動習慣の改善に尽きる。その中でも、食習慣は健康維持に最も重要である。食に関しては多くの論文報告があるが、その多くが欧米のデータに基づいており、食習慣の異なる国・地域に対して、これまでの成果を短絡的に敷衍できるか不明な点も多い。とくに、欧米に比べて全食事カロリーに占める炭水化物の比率が高いアジア諸国の人々に対して、これまでの成果を適用しうるか否かは疑問の多いところである。Lancet誌の2017年8月29日号で、カナダ・マックマスター大学のMahshid Dehghan氏らが、5大陸18ヵ国の全死亡・心血管疾患への食の影響を検討した大規模前向きコホート研究(PURE)の成果を報告した。本論文は幅広い国・地域集団をカバーするデータ解析に基づく興味深い論文であり、私見をコメントする。

SGLT1/2阻害薬は1型糖尿病治療に有用か/NEJM

 インスリン療法中の1型糖尿病患者において、経口ナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT)1/2阻害薬sotagliflozinを投与した群ではプラセボ群と比較し、重症低血糖または糖尿病性ケトアシドーシスを発症することなくHbA1c 7.0%未満を達成した患者の割合が高率であった。ただし、糖尿病性ケトアシドーシス発症率のみをみるとsotagliflozin群で高率であった。米国・コロラド大学デンバー校のSatish K. Garg氏らが、19ヵ国133施設にて、インスリン療法へのsotagliflozin上乗せの安全性と有効性を評価した無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「inTandem3」の結果を報告した。1型糖尿病患者の多くは、インスリン療法のみでは十分な血糖コントロールは得られない。しかし、これまでに1型糖尿病に対してインスリン療法との併用が認められた経口薬はなかった。NEJM誌オンライン版2017年9月13日号掲載の報告。

中年期の脂質異常が晩年の認知低下に関連

 これまでの研究では主に、晩年における脂質レベルとその後の認知機能変化との関連を検討しているが、晩年よりも中年期でのリスク因子が認知機能の健康に最も関連していることが多い。今回、米国・ジョージワシントン大学のMelinda C. Power氏らは、コホート研究で、中年期の総コレステロール・LDLコレステロール・トリグリセライドの値が高いことが、その後20年の認知機能低下と関連していたことを報告した。Alzheimer's & dementia誌オンライン版2017年9月12日号に掲載。

GLP-1受容体作動薬は心イベントのみならず、腎イベントも抑制する(解説:吉岡成人 氏)-735

2017年に公表された米国糖尿病学会のガイドラインでは、心血管疾患のハイリスク患者に対するGLP-1受容体作動薬の使用が推奨されている。その根拠となっている臨床試験がLEADER試験(Liraglutide Effect and Action in Diabetes: Evaluation of Cardiovascular Outcome Results)であり、リラグルチドによって2型糖尿病患者の心血管イベント(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死的脳卒中)がわずかではあるが、統計学的に有意差をもって抑制される(ハザード比:0.87、95%信頼区間:0.87~0.97)ことが示されている。今回の報告は、LEADER試験の副次評価項目としての腎アウトカムについて分析したものである。

カナリア配合錠の相乗効果で期待したい血糖値降下

 2017年8月31日、田辺三菱製薬株式会社と第一三共株式会社は、都内において合同による「Diabetes Update Seminar」を開催した。その中で、DPP-4阻害薬テネリグリプチン(商品名:テネリア)とSGLT2阻害薬カナグリフロジン(商品名:カナグル)の配合錠である「カナリア配合錠」(7月3日に製造販売承認を取得)について説明が行われた。

パーキンソン病におけるエキセナチド週1回投与の効果(解説:山本康正 氏)-736

2型糖尿病に使用されているglucagon-like peptide-1(GLP-1)の受容体作動薬であるエキセナチドには、げっ歯類において神経毒により作成されたパーキンソン病モデルで神経保護作用・神経修復作用があることが示されている。著者らは以前に、少数例のオープンラベル試験でエキセナチドがパーキンソン病患者の運動・認知機能障害を改善した結果を得ており、今回パーキンソン病患者に対するエキセナチドの効果を、single-centre, randomized, double-blind, placebo-controlled trialによって確認する試験を行った。

エボロクマブ、LDL-C下げるほど心血管リスク減/Lancet

 安定期アテローム動脈硬化性心血管疾患患者へのPCSK9阻害薬エボロクマブ(商品名:レパーサ)治療では、LDLコレステロール(LDL-C)値の低下が大きいほど主要心血管アウトカムが改善し、超低LDL-C値でも安全性に懸念はないことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のRobert P. Giugliano氏らが行ったFOURIER試験の2次解析で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2017年8月25日号に掲載された。LDL-Cはアテローム動脈硬化性心血管疾患のリスク因子として確立されているが、どこまで低くすべきか、どこまで安全に低くできるかの議論が続いている。

日本人女性、GIの高い食事はうつになりにくい?

 西洋諸国よりも食事のグリセミックインデックス(GI)と血糖負荷(GL)が高いアジア人集団において、これらとうつ症状との関連についての疫学的エビデンスは限定的であり、結論は出ていない。今回、東京大学の研究グループの横断研究で、日本人の若年および中年女性において、食事のGIがうつ症状と逆相関し、GLとは関連がなかったことが示された。European journal of nutrition誌オンライン版2017年7月20日号に掲載。