第1回 「目指せ ! 腰痛ソムリエ」
腰痛の中でも特に外来でよく診る急性腰痛症に焦点を当てます。急性腰痛症は、なかなか良いエビデンスがない上に古い迷信が信じられていたりと、治療は難しいものです。
そこで腰痛を3つのタイプに分けて対応する事を提案。その3つのタイプとは何か? 迫真の症例ドラマと濃密な講義で構成された内容は救急医ならずとも見逃せません!
<症例1> 77歳男性 早朝4時に徒歩で救急外来に来院。患者は5日前から風邪をひいているにも関わらず漬物石を持ち上げたため腰痛が発症したと説明。研修医はそれを鵜呑みにしてしまうがDr.林は納得しない。さて本当の病名は!?
<症例2> 35歳男性 家業である酒屋の仕事中に急性腰痛症を発症し救急車来院。動けなくなるほどの症状は2度目。X線検査を実施しようとする研修医をDr.林は「必要ない」と止める…
第2回 「CT or Not CT,それが問題だ…軽症頭部外傷」
頭部を打撲して来院する患者は意外と多いもの。緊急手術が必要なほど重症ではない、でも万全を期すためにCT を撮るべきか、あるいは必要ないのかと悩む事はありませんか? 特に小児の場合は親御さんの心配解消のため、そして医師自身の「安心」のために、必要も無いのにCT を撮るケースが多く見られます。
ガイドラインでも様々な解釈があることから結局ほぼ全例にCT 撮影を行っている…という人もいるのではないでしょうか。そのCT が本当に必要かどうか、改めて整理して考えてみましょう。
<症例1> 1歳6ヶ月男児 ショッピングセンターのカートから転落して両親とともに救急車来院した。頭から落ちて「たんこぶ」が出来ている。母親は頭部CT撮影による診断を強く要望するが…。
<症例2> 16歳男性 ラグビーのクラブ活動中に他の選手とぶつかり脳震盪を起こした。数分の意識消失、受傷機転の記憶の欠如、健忘が見られる。