内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:607

ゲームのやり過ぎは「うつ病」発症の原因か?!

 ここ10年の間にオンラインゲームは急速に広まり、それに伴うさまざまな問題に注目が集まっている。しかしながら、過度なオンラインゲームの利用が精神症状に与える影響に関する報告は多くない。Wei氏らはインターネット調査によりオンラインゲーマーの特性を明らかにし、オンラインゲーム利用時間と社会不安障害、うつ病との関係を検証した。BMC Psychiatry誌オンライン版2012年7月28日号の報告。

最新版QRISK2、高い心血管疾患リスク予測能を確認

心血管疾患の10年リスクの予測において、英国で開発されたQRISK2は、従来から同国で使用されてきた米国のFraminghamモデルの修正版に比べ予測能が優れることが、オックスフォード大学のGary S Collins氏らの調査で示された。最近まで、英国では国立医療技術評価機構(NICE)による修正版Framinghamモデルが用いられてきたが、リスクの過大評価が指摘されていた。QRISK2は自国の大規模コホートのデータに基づいて開発され、2008年の発表後、2010年、2011年と改訂が進められているが、診断能を客観的に評価するには改訂リスク予測モデルの外的妥当性の検証が必要とされる。BMJ誌2012年7月28日号(オンライン版2012年6月21日号)掲載の報告。

プライマリ・ケアにおける高リスク色素性皮膚病変の診断、新規診断法の追加は有効か?

プライマリ・ケアにおける色素性皮膚病変の診断では、現行のbest practiceにコンピュータ化された新規診断法を追加しても、専門医への適切な紹介は改善されないことが、英国ケンブリッジ大学のFiona M Walter氏らの検討で示された。皮膚がんは英国における重大な死亡原因であり、発生率は年ごとに増加しており、予後の改善には早期の発見と管理が重要とされる。課題は、メラノーマ(悪性黒色腫)の、他の色素性皮膚病変との鑑別であり、プライマリ・ケアへの新たな診断技術の導入が診断能を改善し、高リスク色素性皮膚病変の専門医への適切な紹介につながる可能性があるという。BMJ誌2012年7月21日号(オンライン版2012年7月4日号)掲載の報告。

心房細動に対する抗不整脈薬、長期投与は必要か?

 心房細動(AF)に対する除細動後の抗不整脈薬による短期治療は、長期治療よりも効果が低いが、多くの患者でAFの再発を抑制する可能性があることが、ドイツ・ミュンスター大学病院のPaulus Kirchhof氏らが行ったFlec-SL試験で示された。除細動後の抗不整脈薬治療は、心房の活動電位の持続時間と有効不応期を延長することでAFの再発を予防する。抗不整脈薬治療で洞調律が得られれば、2~4週後には心房の活動電位が正常化するため、それ以上の投与は不要な可能性があるという。Lancet誌2012年7月21日号(オンライン版2012年6月18日号)掲載の報告。

運動不足の解消で寿命が0.68年延長

冠動脈心疾患や糖尿病、がんなどの主な非伝染性疾患の6~10%が運動不足に起因し、運動不足が解消されれば寿命が0.68年(約8ヵ月)延長することが、米国ハーバード大学医学校ブリガム・アンド・ウェイメンズ病院のI-Min Lee氏らLancet Physical Activity Series Working Groupの調査で明らかとなった。運動不足は、冠動脈心疾患、2型糖尿病、乳がん、結腸がんなどの非伝染性疾患のリスクを増大させ、余命を短縮することを示す高度なエビデンスが存在する。多くの国では国民の運動不足が指摘されているため、運動不足と非伝染性疾患の関連は保健医療上の重要な課題となっている。Lancet誌2012年7月21日号(オンライン版2012年7月18日号)掲載の報告。

C型肝炎へのシリマリン投与、ALT値の減少効果は認められず

C型肝炎に対するシリマリン(オオアザミ抽出物)の服用は、血中アラニンアミノ基転移酵素(ALT)値を低下する効果はないことが示された。米国・ノースカロライナ大学のMichael W. Fried氏らが、約150人のC型肝炎患者について行った無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果で、JAMA誌2012年7月18日号で発表した。シリマリンを服用する慢性肝炎患者は少なくないものの、その効果についてのエビデンスは明確ではなかったという。

新型インフルエンザワクチン接種によるギラン・バレー症候群発症リスクは?

新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチン接種によるギラン・バレー症候群発症リスクは、小さいながら有意にあることが報告された。カナダ・Laval大学のPhilippe De Wals氏らが、ケベック州で地域住民対象のコホート試験を行い明らかにしたもので、JAMA誌2012年7月11日号で発表した。ケベック州では2009年秋に新型インフルエンザのパンデミックを受けてワクチン接種キャンペーンを展開した。その際多くの人がAS03アジュバントワクチン(Arepanrix)の接種を受け、年度末までに住民780万人のうち57%が同ワクチン接種を受けたという。

妊婦への新型インフルエンザワクチン接種、出生児のリスク増大認められず

妊娠中へのアジュバント新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチン接種は、重大な先天異常や早産、胎児発育遅リスクを、非接種と比べて増大しないことが報告された。デンマーク・Statens Serum InstitutのBjo rn Pasternak氏らが、新生児5万例超の国内登録コホート試験で明らかにしたもので、JAMA誌2012年7月11日号で発表した。