糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

標的試験エミュレーション、無作為化比較試験との一致度は中程度/BMJ

 現在の標的試験エミュレーションは、対応する無作為化比較試験の再現に関して、一致度は中程度であることが、英国・キングス・カレッジ・ロンドンのCanlong Wang氏らによるシステマティックレビューおよびメタ解析の結果で示された。標的試験エミュレーションが、対象とした無作為化比較試験で観察された効果を、どの程度再現できるかは依然として不明であった。著者は、「ベースラインの特性やアウトカムのエミュレーションの質を向上し、複数の情報源を連結したデータベースを活用するなど、エミュレーションデザインを改善することで、一致度は高めることができる」と述べている。BMJ誌2026年5月19日号掲載の報告。

糖尿病患者の将来リスクをAI活用で予測/福島医大・日本糖尿病学会ほか

 福島県立医科大学と千葉大学、国立健康危機管理研究機構(JIHS)らの研究グループは、株式会社エフコムとの共同研究により、AIを活用して糖尿病を5つのサブタイプに分類し、将来の合併症・併存症リスク(糖尿病関連腎臓病、透析導入、心血管障害など)を推計するウェブプラットフォーム「福島医大 糖尿病未来予測ナビ」を研究・開発した。このウェブプラットフォームは。5月20日に福島県立医科大学附属病院、日本糖尿病学会、てだこ浦西駅循環器・糖尿病クリニックの各ホームページ上で公開された。

心血管疾患2次予防、LDL-C 55mg/dL未満の達成後も高Lp(a)は強力な残余リスクに/EAS2026

 欧州心臓病学会(ESC)などのガイドラインでは、アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の2次予防において、LDL-C 55mg/dL未満への厳格な管理を推奨している1)。しかし、依然として残る心血管リスク因子として、遺伝的要因の強いリポ蛋白(a)[Lp(a)]が注目されている。現在、具体的なLp(a)低下療法が確立されていない中、LDL-Cを徹底的に低下させることでLp(a)によるリスクをどこまで軽減できるか、とくに日本人患者における検証は不十分であった。  ギリシャ・アテネで開催された欧州動脈硬化学会(EAS2026)にて、国立循環器病研究センターの片岡 有氏らの研究グループがこの課題に関する多施設共同研究「Lp(a)-JAPAN study」の成果を発表した。なお、本研究はEuropean Heart Journal誌オンライン版2026年5月24日号に同時掲載された。

1次予防における脂質低下療法の指標としてapoBは費用対効果に優れる(解説:佐田政隆氏)

高コレステロール血症、高血圧、喫煙、糖尿病、肥満などが心臓病の危険因子であることは現代では当たり前となっているが、1948年に米国で開始されたフラミンガム研究によって初めて明らかにされた。コレステロールや中性脂肪といった脂質は疎水性であり、アポ蛋白と結合して「リポ蛋白」と呼ばれる球状の複合体粒子として血液中を運搬される。リポ蛋白粒子の中で、LDLは末梢にコレステロールを供給する動脈硬化惹起性の「悪玉」、HDLは末梢からコレステロールを引き抜く「善玉」として知られている。LDL中のコレステロール値や、総コレステロール値からHDLコレステロール値を引いたnon-HDLコレステロール値が、冠動脈疾患のリスク評価や脂質低下療法の指標として現在広く用いられている。

チルゼパチドが中等症以上のOSASに適応拡大

 厚生労働省薬事審議会・医薬品第一部会は4月24日、日本イーライリリーの肥満症治療薬チルゼパチド(商品名:ゼップバウンド皮下注)について、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)など2つの適応拡大が承認された。そして、厚生労働省が5月18日に承認したことに伴い、チルゼパチドの添付文書が改訂された。また、本剤の使用に当たっては、最適使用推進ガイドラインを参照していただきたい。

医師のランチ事情、ベテランは「時短」、若手は「節約」を優先/医師1,000人アンケート

 日々の外来や手術、急患対応などに追われる医師の勤務環境において、「昼食(ランチ)」は貴重な休息とエネルギー補給の時間である。しかし、急な呼び出しや処置の延長など、業務の都合に左右されやすい。今回、CareNet.comでは「医師のランチ事情」と題したアンケートを実施し、勤務日の昼食時間や内容、仕事による中断の頻度、ランチ選びの優先事項などを聞いた。対象はケアネット会員医師1,012人で、20代以上の各年代層から回答を得た。

チルゼパチドで減量後の体重維持、継続vs.減量vs.中止/Lancet

 米国・University of Texas McGovern Medical SchoolのDeborah B. Horn氏らは、「SURMOUNT-MAINTAIN試験」の結果から、肥満の成人において減量後にチルゼパチド最大耐量(MTD)を継続投与することにより、体重減少および健康関連指標の改善が維持されることを示した。著者は、「チルゼパチド5mgへの減量は投与中止に代わる有用な選択肢となりうるが、治療反応にはばらつきがある可能性が示唆された。これらの知見は、長期的な肥満管理において継続的な治療が重要であることを裏付けるとともに、患者中心の個別化された肥満治療を行う根拠となるだろう」と述べている。Lancet誌オンライン版2026年5月12日号掲載の報告。

長鎖脂肪酸代謝異常症に初の治療薬、トリヘプタノイン発売/ウルトラジェニクス ジャパン

 ウルトラジェニクス ジャパンは、2026年3月23日付で「医薬品の条件付き承認制度」のもと製造販売承認を取得した長鎖脂肪酸代謝異常症(LC-FAOD)治療薬トリヘプタノイン(商品名:ドジョルビ内用液100%)を、2026年5月21日に発売したことを発表した。トリヘプタノインはLC-FAODに対して国内で初めて承認された治療薬となる。  LC-FAODは、ミトコンドリアにおける長鎖脂肪酸のエネルギー変換に関与する酵素をコードする遺伝子の両アレルに疾患原因変異を有する、6つの常染色体劣性遺伝性疾患の総称。とくに、心臓、骨格筋、肝臓に影響を及ぼし、主な症状は低ケトン性低血糖、心筋症、筋肉症状で、横紋筋融解症、代謝性アシドーシス、高アンモニア血症などの重篤な合併症を引き起こすことがある。

糖尿病患者の下痢・便秘に有効なビフィズス菌の種類は?

 2型糖尿病患者の下痢・便秘といった消化器症状にプロバイオティクスであるビフィドバクテリウム・ビフィダムG9-1(BBG9-1)が有効であることをマキノ病院の小林 玄樹氏らが明らかにした。Diabetes, Obesity and Metabolism誌オンライン版2026年4月22日号掲載の報告。  研究者らは、下痢または便秘を伴う2型糖尿病患者100例を対象に12週間の非盲検ランダム化比較試験を実施。対照群またはBBG9-1群に1対1に無作為に割り付け、BBG9-1群にはビフィズス菌を1日12mg投与した。主要評価項目は全解析対象者(BBG9-1群43例、対照群51例)の消化器症状評価尺度(Gastrointestinal Symptom Rating Scale:GSRS)の変化。

眼底写真を基にした「網膜年齢」が健康状態を知る手がかりに?

 目は心の窓であるだけでなく、その人の健康状態を映し出す窓でもある――そんな研究結果が発表された。この研究によると、網膜の早期老化は、糖尿病や心疾患といった重大な病気の兆候となる可能性があるという。東北大学大学院医学系研究科眼科学分野教授の中澤徹氏らによるこの研究結果は、「Communications Medicine」に4月8日掲載された。  網膜は、眼球の奥にある光を感知する細胞層である。研究グループによると、網膜は血管や神経の状態を非侵襲的に観察できる部位であることから、眼の画像データを解析して全身の健康状態や疾患リスクを読み解く「オキュロミクス」と呼ばれる新たな研究領域が注目を集めている。