内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

精神症状の有無でアルツハイマー病に伴うアジテーションに対するブレクスピプラゾールの効果に違いはあるか?

 アルツハイマー病患者は、アジテーションと精神病症状を併発することが少なくない。米国・Banner Alzheimer's InstituteのPierre N. Tariot氏らは、精神病症状を併発するアルツハイマー病患者と併発しない患者におけるアジテーションに対するブレクスピプラゾールの有効性と安全性を明らかにするため、長期試験の事後解析を実施した。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2026年4月21日号の報告。  アルツハイマー病に伴うアジテーションを有する患者を対象に、ブレクスピプラゾールとプラセボを比較した2つの第III相試験(欧州、ロシア、米国で実施された12週間ランダム化二重盲検プラセボ対照固定用量試験)のデータを統合した。

中高年の前兆を伴う片頭痛、脳梗塞リスクの上昇と関連

 前兆を伴う片頭痛を有する中高年では、片頭痛のない中高年と比べて虚血性脳卒中(脳梗塞)リスクが高い可能性があるとする研究結果が報告された。前兆を伴う片頭痛を有する人では、片頭痛のない人に比べて脳梗塞リスクが73%高かった一方、前兆を伴わない片頭痛を有する人では有意なリスク上昇は認められなかったという。米バーモント大学神経学分野のAdam Sprouse-Blum氏らによるこの研究結果は、「Neurology」に5月20日掲載された。  研究グループによれば、片頭痛の前兆とは、片頭痛発作に先立って現れる視覚的または感覚的な異常を指す。

食事支援で心不全患者のQOL改善の可能性

 心不全のために入院治療を受けた患者に対して、退院後に心臓に良い食品を提供することで、患者の生活の質(QOL)改善につながる可能性が示された。米テキサス大学(UT)サウスウェスタン医療センターのAmbarish Pandey氏らの研究の結果であり、詳細は「JAMA Cardiology」に4月8日掲載された。  心不全入院後の病状管理の難しさは、退院の瞬間に始まる。退院後にはしばしば、多くの薬を正しく服用することが困難であったり、栄養価の高い食料品の入手に支障を来したりといった問題に直面する。これらの課題のうち後者に対しては、食事や食材を薬のように“処方”することが解決策になる可能性が浮かび上がった。

降圧薬の有害事象による中止、薬剤クラスで差/JAMA

 降圧薬に関する短期の二重盲検無作為化試験における有害事象や治療中止の発現は、薬剤クラスやレジメンによってばらつきがあり、一部の併用療法では単剤療法と比べて忍容性が優れることが、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のNelson Wang氏らによるネットワークメタ解析の結果で示された。レジメンの中には、プラセボよりも有害事象による治療中止率が低く、症状の改善が示されたものもあった。得られた知見について著者は、「試験レベルに基づく結果であり、またネットワークメタ解析の前提条件に依存しているため、すべての患者に適用されるものではない」と述べている。JAMA誌オンライン版2026年5月28日号掲載の報告。

脳梗塞治療と心筋梗塞治療の類似性と相違(解説:後藤信哉氏)

今の若い世代の循環器内科医にとって、心筋梗塞に対する再灌流療法は冠動脈インターベンションであろう。1986年から循環器内科医をしている筆者は、心筋梗塞治療に血栓溶解療法が主流になりそうな時代があったことを知っている。血栓溶解療法には内因系のプラスミノーゲンをプラスミンに転換することにより、線溶効果を狙う。ヒトの身体はバランスが取れているので、線溶を亢進させれば、体内の血栓性も亢進する。血栓溶解療法には血小板、凝固系を阻害する抗血栓療法の併用が必須である。われわれは1980~90年代に多数の抗凝固薬、抗血小板薬の併用を試してきた。

肥満や食嗜好に関係する社会的要因は何か/日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会の第69回年次学術集会(会長:下村 伊一郎氏[大阪大学大学院医学系研究科 内分泌・代謝内科学 教授])が、5月21~23日の日程で、大阪国際会議場、リーガロイヤルホテル大阪をメイン会場に開催された。  今回の学術集会は「IMAGINE いのち輝く 糖尿病の医療・医学を共に目指して」をテーマに、41のシンポジウム、143の口演、ポスターセッション、会長特別企画による講演、特別企画「糖尿病とともに生活する人々の声をきく」などが開催された。

HSV脳炎後の自己免疫性脳炎に注意、2026年GLでフロー新設/日本神経学会

 2026年3月、『細菌性髄膜炎診療ガイドライン2014』と『単純ヘルペス脳炎診療ガイドライン2017』を統合した『細菌性髄膜炎・単純ヘルペス脳炎診療ガイドライン2026』(日本神経学会・日本神経感染症学会監修、南江堂)が発刊された。  5月20~23日に開催された第67回日本神経学会学術大会の生涯教育セミナーにおいて、本ガイドライン作成委員会委員長を務めた中嶋 秀人氏(日本大学医学部内科学系神経内科学分野 主任教授)が「細菌性髄膜炎・単純ヘルペス脳炎診療ガイドライン2026の改訂のポイント」と題して講演を行った。講演レポートとして、「細菌性髄膜炎」を取り上げた前編に続き、後編では「単純ヘルペス脳炎」、そしてガイドライン外の重要なトピックである「水痘・帯状疱疹ウイルス中枢神経感染症」について紹介する。

不眠の重症度は日本人の認知症リスクに影響するか?

 睡眠障害は、認知症発症の修正可能なリスク因子である可能性が示唆されている。しかし、不眠症と認知症との関連性は依然として明らかになっていない。神奈川県立保健福祉大学のAung Thet Oo氏らは、高齢者における不眠症の重症度が認知症発症を促進させるかどうかを検討するため、本研究を実施した。Archives of Gerontology and Geriatrics誌オンライン版2026年4月26日号の報告。  本研究は、山梨県都留市の地域住民を対象とした7年間の縦断研究として実施した。2016年1月に機能障害のない65歳以上のすべての住民を対象にベースライン調査を実施し、高齢者5,255人が回答を行った。

肥満治療のついでにアルコール使用障害も治せる時代が来る? セマグルチド第III相試験の衝撃(解説:永井聡氏)

肥満症や糖尿病治療の日常臨床では、アルコール使用障害(AUD)の患者にも多く遭遇する。“非”アルコール性である“代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)”では、GLP-1関連薬の効果が期待されている一方、アルコール関連肝疾患(ALD)では「お酒を控えて…」などの一言二言では、まず効果は期待できない。ALDの背景にあるAUDについて治療施設へ受診を勧めても受診が進まず、日常診療でもうまくいかないことが多い。しかし、セマグルチド投与により「自然と飲酒量が減った」「酒への強い欲求がなくなった」といった事例が報告され、セマグルチド1.0mgのAUDに対する第II相臨床試験(48例、9週間投与)では、アルコール消費量や飲酒に対する「飲酒渇望(craving)」が減少することが報告されていた。

AI診断支援とImplementation:TRICORDER試験(解説:香坂俊氏)

前回の稿では、外傷診療におけるImplementation Science(実装科学)という考え方を取り上げた。今回は、AI診断支援技術の実装を検証したTRICORDER試験についてご依頼をいただいたので、循環器診療の現場に引き寄せながら、少し考えてみたい。TRICORDER試験で扱われたのはAI聴診器である。心不全、心房細動、弁膜症といった循環器疾患を、日常診療の中で早く拾い上げるための支援技術として、非常に魅力的で、ある意味自然な発想である。しかし、この試験のintention-to-treat解析では、これらの疾患の新規診断は有意には増加せず、心不全診断の場も地域診療側へはシフトしなかった。