産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:8

日本人の子宮頸がんに対するペムブロリズマブ+同時化学放射線療法(KEYNOTE-A18)/日本婦人科腫瘍学会

 局所進行子宮頸がん(LACC)に対する同時化学放射線療法(CCRT)へのペムブロリズマブの上乗せは、日本人患者においてもグローバルと同様に無増悪生存期間(PFS)の改善傾向を示した。  1999年以降、LACCの標準治療は、化学療法と外部照射放射線治療(EBRT)の併用とその後の小線源療法へと続くCCRTである。現在、CCRTの効果をさらに高めるために免疫チェックポイント阻害薬の上乗せが検討されている。  KEYNOTE-A18試験(ENGOT-cx11/GOG-3047)は未治療の高リスクLACCにおいてペムブロリズマブ+CCRTとCCRT単独を比較した第III相試験である。

HPVワクチンのキャッチアップ接種推進に向けて/日医

 日本医師会(会長:松本 吉郎氏[松本皮膚科形成外科医院 理事長・院長])は、定例会見を開催した。会見では、「2025(令和7)年度の予算要求要望」について、「医療DXの適切な推進、地域医療への予算確保、新興感染症などへの予算確保」ならびに事項要求として「物価高騰・賃金上昇への対応」を厚生労働省に要望したことが報告された。また、医師会が日本医学会との協力で発行している英文ジャーナル「JMA Journal」が「1.5」(クラリベイト社発表)のインパクトファクターを取得したことも報告された。そのほか、2024年9月末に期限が迫っている「HPVワクチンキャッチアップ接種推進に向けて」について医師会の取り組みが説明された。

世界では、HIV予防は新しい時代へ(解説:岡慎一氏)

Pre-Exposure Prophylaxis(PrEP)と呼ばれる、HIV感染リスクがある人に対する予防法の研究が、欧米を中心に盛んに行われていたのは、2010年前後である。その結果をもとに2012年には、米国でPrEPが、HIV感染予防法として承認された。当時の方法は、TDFとFTCという2剤の合剤(ツルバダ錠)を1日1回経口服用するというものであった。その後、ほぼ世界中でツルバダ錠によるPrEPは承認された。これに対し、日本では、2024年9月頃にやっとツルバダ錠によるPrEPが承認される予定である。まさに、12年という十二支の周回遅れである。先進国でPrEPが認可されていなかったのは、もちろん日本だけである。

cfDNAでHER2陽性の固形がん、T-DXdの奏効率56.5%(HERALD)/JCO

 抗HER2抗体薬物複合体トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)は、前治療歴があり代替の治療手段のない切除不能または転移を有するHER2陽性(IHC 3+)固形がんについて、米国食品医薬品局(FDA)より2024年4月に迅速承認を取得している1)。本承認は、組織検体をもとにHER2陽性(IHC3+)が認められた患者での有効性が評価されており、リキッドバイオプシー検体でも同様の結果が得られるかは、明らかになっていなかった。そこで、血中遊離DNA(cfDNA)でERBB2(HER2)遺伝子増幅が検出された切除不能固形がん患者を対象に、医師主導治験として、国内多施設共同第II相単群試験「HERALD/EPOC1806試験」が実施された。その結果、対象患者は前治療ライン数中央値3であったが、奏効率(ORR)は56.5%と高率であった。本研究結果は、八木澤 允貴氏(いまいホームケアクリニック)らによって、Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2024年8月1日号で報告された。

産後の尿失禁、身体的にも精神的にも大きな負担に

 尿失禁は産後の後遺症として頻発する症状の1つだが、新米の母親に重大な影響を与える可能性のあることが、米テキサス大学(UT)サウスウェスタン医療センター産科婦人科教授のDavid Rahn氏らによる研究で示された。Rahn氏らによると、こうした産後の尿もれ症状が不安や抑うつ症状に有意に関連していることが明らかになったという。この研究結果は、「Urogynecology」に4月30日掲載された。  Rahn氏は、「尿失禁がひどいと、孤立感や恥ずかしさを感じ、社会的なつながりを持つことが難しくなる。尿失禁によって精神的な問題に苦しむようになる可能性のあることは想像に難くない」と話す。

月経前症候群は食行動と関連

 日本の女子大学生および大学院生を対象とした横断研究の結果、摂食障害傾向の有無が月経前症候群(premenstrual syndrome;PMS)と関連していることが明らかとなり、BMIの値にかかわらず、食行動がPMS症状に影響を及ぼしている可能性が示唆された。大阪公立大学大学院リハビリテーション学研究科の森野佐芳梨氏らによる研究であり、「BMC Women's Health」に6月7日掲載された。  PMSは、情緒不安定、イライラ、不安、倦怠感、食欲や睡眠の変化、下腹部痛、頭痛、むくみ、乳房の張りなど、さまざまな身体・精神症状を伴い、多くの女性の日常生活に支障をきたしている。PMSは、運動習慣、食事の内容や栄養摂取の状況などと関連することが報告されている。しかし、朝食の欠食、やせ願望、過食といった食行動に関する問題が深刻化している中で、食行動とPMS症状について検討した日本の研究は少ない。

妊娠・乳幼児期の大気汚染物質の複合曝露が小児喘息と関連

 妊娠期、子どもの乳幼児期における大気汚染物質への曝露と小児喘息の発症との関連が、日本全国のデータを用いて詳細に検討された。その結果、低濃度の大気汚染物質への複合曝露が、持続性小児喘息の発症と関連していることが明らかとなった。昭和大学医学部リウマチ・膠原病内科の城下彰宏氏らによる研究の成果であり、「Ecotoxicology and Environmental Safety」に6月20日掲載された。  小児喘息の発症は、環境的、社会経済的、遺伝的要因の影響を受ける。大気汚染は喘息の発症や悪化と関連するが、大気汚染物質は複雑な混合物である。比較的低濃度の大気汚染物質の複合曝露による影響については十分に研究されておらず、海外と日本では大気汚染の状況も異なり、エビデンスが不足している。

シス女性のHIV曝露前予防、レナカパビル年2回投与が有効/NEJM

 レナカパビル年2回皮下投与によりHIV感染の発生は認められず、バックグラウンドおよびエムトリシタビン/テノホビル・ジソプロキシルフマル酸塩(F/TDF)と比較してHIV感染の発生率を100%低下させることが、南アフリカ・ケープタウン大学のLinda-Gail Bekker氏らPURPOSE 1 Study Teamによる第III相無作為化二重盲検実薬対照比較試験「PURPOSE 1試験」において示された。シスジェンダー女性におけるHIV曝露前予防は、予防薬の服薬、服薬アドヒアランスおよび服薬継続に限界があり、新たな選択肢の開発が望まれていた。NEJM誌オンライン版2024年7月24日号掲載の報告。

妊娠初期のコロナ感染・ワクチン接種、児の先天異常と関連せず/BMJ

 妊娠第1三半期(13週+6日)における新型コロナウイルス感染およびワクチン接種は、生児の先天異常のリスクに大きな影響を及ぼさないことが、ノルウェー・公衆衛生研究所のMaria C. Magnus氏らの調査で示された。研究の詳細は、BMJ誌2024年7月17日号で報告された。  研究グループは、妊娠第1三半期における新型コロナウイルス感染およびワクチン接種による主要な先天異常のリスクへの影響の評価を目的に、北欧の3ヵ国でレジストリベースの前向き研究を行った(ノルウェー研究会議[RCN]などの助成を受けた)。

卵巣がんリスク、卵巣子宮内膜症/深部子宮内膜症では9.7倍/JAMA

 卵巣がんのリスクは、卵巣子宮内膜症や深部子宮内膜症を有する女性で顕著に高いことを、米国・ユタ大学のMollie E. Barnard氏らが、ユタ州住民データベース(Utah Population Database:UPDB)を用いたコホート研究の結果を報告した。子宮内膜症は卵巣がんのリスク増加と関連しているが、子宮内膜症のサブタイプと卵巣がんの組織型との関連は十分に明らかになっていなかった。著者は、「卵巣子宮内膜症ならびに深部子宮内膜症を有する女性は、卵巣がんのリスクと予防に関するカウンセリングによって恩恵を受ける可能性がある。スクリーニングと予防研究の対象として重要な集団となるだろう」とまとめている。JAMA誌オンライン版2024年7月17日号掲載の報告。