糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

CKM症候群の突然死リスク、フィネレノンで19%低下(FINE-HEART)

 非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)フィネレノンの有効性と安全性を検証した3件の大規模第III相試験の統合解析「FINE-HEART」の事前規定解析の結果、フィネレノンは心血管・腎・代謝(CKM)症候群における突然死リスクの低下と関連していたことが、イタリア・IRCCS Azienda Ospedaliero-Universitaria di BolognaのAlberto Foa氏らによって示された。これまでの研究で、フィネレノンはCKM症候群の心血管系および腎転帰を改善することが報告されているが、突然死に対する影響は明らかではなかった。Journal of the American College of Cardiology誌2026年8月4日号掲載の報告。

AST・ALTが高くなる季節は?

 MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)の評価では、ASTやALTなどの肝機能値が広く用いられている。今回、日本人の2型糖尿病患者約6,000人を対象とした研究で、AST・ALTは晩秋から初冬にかけて高く、夏に低い季節変動を示すことが分かった。さらに、この変動はMASLDスクリーニングの判定に影響する可能性も示された。ALTがスクリーニングの判定境界に近かった患者では、約9人に1人で測定季節によって判定が異なったという。研究は、慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室の土岐了大氏、国際医療福祉大学三田病院糖尿病・代謝・内分泌内科の坂本昌也氏らによるもので、詳細は6月19日付の「Liver International」に掲載された。

心血管疾患既往の2型糖尿病、チルゼパチドでMACEリスク32%低減/BMJ

 チルゼパチドは、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)受容体とグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体の両方を活性化するインクレチン関連薬であり、血糖値の低下と体重減少をもたらすが、心血管系への効果については議論が続いている。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のNils Kruger氏らは、2型糖尿病とアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)を有する患者では、標準治療にシタグリプチンを併用した場合と比較して、チルゼパチドの併用は主要心血管イベント(MACE)の発生を有意に抑制し、入院を要する感染症や感染症関連死のリスクも低いことを示した。研究の成果は、BMJ誌2026年8月5日号で報告された。

OSASの根本的要因の「肥満」への治療に期待/リリー・田辺ファーマ

 日本イーライリリーと田辺ファーマは、2026年5月に持続性GIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチド(商品名:ゼップバウンド)が効能または効果において、「中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(以下“OSAS”)」に対する治療薬として追加承認を取得したことに寄せて、「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の実態と新たな治療選択肢」をテーマに都内でメディアセミナーを開催した。セミナーでは、OSASの病態やリスク、チルゼパチドの概要、診療でのアンメットニーズなどが説明された。

メタボ解消、正常BMIまでの減量は必要ない?

 メタボリックシンドローム(MetS)の解消に向けた減量は、体重、BMI、腹囲など何がよく、どの程度必要だろうか。このテーマに関し、中国の湖北省疾病予防管理センター慢性・非感染性疾患予防管理研究所のJunfeng Qi氏らの研究グループは、約7,000例を対象にデータを解析。その結果、MetSの解消にBMIを完全に正常化させる必要はないことが示唆された。この結果は、Obesity誌2026年7月31日オンライン版に公開された。

多内分泌代謝性卵巣症候群は心筋梗塞や脳卒中のリスクと関連

 若年女性に見られる卵巣関連の内分泌・代謝疾患である多内分泌代謝性卵巣症候群(polyendocrine metabolic ovarian syndrome;PMOS)は、心筋梗塞や脳卒中のリスク上昇と関連している可能性がある。新たな大規模研究で、PMOSの女性では、アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)イベントの発生リスクが、PMOSではない女性と比べて4倍以上高いことが明らかになった。米ペンシルベニア大学病院産婦人科のAnuja Dokras氏らによるこの研究結果は、7月20日付で「The Lancet Obstetrics, Gynaecology, & Women's Health」に掲載された。

GLP-1受容体作動薬、自己免疫疾患患者の死亡・血栓リスク低下と関連

 肥満を伴う関節リウマチ、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患などの自己免疫疾患の患者の中で、GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)が処方されている人は、死亡リスクや血栓症のリスクが低いという研究結果が報告された。米フロリダ大学のAmy Sheer氏らが、フロリダ州などの3州にある14の医療機関の電子カルテ情報を用いて検討したもので、詳細は6月6日付で「Journal of the American Heart Association(JAHA)」に掲載された。  GLP-1RAは、2型糖尿病の血糖管理のほかに減量目的でも用いられている。肥満では、全身性の慢性炎症や血管内皮機能の低下により血栓が形成されやすいことが知られていて、また自己免疫疾患も炎症反応を強めるために、肥満を伴う自己免疫疾患患者では、心血管イベントや血栓イベントのリスクが高いと考えられている。

1日1回経口投与のzenagamtide、2型糖尿病の血糖改善効果は?/Lancet

 2型糖尿病患者において、1日1回経口投与のzenagamtide(6、25、50mgの3用量ともに)はプラセボと比較して、ベースラインから36週までのHbA1c変化量において、臨床的に意義のある改善がみられ、その差は統計学的にも有意であった。安全性および忍容性プロファイルは、他のGLP-1受容体作動薬およびアミリン受容体作動薬と同程度であった。米国・テキサス大学サウスウェスタン医療センターのPablo Mora氏らが、36週の第II相多施設共同無作為化並行群間二重盲検プラセボ対照用量設定試験の結果を報告した。

スタチン使用に伴う重篤な筋障害はまれ

 スタチンによる重篤な筋障害への懸念は過大視されている可能性があるようだ。英オックスフォード大学の研究グループが開発した新たなリスク予測モデルでスタチン治療の適応となる成人の重篤な筋障害リスクを推定したところ、98%超が低リスクであることが示された。この研究結果は、「The Lancet Digital Health」に6月25日掲載された。筆頭著者である同大学のTing Cai氏はニュースリリースで、「重篤な筋障害は、スタチンに関して最も広く懸念されている副作用の一つである。しかし今回の結果から、スタチン治療の効果を期待できる大多数の人では、そのリスクは極めて低いことが示唆された」と述べている。

肥満症治療薬単独では血管の健康改善効果は限定的

 GLP-1受容体作動薬などの肥満症治療薬は、肥満治療を大きく変えつつある。しかし、血管の健康の維持には、運動が依然として決定的な役割を果たす可能性を示した研究が、6月24日付で「Nature Metabolism」に掲載された。論文の上席著者であるコペンハーゲン大学(デンマーク)生物医学分野教授のSigne Torekov氏は、「本研究は、薬物療法は体重維持を支える一方で、血管の健康を改善するのは、薬物療法の有無にかかわらず運動であることを示している」と述べている。  肥満と身体活動不足は、血管内皮機能の低下や動脈硬化と関連付けられている。