糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

フェニルケトン尿症の新治療薬セピアプテリンへの期待/PTCセラピューティクス

 PTCセラピューティクスは、フェニルケトン尿症(PKU)の治療薬セピアプテリン(商品名:セピエンス)の発売に伴い、都内でメディアセミナーを開催した。わが国のPKUの発生頻度は約6万人の出生に1人の割合で、年間20人前後が診断され、累計で800人以上の患者が報告されている。PKUは未治療や管理が不十分な状態が続くと知的障害、痙攣発作、発達遅延など重度かつ不可逆的な障害が生じる。治療の基本は食事療法で、フェニルアラニン(Phe)が多く含まれる特定の食材(肉・魚・卵など)の摂取が厳しく制限される。

中性脂肪、がんリスクマーカーに?~日本の全身がん検査プログラム

 京都府立医科大学の手良向 聡氏らが行った後ろ向き観察研究から、ベースラインの血清トリグリセライド(TG)が、将来のがん発症リスクを予測する高感度なバイオマーカーとなる可能性が示唆された。Health Science Reports誌2026年3月29日号掲載の報告。  日本において、メタボリックシンドローム(Mets)併存患者のがん死亡率は年々増加しており、これらの患者のがんの早期発見が喫緊の課題となっている。近年、Metsの構成要素が活性酸素種(ROS)の生成、ホルモン産生の変化などを通じて、がん発生を促進する可能性が指摘されている。

特定健診の「2cm2kg減」は適切? 3万人の代謝指標との関連を検討

 日本の特定健診・特定保健指導では、生活習慣改善の目安として「腹囲2cm・体重2kgの減少(2cm2kg)」が推奨されている。しかし、この目標達成が実際に代謝指標の改善と結びついているか検討した研究は乏しい。そこで、笠原 健矢氏(京都府立医科大学)らの研究グループは、健診コホートデータを用いて2cm2kg目標の妥当性を検討した。その結果、2cm2kg達成は、血糖、血圧、脂質、肝機能といった代謝指標の改善と有意に関連し、実務上の目安としておおむね妥当であることが示唆された。本研究結果は、Obesity誌オンライン版2026年4月4日に掲載された。

60歳以上の甲状腺機能低下症、レボチロキシン中止は可能か/JAMA

 甲状腺ホルモン製剤であるレボチロキシンは、60歳以上の甲状腺機能低下症では一般に生涯にわたって継続投与されるが、長期の投与が常に必要かは定かでないという。オランダ・ライデン大学医療センターのJanneke Ravensberg氏らは、安定用量のレボチロキシンの投与を1年以上受けていた甲状腺機能低下症の60歳以上の集団では、その約4分の1が、投与中止から1年後も適切な甲状腺機能を維持し、甲状腺関連の生活の質(QOL)にも臨床的に意義のある変化を認めないことを示した。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年4月6日号で報告された。

糖尿病患者の心血管リスク軽減のための先手必勝手段:PCSK9阻害薬による早期介入?(解説:島田俊夫氏)

本研究の最大のセールスポイントは、これまで主に「心筋梗塞や脳卒中の既往がある患者(2次予防)」に限定されていたPCSK9阻害薬の有効性を、「イベント未発症でリスクが高い糖尿病患者(1次予防)」において初めて証明した点にある。劇的な脂質改善:エボロクマブ投与により、LDLコレステロール(LDL-C)値をプラセボ群の111mg/dLに対し、エボロクマブ投与群では52mg/dLまで大幅に低下させた。確かなイベント抑制効果:主要心血管イベント(心血管死、心筋梗塞、虚血性脳卒中)のリスクを31%減少(ハザード比:0.69)させた。

1次予防の脂質低下療法強化の指標、apoBが費用対効果優れる/JAMA

 スタチンの適応があり、かつアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)のない成人の1次予防において、脂質低下療法の強化のマーカーとして、アポリポ蛋白B(apoB)値はLDLコレステロール(LDL-C)値や非HDLコレステロール(non-HDL-C)値と比較して、質調整生存年(QALY)が増加し、増分費用効果比(ICER)が基準値を満たし、費用効果に優れることが、米国・ Northwestern University Feinberg School of MedicineのSamuel Luebbe氏らによる検討で示された。リスクの予測や脂質低下療法の強度決定の指針として、apoB値の優位性は十分に確立されているが、検査費用などの問題のため、主要な脂質マーカーとして採用することには懸念もあるという。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年4月8日号に掲載された。

心血管疾患の再発予防には、LDLコレステロール値もthe lower, the better(解説:桑島巖氏)

LDLコレステロールが心筋梗塞や脳梗塞などの重大なリスク因子であることは議論の余地はないが、その治療目標値においては、各国のガイドラインに差異がみられる。1次予防に関しては、リスクの有無により<120~140mg/dLとされ、各国ガイドラインに差がみられるが、2次予防に関しては、より厳格な管理が有効であるとするエビデンスが相次いで発表されている。日本では標準的2次予防目標値として100mg/dL未満、急性冠症候群、糖尿病、非心原性脳梗塞合併例などの非常に高リスクな場合には、70mg/dL未満が目標値として掲げられている。

加熱式タバコは2型糖尿病罹患と関係するか/JIHS

 近年、紙巻タバコに代わり加熱式タバコ(HTP)での喫煙が増えている。HTPの健康への影響のエビデンスはまだ少ないが、糖尿病罹患との関連はあるのだろうか。このテーマについて、国立健康危機管理研究機構(JIHS)の胡 歓氏らの研究グループは職域多施設研究(J-ECOHスタディ)から約3万人を追跡調査した。その結果、HTPのみで喫煙している人は、紙巻タバコのみで喫煙している場合と比較し、2型糖尿病発症のリスク低下と関連していなかったことがわかった。American Journal of Preventive Medicine誌オンライン版4月7日号に掲載。

親のストレスが軽くなると子どもの肥満リスクが低下する

 ストレスを抱える親をサポートすることが、子どもの肥満の予防に役立つ可能性が報告された。米イェール大学医学部ストレスセンターのRajita Sinha氏らの研究によるもので、詳細は「Pediatrics」に3月6日掲載された。  この研究では、マインドフルネスのトレーニングを受けた親はストレスが低下してポジティブな感情を抱くようになり、その子どもたちの食生活が改善し、体重増加も見られなくなった。論文の上席著者であるSinha氏は、「ストレスが小児肥満の発症に大きく影響することは、すでに知られていた。しかし驚いたことに、親がストレスにうまく対処できるようになると、子育ての質が向上して、子どもの肥満リスクが低下した」と語っている。

生活習慣病予防、朝と夕どちらに運動するのが効果的?

 運動を行う時間帯の違いが、健康状態に異なる影響を及ぼす可能性のあることを示唆するデータが報告された。朝に運動をしている人は、遅い時間帯に運動をしている人よりも、肥満や2型糖尿病などの有病率が低いという。米マサチューセッツ大学チャン医学部のPrem Patel氏らが3月29日、米国心臓病学会学術集会(ACC.26、3月28~30日、ニューオーリンズ)で発表した。  Patel氏はこの研究の目的を、「どんな運動でもしないよりはした方が良いことは既に分かっているが、われわれは運動を行う最適なタイミングがあると考え、その特定を試みた」と解説。