第7回「実践!ステロイドの有害事象対策」
「ステロイドの副作用を10個挙げなさい」。指導医がよくする質問のひとつですが、大切なのは副作用を予防するための適切な対策を取ることです。そのためには、どの副作用がいつ出現しやすいかを理解すること、そして有害事象に対する検査を適切に行い、検査値を正しく解釈することが必要です。 今回は、一歩進んだ骨粗鬆症対策として、実際のDXA(二重エネルギーX線吸収法)の読み方のコツに加え、消化器、心臓血管、免疫、眼、皮膚、内分泌・代謝、精神神経、皮膚の副作用に関して、実践的な視点から解説します。 本当は防げたかもしれないステロイドの有害事象で後悔しないために、ルーチン対策をもう一度しっかりと押さえておきましょう!
第8回「大胆解説!欧州リウマチ学会SLE診療指針」
自己免疫疾患は、膠原病のみならず、消化器内科、内分泌科、神経内科など多くの診療科で見受けられます。全身型自己免疫疾患の代表であるSLEの病態をしっかり把握することによって、臓器別自己免疫疾患に関しても理解を深められます。 今回は、臨床医が知っておくと役立つ免疫系の仕組みを、豊富な図とともに解説。そして、SLEの症例を用いながら、2008年に出された欧州リウマチ学会のSLE診療指針に沿って詳しく見ていきます。 これまでは断片的に理解されがちだった臨床免疫を、明快で二度と忘れないビジュアル免疫学としてマスターしましょう!また、ループス腎炎を例に、臨床医として即役立つ腎臓疾患の考え方について、単純化した図解でお届けします。
第9回「手で診断!日常診療で膠原病を見逃すな」
手を見て診断をつけられる膠原病は実はたくさんあります。爪周囲紅斑、爪床毛細血管異常、爪上皮延長、ゴットロン徴候、強皮などは、臨床症状と組み合わせれば特異度の高い所見となります。皮膚筋炎、全身性硬化症は決して珍しい疾患ではないのです。 また早期診断で、間質性肺炎、肺動脈性肺高血圧症を発見し、早期治療できれば予後が改善します。特発性と思われていた間質性肺炎が治療に反応の良い膠原病肺であったり、年のせいだと思っていた息切れが肺高血圧症であったり。有効な治療が確立した現在では、早期診断は患者さんのQOLに大きく影響します。 「何かおかしい」と思った時は、“絨毯爆撃検査”をする前に身体所見で検査前確率をアップさせましょう