内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

急性虫垂炎の抗菌薬治療、10年再発率・虫垂切除率は?/JAMA

 急性単純性虫垂炎の初回治療として抗菌薬治療を受けた成人患者を10年間追跡したところ、組織病理学的所見に基づいて確定された虫垂炎の再発率は37.8%、虫垂切除術の累積施行率は44.3%であったことが、フィンランド・トゥルク大学のPaulina Salminen氏らが実施した「APPAC試験」で示された。著者は、「成人の急性単純性虫垂炎患者の治療選択肢としての抗菌薬治療を支持するエビデンスだ」とまとめている。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年1月21日号で報告された。

PPIの長期使用と胃がんリスクの関連性否定:北欧5ヵ国での集団ベースの症例対照研究(解説:上村直実氏)

北欧5ヵ国の全国登録レジストリーから前向きに収集したデータを用いた大規模症例対照研究の結果、1年超のPPI長期使用と胃がんリスクの関連性はなく、H2ブロッカーと同様であることが、2026年1月のBMJ誌に発表された。PPI長期使用による胃がんリスクの上昇を示唆する報告は多数あるが、コホート研究などの観察研究における精度の問題を指摘して、考えられるバイアスである診断前のPPI開始時期やH. pylori関連変数の調整不足、噴門部がんの混在などを厳密に調整するデザインを採用した結果、両者の関連性が否定されたとしている。

1日2~3杯のコーヒーがメンタルヘルスに有益

 コーヒー摂取と精神疾患リスクとの関連性は、集団ベースの研究において依然として一貫性が認められていない。カフェイン代謝や性別による潜在的な修飾作用については、これまであまり研究されていなかった。中国・復旦大学のBerty Ruping Song氏らは、インスタント、挽きたて、カフェイン抜きなどのさまざまな種類のコーヒーの毎日の摂取量と各種精神疾患との関連性を調査し、カフェイン代謝や性別によって、この関連性が異なるかどうかを調査した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2025年12月19日号の報告。  本研究では、英国バイオバンクのデータを用いてプロスペクティブ解析を実施した。

認知症患者の4人に1人に脳に悪影響を及ぼす薬が処方

 認知症のあるメディケア加入高齢者の4人に1人が、抗精神病薬、バルビツール酸系薬、ベンゾジアゼピン系薬などの脳機能に影響を及ぼす薬剤によって危険にさらされていることが、新たな研究で明らかにされた。これらの高リスクの中枢神経系(CNS)活性薬は、転倒やせん妄、入院のリスクを上昇させ、特に、認知機能障害のある高齢患者においてはその影響が顕著であることから、ガイドラインでは使用を控えることが推奨されている。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)デイヴィッド・ゲフィン医科大学院のJohn Mafi氏らによるこの研究結果は、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に1月12日掲載された。

認知症に対する抗精神病薬中止に伴うBPSD再発リスクは?

 認知症の行動・心理症状(BPSD)の治療には、抗精神病薬が使用される。しかし、治療は有害な転帰と関連している。2018年のコクランレビューにおいて、治療群間の試験未完了者数の差を比較した結果、抗精神病薬の中止がBPSD症状にほとんど影響を及ぼさない可能性を示唆する質の低いエビデンスが示された。また、再発リスクの統合エフェクトサイズは報告されていなかった。英国・St Pancras HospitalのSophie Roche氏らは、認知症患者における抗精神病薬中止後のBPSD症状再発の統合リスク比(RR)についてメタ解析を実施した。Alzheimer's & Dementia誌2025年12月15日号の報告。

直美問題の解決へ一歩――専門医と患者をつなぐ新構想でクラウドファンディング開始

 初期研修修了後、十分な専門研修を経ないまま美容医療に従事する、いわゆる「直美(ちょくび)問題」が社会問題化する中、現場の医師が主導する新たな取り組みが動き出した。近畿大学 医学部皮膚科学教室 主任教授の大塚 篤司氏らは大学発ベンチャーを立ち上げ、AIと専門医の知見を組み合わせた美容医療予約プラットフォーム「美肌コネクト」の開発を主な目的とした、クラウドファンディングをスタートした。 専門研修不足と医師偏在、双方への危機感 大塚氏は「直美問題は、患者側、医師側の両方に不幸をもたらしている」と言う。

チルゼパチドは肥満症患者などの精神症状のリスクとならない

 肥満症の患者にチルゼパチドを処方した場合、何らかの精神症状を伴うのであろうか。このテーマについてアメリカのペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院精神医学科のThomas A. Wadden氏らの研究グループは、SURMOUNT試験の事後解析を行った。その結果、既往の精神症状のない過体重または肥満症患者にはチルゼパチドはうつなどのリスクと関連しないことがわかった。この結果は、Obesity誌2026年1月15日オンライン版に公開された。

降圧薬なしで降圧目標を達成する患者、γ-GTPが関連

 高血圧患者で、降圧薬に頼らず生活習慣改善のみで降圧目標を達成できるのはどのような患者なのだろうか。今回、大阪大学の小原 僚一氏らが神奈川県平塚市の特定健診(SHC)データを用いて解析した結果、降圧薬非使用群における降圧目標達成の主要な因子として、前年度の特定健診における高血圧既往歴がないことや血圧グレードが低いことに加え、γ-GTPの減少が重要であることが明らかになった。本研究の結果は、生活習慣指導が有効なレスポンダーを特定する一助となる可能性がある。Journal of Cardiology誌オンライン版2026年1月16日号に掲載。  本研究は、2016年5月~2023年3月に平塚市の特定健診を受診した40~74歳の未治療高血圧患者(140/90mmHg以上)5,428例を対象とした解析である。

PPI長期使用は本当に胃がんリスクを高めるのか/BMJ

 2023年に発表された3つのメタ解析では、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用により胃がんのリスクが約2倍に増加することが示されているが、解析の対象となった文献にはいくつかの方法論的な限界(因果の逆転[プロトパシック バイアス]、症例分類法の違い[方法論的異質性]、Helicobacter pylori[H. pylori]菌感染などの交絡因子の調整不能など)があるため、この結論は不確実とされる。スウェーデン・カロリンスカ研究所のOnyinyechi Duru氏らは、これらの限界を考慮したうえで、無作為化試験の実施は現実的でないためさまざまなバイアスの防止策を講じた観察研究「NordGETS研究」を行い、PPIの長期使用は胃腺がんのリスク増加とは関連しない可能性があることを示した。

睡眠データから130種類の疾患リスクを予測可能か

 眠っている間に体はさまざまな「メッセージ」を発しており、それを読み取ることで将来の重大な病気のリスクを予測できる可能性のあることが、新たな研究で示された。「SleepFM」と呼ばれる人工知能(AI)を用いた実験的な睡眠基盤モデルは、ポリソムノグラフィー(PSG)データを用いて、約130種類の疾患・健康状態の将来のリスクを予測できるという。米スタンフォード大学医学部生物医学データサイエンス分野のJames Zou氏らによるこの研究の詳細は、「Nature Medicine」に1月6日掲載された。研究グループは、「SleepFMは、がん、妊娠合併症、心疾患、精神疾患など、非常に幅広い疾患の予測において高い性能を示した。また、全死亡リスクの予測も可能だった」と述べている。