糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

GLP-1受容体作動薬/SGLT-2阻害薬の腎保護作用、アルブミン尿の有無で異なる?/BMJ

 メトホルミンで治療中の2型糖尿病患者において、GLP-1受容体作動薬およびSGLT-2阻害薬の投与開始はDPP-4阻害薬と比較して、アルブミン尿を有する患者の腎機能悪化のリスクを低減させることが認められたが、アルブミン尿を有していない患者では腎機能に対する有用性はほとんど示されなかった。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のAlexander Turchin氏らBESTMED collaborating investigatorsが、標的試験エミュレーション研究の結果を報告した。GLP-1受容体作動薬およびSGLT-2阻害薬は、2型糖尿病患者における慢性腎臓病の進行リスクを低下させることが無作為化試験のメタ解析で示されているが、これらの無作為化試験には中等度のアルブミン尿を呈する患者が多く含まれており、その結果をより広範な集団に一般化できない可能性が示唆されていた。BMJ誌2026年9月16日号掲載の報告。

肝硬変リスク、飲酒の影響が肥満や糖尿病を上回る/J Hepatol

アルコール摂取と心代謝リスク因子は、肝硬変リスクに複合的に関与することが注目されている。そこで、デンマーク・Zealand University HospitalのJonas Hedelund Ronn氏らは、一般住民コホートを用いて、飲酒量と心代謝リスク因子が肝硬変リスクに及ぼす単独および複合的な影響を検討した。その結果、肝硬変リスクに対する寄与は飲酒が最も大きく、肥満、糖尿病、高血圧、喫煙もリスク上昇と関連したが、脂質異常症との関連は明確ではなかった。本研究結果は、Journal of Hepatology誌オンライン版2026年8月24日号に掲載された。

GLP-1/グルカゴン受容体dual agonistであるsurvodutideは肥満症治療薬として有効である(解説:住谷哲氏)

肥満症治療薬としてのGLP-1受容体作動薬はすでにセマグルチド(商品名:ウゴービ)が市場に登場して多くの患者に処方されている。さらにGLP-1/GIP受容体のdual agonistであるチルゼパチド(商品名:ゼップバウンド)も処方可能となっている。本試験SYNCHRONIZE-1で検討されたのはGLP-1/グルカゴン受容体のdual agonistであるsurvodutideである。survodutideは内因性ホルモンであるoxyntomodulinの誘導体である。oxyntomodulinは37アミノ酸からなるペプチドホルモンでグルカゴン分子に8アミノ酸が付加されており、グルカゴンの前駆ホルモンであるproglucagonから産生される。ちなみにGLP-1も同じproglucagonから産生される(GIPは別の前駆体であるproGIPから産生される)。

日本の慢性膵炎患者は5年で3割増、約半数は糖尿病を合併

慢性膵炎の臨床疫学的特徴を明らかにするため、本邦では1994年以来、4~5年ごとに全国疫学調査が実施されてきた。慢性膵炎患者数は、1994年(3万2,000例)から2011年(6万7,000例)にかけて一貫して増加傾向にあったが、2016年の調査で初めて減少していた(5万6,520例)。東北大学の正宗 淳氏らは、2021年に参加病院で診療された慢性膵炎患者を対象とした全国規模の疫学調査を実施。その結果、2021年の慢性膵炎患者数は7万3,590例と推計され、2016年と比較して30%増加していることが明らかになった。本研究結果は、Journal of Gastroenterology誌オンライン版2026年9月11日号に掲載された。

約230万例のコホート研究が特定した不適切処方カスケードのパターン/BMJ

 カナダ・Sinai Health SystemのPaula A. Rochon氏らは、同国オンタリオ州に在住の66歳以上の高齢者を対象とした後ろ向きコホート研究により、潜在的に不適切な処方カスケード(potentially inappropriate prescribing cascade:PIPC)65種類のうち、24種類がとくに介入優先度が高いPIPCとして特定されたことを報告した。高齢者においてPIPCは頻繁にみられるものの、その多くは見過ごされており、患者や医療システムに多大な負担を強いる不適切な多剤併用の一因と指摘されている。今回示された24種類のリストは、個々の高齢患者および高齢者集団レベルにおける、薬剤安全性を向上させる処方および脱処方(deprescribing)の取り組みや政策策定に役立つ可能性があるという。BMJ誌2026年9月10日号掲載の報告。

残余リスク可視化へ、Lp(a)コンセンサス・ステートメント公表/日本動脈硬化学会

 日本動脈硬化学会は2026年9月14日、Lp(a)に関する日本版『コンセンサス・ステートメント』を公表した。本ステートメントは、「世界的なエビデンスと日本の疫学的および臨床的現実を統合し、将来の治療および医療システムの発展を支援しつつ、日本に合わせたLp(a)の測定、解釈、リスク層別化、および管理に関する明確な推奨事項を提供することを目標」として作成された。今回、日常診療においてLp(a)測定の普及促進を訴える、日本動脈硬化学会Lp(a)タスクフォースの吉田 雅幸氏(日本動脈硬化学会理事長/東京科学大学 生命倫理センター長・大学院先端倫理医科学分野 教授)が測定法や心血管リスク評価への具体的な活用法など、診療で実践すべき臨床的Key takeawayについて解説した。

2049年までに世界の1型糖尿病患者数が約3割増加と予測

 世界の1型糖尿病の患者数が、2049年までに急速に増加する可能性のあることが分かった。ステノ糖尿病センター(デンマーク)のAnders Green氏らの研究の結果であり、詳細は第62回欧州糖尿病学会(EASD2026、9月28日~10月2日、イタリア・ミラノ)での発表が予定されている。  この研究では、1型糖尿病の発症率、人口年齢分布、生存率に関する入手可能なデータに加え、各国におけるインスリン供給の歴史的変化のパターンも考慮に入れた、「DIAMOND-T1Dモデル」という新しい予測モデルを用いて、1型糖尿病の発症率、有病率、死亡率の変化を、全世界と国・地域別に予測した。その結果、世界の1型糖尿病患者数は、今後24年間で29%増加し、2025年の944万5,191人から2049年には1218万3,418人に達する可能性が示された。

高過ぎるテストステロン値は心房細動リスクを高める?

 「低テストステロン」は注目を集めている健康トピックであり、年齢を重ねた男性に対し、テストステロン(T)がまさに「若返りの泉」であるかのように宣伝されている。しかし、T値が高過ぎるのも、心臓の健康には良くないようだ。新たなレビューで、T値が低い男性と高い男性はいずれも、不整脈の一種である心房細動(AF)のリスクが高まる可能性が示唆された。米カンザスシティ退役軍人医療センターのRajat Barua氏らによるこのレビューは、9月1日付で「Journal of the Endocrine Society」に掲載された。

医療者で多い心血管リスク因子と管理状況は?/ESC2026

医療者は心血管予防の担い手である一方、自身の心血管リスク管理の実態は十分に明らかではない。そこでスイス・チューリッヒ大学のFlorian A. Wenzl氏らは、2025年8月29日~9月1日にスペイン・マドリードで開催されたEuropean Society of Cardiology ESC 2025(ESC2025、欧州心臓病学会)に参加した医療者の心血管リスク、治療状況、目標達成率などを評価した。その結果、医療者は一般集団より良好な心血管リスクプロファイルを示すものの、心血管疾患予防やガイドライン推奨薬物の使用に関しては大きなギャップがみられたことが明らかになった。本研究結果は2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたESC2026で発表され、European Heart Journal誌オンライン版2026年8月30日号に同時掲載された。

zenagamtide:アミリン受容体がもたらす新たな経口糖尿病治療薬の展望(解説:永井聡氏)

zenagamtideは、食欲を抑制するGLP-1受容体と、満腹感を促進するアミリン受容体の双方に作用する経口のペプチドデュアルアゴニストである。アミリンは、インスリンとともに膵β細胞から分泌されるホルモンであり、食欲中枢に作用して満腹感を促進する。アミリン受容体作動薬としてはcagrilintideが先行して開発されており、セマグルチドとの配合剤であるCagriSemaが、肥満症治療において最近良好な結果を報告している。次世代のGLP-1関連薬であるzenagamtideは、単一のペプチドでこれらと同等の効果を実現しつつ、2型糖尿病や肥満症に対する「経口薬」としても開発が進められている点が大きな特徴である。