糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

亜鉛欠乏はCKM症候群の進行リスクを高めるか

心血管・腎・代謝(CKM)症候群は、代謝異常、慢性腎臓病(CKD)、心血管疾患が連続的に進展する疾患概念として注目されている。微量元素の1つである亜鉛が欠乏することで心血管・腎アウトカムの悪化をもたらすことが報告されているものの、CKM症候群の進行との関連は十分に明らかでない。今回、台湾・Chi Mei HospitalのKuan-Chieh Tu氏らは、CKMステージ1または2の成人において、亜鉛欠乏はCKMステージ3~4への進行リスク上昇と有意に関連していたことを明らかにした。本研究結果は、Frontiers in Nutrition誌2026年7月23日号に掲載された。

セマグルチド使用後に食欲が戻ったと感じても摂取量は抑制される

 肥満症に対してGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)であるセマグルチドによる治療を開始後、しばらくすると食欲が元に戻ったように感じることがあるが、少なくとも60週間は、実際の摂取エネルギー量が有意に少ない状態が維持されることが分かった。米ペンシルベニア大学のJena Tronieri氏らが行ったプラセボ対照二重盲検比較試験(RCT)の結果であり、詳細は「The American Journal of Clinical Nutrition」8月号に掲載された。  セマグルチドによる食欲抑制、摂取エネルギー量低下、体重減少効果は、主として介入期間が20週間ほどの研究で示されてきており、より長期間介入した場合のそれらの変化については不明点が残されている。

卵巣明細胞がん治療薬リソバリシブ使用時の高血糖に関する注意喚起/日本糖尿病学会

 卵巣明細胞がんの新たな治療薬としてPI3Kα阻害薬リソバリシブ(商品名:ハイツエキシン)が発売された。リソバリシブはその薬剤特性から高い有効性とともに、高血糖リスクが懸念される。日本糖尿病学会は、同薬の高血糖などで紹介を受ける糖尿病医への情報共有を目的に「PI3Kα阻害剤リソバリシブメシル酸塩水和物使用時の高血糖発現についての注意喚起」を発出した。  卵巣明細胞がんではPIK3CA遺伝子変異が高頻度に認められ、PIK3CAがコードするPI3Kαは有望な治療標的である。

がん既往CKM症候群でもフィネレノンの効果は一貫(FINE-HEART)/Eur Heart J

心血管・腎・代謝(CKM)症候群では、共通のリスク因子や病態機序を背景にがんを併存する患者が少なくない。しかし、がん既往を有するCKM症候群患者において、非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬フィネレノンの有効性・安全性が同様に得られるかは明らかではない。そこで、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のMihaly Ruppert氏らは、FINE-HEART統合解析を用いて、がん既往の有無別の臨床像、転帰、フィネレノンの治療反応を検討した。その結果、がん既往は全死亡および全入院リスクの上昇と関連したが、フィネレノンの治療効果はがん既往の有無にかかわらず一貫していた。本研究結果は、European Heart Journal誌オンライン版2026年8月18日号に掲載された。

ビーガン食、わずか1カ月で「細胞の老化」に変化

 たとえ短期間でもビーガン食に切り替えることで、炎症が軽減し、細胞レベルで老化が遅くなる可能性が、新たな研究で示された。わずか1カ月間だけビーガン食を取り入れた人では、肉類を多く含む食事を取った人と比べて、炎症の軽減や生物学的老化の減速に関連するDNAメチル化に変化が認められたという。米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)医学部神経科学分野のJerome Mertens氏らによるこの研究結果は、8月3日付で「MedComm」に掲載された。

高齢2型糖尿病、SGLT2阻害薬で死亡・透析リスク低く/統数研・横浜市大ほか

 高齢の糖尿病患者への薬物治療では、DPP-4阻害薬だけでなく、近年ではSGLT2阻害薬も使用されている。その一方で、SGLT2阻害薬の75歳以上の成人におけるエビデンス、とくにDPP-4阻害薬との比較データは限られている。このテーマについて野間 久史氏(統計数理研究所/総合研究大学院大学 教授)、後藤 温氏(横浜市立大学医学部 教授)らの研究グループは、レセプトデータなどを基に標的試験エミュレーションを実施した。その結果、SGLT2阻害薬は、DPP-4阻害薬と比較し、全死因死亡および腎臓関連リスクの低下と関連していることが示唆された。Age and Ageing誌2026年8月3日号に掲載。

キシリトールが心血管イベント増加と関連/ESC2026

 人工甘味料のキシリトールは食品や口腔ケア製品などに広く使用されているが、一般集団における長期的な心血管安全性に関するエビデンスは限定的である。今回、カナダ・マギル大学のThomas M. Zheng氏らの研究グループが、北米と欧州の2つの大規模前向き観察コホートのデータを用いて解析した。その結果、血中キシリトール濃度が高い一般集団において、主要心血管イベント(MACE)リスクが有意に上昇することが示された。本研究結果は、ドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)において8月29日に発表された。

2型糖尿病・糖尿病予備群、更年期症状の負担が大きい可能性

 2型糖尿病または糖尿病予備群の女性では、更年期の症状がより強く現れる可能性を示唆するデータが報告された。乙支大学校(韓国)のYou Lee Yang氏らの研究によるもので、詳細は「Menopause」に8月4日付で掲載された。2型糖尿病または糖尿病予備群の女性は、非糖尿病群に比べて、更年期に経験する自覚症状の数が多く、重症度のスコアも高いという。  この研究は、韓国の40~64歳の女性296人(平均年齢55.02±5.55歳)を対象に行われた。空腹時血糖値とHbA1cに基づき、220人が2型糖尿病または糖尿病予備群と判定され、これを「糖尿病群」とし、残りの76人を「非糖尿病群」とした。

子宮内膜症で2型糖尿病のリスクが46%上昇

 子宮内膜症の女性は2型糖尿病発症リスクが46%高いことを示すデータが報告された。米ジョージ・メイソン大学のMaggie Fuzak Nunziato氏らの研究によるもので、詳細は「Diabetologia」に8月6日付で掲載された。論文の筆頭著者である同氏は、「これまでの研究の多くは、子宮内膜症を独立した疾患として捉えており、2型糖尿病との関連性はほとんど報告されていなかった。われわれの研究結果は、子宮内膜症が生殖機能以外の健康面にも影響を及ぼす可能性があるという認識を深めるものだ」と述べている。

視覚障害につながるまれな眼疾患とGLP-1受容体作動薬の関連性

 GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)の使用が、視覚障害につながるまれな眼疾患の発症リスク上昇と関連する可能性があるとする研究結果が報告された。米ラトガース大学のChintan Dave氏らの研究によるもので、詳細は「Annals of Internal Medicine」に7月14日付で掲載された。ただし、この病気を発症する絶対リスクは非常に低いという。  この研究では、虚血性視神経症(ION)という眼の病気に焦点が当てられた。IONは、網膜で受け取った情報を脳へ送る「視神経」に虚血(血流の不足)が生じる病気で、視野が欠けたり視力が低下したりすることがある。近年、GLP-1RAとIONとの関連について関心が高まっているが、これまで十分なデータは得られていなかった。