糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

フィネレノンは非糖尿病CKDのeGFR低下を抑制する(解説:栗山哲氏)

非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(non-steroidal mineralocorticoid receptor antagonist:nsMRA)であるフィネレノン(商品名:ケレンディア)の非糖尿病慢性腎臓病(CKD)の腎機能低下抑制効果について、最近、二重盲検無作為化比較試験(RCT)のFIND-CKD研究の2報が報告された。1報は非糖尿病CKD患者全体を対象とした解析(Heerspink HJL, et al. N Engl J Med. 2026;395:533-545.)PMID: 42246672であり、もう1報は、そのうち糸球体疾患を有する患者に限定した探索的サブ解析(CLEAR!ジャーナル四天王「フィネレノンは糸球体疾患由来のCKDに対しても腎保護的である可能性がある」)https://www.carenet.com/news/clear/journal/63341である。これらの解析から、フィネレノンには、非糖尿病CKD患者全体でeGFRスロープの低下を遅延化させる腎保護効果があることが示された。

LDL-C<55mg/dLでもMACE再発、リスク因子は?/ESC2026

動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の2次予防では、超高リスク患者においてLDL-C<1.4mmol/L(55mg/dL)の達成が推奨されている。一方で、LDL-Cを良好に管理しても動脈硬化の進展や心血管イベントの再発は起こりうる。今回、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後にLDL-C<1.4mmol/Lを達成した冠動脈疾患(CAD)患者におけるASCVD再発の臨床的特徴を検討した結果、主要心血管イベント(MACE)は6.2%に発生し、動脈硬化性疾患(polyvascular disease:PVD)がMACEと強く関連する一方、PCI後2ヵ月時点の治療中LDL-C<1.0mmol/L(40mg/dL)の達成はMACEリスク低下と関連していたことが明らかになった。本研究結果は、国立循環器病研究センター 循環器内科の片岡 有氏が8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)の2次予防のセッションで発表、Journal of Clinical Lipidology誌2026年8月号にも掲載された。

制吐目的のオランザピン、糖尿病患者にも厳格管理下で投与可能へ/日本癌治療学会

 2026年8月25日、日本癌治療学会制吐薬適正使用ガイドライン改訂ワーキンググループ(以下、WG)は、「制吐目的としてのオランザピン投与時の血糖管理」について、ガイドライン速報版として公開した。同日に厚生労働省から添付文書の改訂指示が発出され、経口薬のオランザピンについては、警告が新設されると同時に禁忌の項が改訂された。  同ワーキンググループの安部 正和氏(浜松医科大学医学部産婦人科)は、本公表に至る経緯や臨床現場への期待について、以下のように本稿へコメントを寄せている。

チルゼパチド、2型糖尿病治療の負担軽減に寄与か――実臨床研究で示唆

 2型糖尿病では、複数の糖尿病治療薬の併用や複雑なインスリン療法が必要となり、患者の治療負担が増すことがある。こうした中、2型糖尿病患者を対象としたリアルワールド研究で、チルゼパチドは従来のGLP-1受容体作動薬と比べ、血糖コントロールや体重を改善しながら、糖尿病治療の負担軽減につながる可能性が示された。研究は、浅ノ川総合病院内科/金沢大学大学院未来型健康増進医学分野の澤村俊孝氏らによるもので、詳細は6月30日付の「Endocrine Practice」に掲載された。  複数の薬を服用する「ポリファーマシー(多剤併用)」や複雑なインスリン療法は、2型糖尿病患者の治療負担を増大させるだけでなく、低血糖や転倒、入院などのリスクとも関連する。

体重の増減を繰り返すと太ももの筋肉が減る?

 中高年を対象とした研究で、48カ月間の追跡期間中に体重の増減を繰り返した人では、最終的な体重の変化が小さくても、大腿部(太もも)の筋肉体積の減少率が増減を繰り返さなかった人の4倍近くに上ったことが示された。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)放射線科教授のThomas Link氏らによるこの研究結果は、7月21日付で「Radiology」に掲載された。Link氏は、「体重の増減を繰り返した人では、脂肪とともに多くの筋肉が失われ、その筋肉を取り戻すことはなかった。これは、減量中に筋肉体積を維持する方法を明らかにすることが、全身の健康にとって重要であることを示している」とニュースリリースで述べている。

食事速度は将来の体型に影響するか/藤田医科大

 「早食いは肥満や糖尿病のリスク」ということはよく知られている。食事の速度は体重の推移とどのように関連するのであろうか。このテーマについて藤田医科大学医学部臨床栄養学 主任教授の飯塚 勝美氏は、約56万例の健康診断データを解析し、食事速度と長期的な体重推移との関連を検討した。その結果、食事速度が長期的な体重推移の区分に関連する行動特性である可能性が示唆された。Nutrients誌オンライン版2026年7月24日号に掲載。

認知症のない期間、高血圧・糖尿病・喫煙の3因子で13年短縮

 高血圧、糖尿病、喫煙といった血管リスク因子は認知症や早期死亡に関連することが知られているが、これらが重複した際、認知症を発症せずに過ごせる期間(認知症のない生存期間)がどれほど短縮するのかは明らかでなかった。中国・清華大学のJiaqi Hu氏らの研究グループは、米国の大規模な動脈硬化リスクコミュニティ研究の解析から、中年期における血管リスク因子の蓄積が認知症のない生存期間を最大12.6年短縮させることを明らかにした。Neurology Open Access誌2026年9月号に掲載。  本研究では、米国4地域で実施された「Atherosclerosis Risk in Communities(ARIC)研究」の参加者のうち、55歳時点で認知症がない1万2,409例(平均年齢56.2歳、女性56.0%)を対象に前向きコホート研究を行った。

日本人2型糖尿病へのGLP-1薬、MACE・死亡リスクへの影響は?

 日本の大規模レセプトデータベースを用いたリアルワールド研究において、2型糖尿病患者に対するGLP-1受容体作動薬(GLP-1薬)の使用は、心血管イベントにおいてほかの血糖降下薬との有意差は認められなかったが、全死因死亡率はGLP-1薬群で有意に低く、これらの知見は残余交絡を反映している可能性があることを、千葉大学の越坂 理也氏らが示した。研究成果はDiabetes, Obesity and Metabolism誌オンライン版2026年8月11日号で発表された。  本研究は、約190万人規模の日本の大規模レセプトデータベースを用いたリアルワールド研究である。

時間制限食は肥満や糖尿病患者の食行動に影響するか

 近年、時間制限食(TRE)は減量や心代謝系疾患リスクの改善に寄与するとして注目を集めているが、糖尿病や肥満患者の食欲などにどのような影響を与えるだろうか。このテーマについて、米国・ジョンズ・ホプキンス大学医学部のDaisy Duan氏らの研究グループは、TREと通常の食事パターン(UEP)を比較する試験の事後解析を行い、いずれも緩やかな減量に伴って食行動が改善することが示唆された。Obesity誌オンライン版2026年7月27日号に掲載の報告。

BMIだけでは心血管リスクを見誤る?腹囲・WHRの意義/JACC

 BMIは全身の肥満度を評価する指標として広く用いられているが、体組成や脂肪分布を反映しにくく、心血管疾患(CVD)リスクの異質性を見落とす可能性がある。腹囲やウエスト・ヒップ比(WHR)は中心性肥満の代替指標であり、BMI区分と一致しない場合も少なくない。そこで、米国・Johns Hopkins Ciccarone Center for Prevention of Cardiovascular Diseaseの Zeina A Dardari氏らは、BMIの標準体重・過体重・肥満区分を腹囲およびWHRで再分類し、9つのCVD関連アウトカムに対する予後的意義を検討した。その結果、腹囲およびWHRは従来のBMI区分におけるリスクの過小・過大評価を同定し、CVDリスクの再分類に有用であることが示された。本研究結果は、Journal of the American College of Cardiology誌2026年8月11日号に掲載された。