内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

日本におけるアルコール使用障害に対する薬物療法の開始率はどの程度か

 アルコール使用障害(AUD)は、世界的に広く認められる疾患である。しかし、薬物療法が行われている患者の割合は依然として低いままである。また、日本におけるAUDに対する薬物療法開始パターンは、これまで十分に解明されていなかった。京都大学の北村 美智氏らは、日本で新たにAUDと診断された患者における薬物療法開始の累積発生率を定量化し、評価を行った。Alcohol and Alcoholism誌2026年1月14日号の報告。  日本の保険請求データベースを用いて記述的研究を実施した。2012~21年度にかけて新たにAUDと診断された20~64歳の成人を対象とした年次コホートを作成した。薬物療法開始の累積発生率は、死亡を競合リスクとして、推定した。

膵臓内脂肪沈着に予防効果があるのは食事かリラグルチドか

 肥満症について、カロリー制限食(CRD)の食事療法とリラグルチドによる薬物療法では、脂肪関連指標の変化に違いはあるのだろうか。このテーマに対し中国の南京医科大学附属無錫人民病院内分泌科のHaiyan Cheng氏らの研究グループは、肥満者におけるCRDとリラグルチドの膵内脂肪沈着への影響を比較し、脂肪関連指標と血糖関連パラメータの変化との関連性を探った。その結果、両療法ともに膵脂肪率(PFF)を改善することが判明した。この結果はObesity誌2026年オンライン版2月24日号で公開された。

130mmol/L未満の低Na血症、積極補正vs.標準ケア

 入院患者の低ナトリウム(Na)血症は、転倒や認知機能障害、死亡のリスク上昇と関連することが知られている。しかし、Na値の補正による臨床アウトカムの改善効果は不明である。そこで、Julie Refardt氏(スイス・バーゼル大学病院/オランダ・エラスムス医療センター)らの研究グループは、Na値の積極的な補正が30日以内の死亡または再入院に及ぼす影響を検討することを目的として、多施設共同無作為化比較試験「HIT試験」を実施した。その結果、慢性低Na血症を有する患者に対し、標的介入による積極的な補正を行っても、標準ケアと比較してリスクは低下しなかった。本研究結果は、NEJM Evidence誌2026年3月号に掲載された。

未破裂脳動脈瘤のある健康な人、全死亡リスクが5倍に

 MRIの普及に伴い、症状のない未破裂脳動脈瘤(UIA)が偶然発見される機会が増加している。しかし、偶然発見されたUIAを持つ人の長期的な死亡率や死因については、これまで十分に解明されていなかった。佐賀大学の緒方 敦之氏らが実施した、脳ドック受診者を対象とした前向きコホート研究「The Kashima Scan Study」の結果、偶然UIAが発見された健康な人は、UIAがない人と比較して全死亡リスクが約5倍高く、その主な死因は動脈瘤の破裂ではなく悪性腫瘍であることが判明した。Stroke and Vascular Neurology誌オンライン版2026年2月24日号に掲載。  本研究では、2005年12月~2011年11月に脳ドックを自費で受診した神経学的に健康な成人1,670例(平均年齢57.7歳[範囲23~84]、男性47.5%)を対象とした。平均追跡期間8.7年(SD 2.3)において、MRAで診断されたUIAの有無と死亡率の関連性を、年齢、性別、高血圧、糖尿病、喫煙習慣などの要因を調整したCox比例ハザードモデルを用いて評価した。

80歳以上の夜間高血圧、心血管リスクが2倍~日本の前向き研究

 夜間血圧は、診療室血圧や昼間の血圧よりも健康アウトカムの予測因子として優れているが、超高齢患者における夜間高血圧の臨床的意義はわかっていない。今回、自治医科大学の藤原 健史氏らが実施した80歳以上を対象とした前向き観察研究の結果、夜間高血圧群は夜間正常血圧群に比べて複合心血管アウトカムのリスクが2.15倍と高いことが示された。Hypertension誌2026年3月号に掲載。  本研究は80歳以上の日本人高齢外来患者を対象とした前向き観察研究で、全患者にベースライン時に24時間自由行動下血圧測定を実施した。

入れたてのお茶には多くの健康サポート効果がある可能性

 緑茶を毎日摂取する習慣のある人は、気付かないうちに健康増進効果を得ている可能性のあることが報告された。中国農業科学院茶葉研究所のMingchuan Yang氏らの研究によるもので、詳細は「Beverage Plant Research」2025年発行号に掲載された。これまでの研究報告を総括した分析の結果、お茶、特に緑茶が肥満や糖尿病、心臓病、および一部のがんのリスクを抑制することが示唆されたという。さらに、脳の機能を保護したり高齢者の筋肉の減少を遅らせたり、炎症を抑制する作用もあると考えられるとのことだ。

身体活動や座位時間の小さな変化による死亡に対する効果を検討(解説:名郷 直樹 氏)-2088

中等度から激しい強度の運動を5分、10分増やし、座位での活動を30分、60分減らしたときの死亡に対する効果を、活動度の低い下位20%の集団(ハイリスクアプローチ)と、活動度の高い上位20%を除いた80%の集団(ポピュレーションアプローチ)で、米国、スウェーデン、ノルウェー、英国のコホート研究のメタ分析により検討した論文である。またこのメタ分析は、各研究の結果を統合するのではなく、個々のデータを統合し解析している点で、メタ分析というより1つの巨大なコホート研究という側面がある。結果は、追加された英国のコホートとそれを除く7つのコホートで別々に解析されている。後者では、中等度から強度の強い活動を1日5分増やすと、死亡リスクがハイリスクアプローチで6%(95%信頼区間:4.3~7.4)、ポピュレーションアプローチで10%(6.3~13.4)低下し、10分の増加ではそれぞれ8.8%、14.9%低下している。また座位での活動を1日30分減らすと、死亡リスクがハイリスクアプローチで3%(2.0~4.1)、ポピュレーションアプローチで7.3%(4.8~9.6)低下、60分の減少ではそれぞれ5.5%、12.6%低下と報告されている。追加された英国のコホートでも、効果量は小さいものの同様な結果である。

慢性片頭痛に対する抗CGRP抗体とCGRP受容体拮抗薬併用療法の有用性は?

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)をターゲットとした単独療法を受けている患者は、片頭痛症状への治療反応が遅延する場合がある。また、このような治療を受けている患者は、妥当な期間内に片頭痛症状の軽減がみられないこともある。一部の臨床医は、相乗効果を高めることを目的として、CGRP分子および受容体を標的とする低分子拮抗薬(SMA)とリガンドモノクローナル抗体(L-mAb)の併用療法を選択している。米国・ハワイ大学のHo Hyun Lee氏らは、相乗効果のあるSMAとL-mAbの併用療法を受けている患者におけるCGRP併用療法の安全性と有効性を、CGRP単独療法と比較するため、実臨床におけるレトロスペクティブレビューを実施した。Pain Physician誌2026年1月号の報告。

男性の性機能障害、3つのリスク因子とは/順大

 不妊治療開始前の新婚または結婚予定男性の約5人に1人が性機能障害を有することが、日本の単施設研究で明らかになった。順天堂大学医学部附属浦安病院の谷口 歩氏らによる研究成果は、Reproductive Medicine and Biology誌2026年1月号に掲載された。  本研究は、新婚男性または結婚予定男性の性機能の現状を把握することを目的とした横断研究であり、2014年10月~2018年6月に順天堂大学医学部附属浦安病院および関連クリニックで各種不妊検査を受けた男性719例を対象とした。患者を直接面接し、性機能を評価した。

「肥満症のただしいミカタ川柳」入選作発表/リリー・田辺

 日本イーライリリーと田辺ファーマは、「肥満と肥満症の見方を変え、味方になろう!」を合言葉にマイナビとのコラボレーションで2025年に募集を開始した「肥満症のただしいミカタ川柳」について、3月4日の「世界肥満デー」を前に入選した8作品を発表した。  わが国の肥満人口は2,800万人と推定されている。その中でも「肥満症」は、肥満(BMI25以上)があり、かつ肥満に起因ないし関連する健康障害(合併症)を1つ以上有するか、あるいは内臓脂肪蓄積がある場合など関連健康障害の合併が予測され、医学的に減量を必要とする病態と定義されている。治療では、食事療法、運動療法、薬物療法が行われている。その目的は、減量そのものではなく、減量により肥満に関連する健康障害を改善することにあり、合併症の予防や改善を目的としている。