内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

チルゼパチドで減量後の体重維持、継続vs.減量vs.中止/Lancet

 米国・University of Texas McGovern Medical SchoolのDeborah B. Horn氏らは、「SURMOUNT-MAINTAIN試験」の結果から、肥満の成人において減量後にチルゼパチド最大耐量(MTD)を継続投与することにより、体重減少および健康関連指標の改善が維持されることを示した。著者は、「チルゼパチド5mgへの減量は投与中止に代わる有用な選択肢となりうるが、治療反応にはばらつきがある可能性が示唆された。これらの知見は、長期的な肥満管理において継続的な治療が重要であることを裏付けるとともに、患者中心の個別化された肥満治療を行う根拠となるだろう」と述べている。Lancet誌オンライン版2026年5月12日号掲載の報告。

抗うつ薬治療期間と心臓突然死リスク

 抗うつ薬は、世界で最も使用されている薬剤の1つである。これまでの研究において、抗うつ薬の使用と心血管系有害事象との関連が示唆されている。しかし、抗うつ薬の治療期間や治療開始時期が心臓突然死リスクに及ぼす影響は明らかになっておらず、臨床的なリスク層別化ができていなかった。デンマーク・コペンハーゲン大学病院のJasmin Mujkanovic氏らは、抗うつ薬治療の累積期間と開始時期が心臓突然死リスクと関連しているかどうか、また、その関連性が薬剤クラスによって異なるかどうかを調査するため本研究を実施した。Heart Rhythm誌オンライン版2026年3月12日号の報告。

タブネオスの肝機能障害にブルーレター発出/厚労省

 2026年5月21日、厚生労働省は選択的C5a受容体拮抗薬アバコパン(商品名:タブネオスカプセル10mg)について、添付文書の「警告」を新設し、「重要な基本的注意」などを改訂するとともに、「安全性速報(ブルーレター)」により医療関係者などに対して速やかに注意喚起を行うようキッセイ薬品工業に対し指示した。  アバコパンは顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症に対する治療薬で、承認申請時に提出された臨床試験成績を踏まえ、2021年9月の承認当初から、添付文書において重大な副作用として肝機能障害に関する注意喚起がなされていた。

日本人の頭蓋骨は100年で変化したか/東大

 100年という期間で日本人の頭蓋などに変化は起こるであろうか。このテーマについて、東京大学大学院理学系研究科生物科学の臼井 詩織氏らの研究グループは、112例の頭蓋骨をCTスキャンデータで比較し、検討した。その結果、現在の日本人は短頭化し、乳様突起の肥大化など、100年前と比べ長期的変化があることが明らかになった。American Journal of Biological Anthropology誌2026年4月号に掲載。  研究グループは、約100年前の歴史的日本人と現代の日本人集団の頭蓋形状の3次元的な変容の詳細について、幾何学的形態測定学的解析を行った。

COVID-19患者の同居家族、エンシトレルビルで発症予防/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状発現後72時間以内に、患者の同居家族に対してエンシトレルビルを投与することにより、接触者のCOVID-19発症を抑制できることが示された。米国・バージニア大学のFrederick G. Hayden氏らSCORPIO-PEP(Stopping Covid-19 Progression with Early Protease Inhibitor Treatment for Post-Exposure Prophylaxis) Study Teamが、日本を含む5ヵ国共同で行われた無作為化二重盲検プラセボ対照試験「第III相SCORPIO-PEP試験」の結果を報告した。エンシトレルビルは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)3CLプロテアーゼの経口阻害薬であり、本邦においては軽症~中等症COVID-19の治療薬として承認されている。

MCIからアルツハイマー病への進行率は? スクリーニングツールの精度は?

 軽度認知障害(MCI)は、正常な脳老化と病的な脳老化の中間段階であり、30~50%が3~5年以内に認知症へと進行するといわれている。進行リスクの高い患者を早期に特定することは、公衆衛生戦略においてきわめて重要である。イタリア・Italian National Institute of HealthのFlavia L. Lombardo氏らは、MCIからアルツハイマー病への進行リスクを評価した。Alzheimer's & Dementia誌2026年4月号の報告。  MCI患者398例を対象に、INTERCEPTORプロジェクトを実施した。社会人口統計学的、臨床的、神経心理学的、遺伝学的(アポリポタンパク質E)、脳脊髄液(アミロイドβ、タウ)、脳波(脳接続性)、MRI(海馬体積測定)、FDG-PETについて、統一された手順を用いて、ベースライン評価を行った。

糖尿病患者の下痢・便秘に有効なビフィズス菌の種類は?

 2型糖尿病患者の下痢・便秘といった消化器症状にプロバイオティクスであるビフィドバクテリウム・ビフィダムG9-1(BBG9-1)が有効であることをマキノ病院の小林 玄樹氏らが明らかにした。Diabetes, Obesity and Metabolism誌オンライン版2026年4月22日号掲載の報告。  研究者らは、下痢または便秘を伴う2型糖尿病患者100例を対象に12週間の非盲検ランダム化比較試験を実施。対照群またはBBG9-1群に1対1に無作為に割り付け、BBG9-1群にはビフィズス菌を1日12mg投与した。主要評価項目は全解析対象者(BBG9-1群43例、対照群51例)の消化器症状評価尺度(Gastrointestinal Symptom Rating Scale:GSRS)の変化。

眼底写真を基にした「網膜年齢」が健康状態を知る手がかりに?

 目は心の窓であるだけでなく、その人の健康状態を映し出す窓でもある――そんな研究結果が発表された。この研究によると、網膜の早期老化は、糖尿病や心疾患といった重大な病気の兆候となる可能性があるという。東北大学大学院医学系研究科眼科学分野教授の中澤徹氏らによるこの研究結果は、「Communications Medicine」に4月8日掲載された。  網膜は、眼球の奥にある光を感知する細胞層である。研究グループによると、網膜は血管や神経の状態を非侵襲的に観察できる部位であることから、眼の画像データを解析して全身の健康状態や疾患リスクを読み解く「オキュロミクス」と呼ばれる新たな研究領域が注目を集めている。

過剰な塩分摂取は男性の記憶力を低下させる?

 ソルトシェーカー(塩入れ)に手を伸ばすことは、記憶力や脳の健康に長期的な影響を与えるかもしれない。新たな研究で、ナトリウムの摂取量が多いことは、過去の個人的な経験や特定の出来事についての記憶である「エピソード記憶」に悪影響を及ぼす可能性があることが明らかになった。こうした影響を受けやすいのは主に男性であり、女性では同様の関連は認められなかったという。エディス・コーワン大学(オーストラリア)のSamantha Gardener氏らによるこの研究の詳細は、「Neurobiology of Aging」6月号に掲載された。

T2D合併肥満患者、セマグルチドvs.減量手術

 糖尿病(T2D)と肥満を合併する患者が多いことはよく知られている。こうした患者では、肥満治療薬と減量手術のどちらを利用し、その医療費、臨床転帰はどのようになるだろう。このテーマについて、米国のニューヨーク大学グロスマン医学部公衆衛生学科のKaran R. Chhabra氏らの研究グループは、T2Dと肥満を合併する患者におけるセマグルチドと減量手術の費用と臨床転帰の比較を検討した。その結果、減量手術は3年間の自己負担額が少なく、総医療費は同程度であり、長期的な主要心血管イベント(MACE)発生率も低いことが示された。Obesity誌オンライン版2026年5月6日に掲載。