内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

中高年のp-tau217値、認知機能低下を予測/JAMA

 米国・Mass General BrighamのRachel F. Buckley氏らは、6件の長期追跡研究に参加した認知機能が正常な中高年のデータを統合し、血漿中リン酸化タウ217(p-tau217)値の増加が、認知機能障害への進行リスクおよび認知機能の低下速度と関連していることを明らかにした。アルツハイマー病(AD)の血液バイオマーカー、とくに血漿p-tau217値は、認知機能が正常な人のAD初期の脳病理を正確に反映することから、認知機能障害への進行リスクとの関連について検証が求められていた。著者は、「今回の結果は、認知機能が正常な高齢者における予後予測モデルの開発、および認知機能低下の長期リスクの推定においてp-tau217が有用であることを支持するものであり、AD治療薬の臨床試験の設計に示唆を与えるものであった。

カフェインは頭痛を誘発するのか、軽減するのか

 カフェインは、鎮痛作用と頭痛の誘因となる可能性という二面性を有している。エジプト・Beni-Suef UniversityのMona Hussein氏らは、この二面性に焦点を当て、カフェインと頭痛との多面的な関係を検証し、さらにカフェインの鎮痛作用の根底にあるメカニズムを明らかにするため、ナラティブレビューを実施した。Brain and Behavior誌2026年6月号の報告。  本ナラティブレビューでは、カフェインの薬理作用、アデノシン受容体調節への関与、さまざまな頭痛タイプ(片頭痛、睡眠時頭痛、硬膜穿刺後頭痛[PDPH]、薬剤の使用過多による頭痛[MOH]、カフェイン離脱性頭痛など)への影響に関する実験的、臨床的、疫学的な研究のエビデンスを統合し、検討を行った。

BMI高値者の肥満症診断は十分か?

 肥満症診断の有無は、BMI高値の人の疾患リスクと関連しているのだろうか。このテーマについて、米国・テキサス大学マクガバン医科大学内科・外科学部肥満医学・代謝機能センターのDeborah B.Horn氏らの研究グループは、CALOR研究において民間のデータベースを使い、BMI基準で肥満に該当する人を診断記録の有無で層別化し、解析した。その結果、日米ともにBMI高値の人では、肥満症診断が十分ではなく、関連疾患の有病率が高いことがわかった。この結果はObesity誌オンライン版2026年7月18日号に掲載された。

夜間頻尿の背景に“夜間多尿”――排尿日誌データから見えた加齢の影響

 夜間頻尿は高齢者に多い症状であり、その背景には膀胱機能低下だけでなく夜間多尿など尿量分布の変化が関与すると考えられている。今回、日本の17施設で夜間頻尿患者875例を対象に、排尿日誌を用いて夜間多尿の実態が解析された。その結果、夜間多尿の割合は加齢とともに増加し、特に80歳以上で顕著であった。夜間頻尿は年齢や尿量分布など複数の要因が関与する多因子性の病態と考えられた。研究は、岐阜大学大学院医学系研究科泌尿器科の川瀬紘太氏、古家琢也氏らによるもので、詳細は6月12日付の「Neurourology and Urodynamics」に掲載された。

AD診断のAβPET、センチロイドの適正なカットオフ値は/JAMA

 アミロイド陽電子放出断層撮影(PET)は、アルツハイマー病(AD)の神経病理学的指標であるアミロイドβ(Aβ)の脳内沈着の測定法であり、研究および臨床の現場で広く用いられている。センチロイド(Centiloid)尺度は、AβPET画像の視覚的読影に有益とされる客観的かつ標準化された指標であり、臨床での使用に有望と考えられている。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のGanna Blazhenets氏らMeta-Centiloid研究グループは、AD診断におけるAβPETの信頼性の高い陽性判定の基準となるセンチロイドのカットオフ値を確定する目的で検討を行った。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年7月13日号に掲載された。

PSSA菌血症治療の常識は変わるか?(解説:栗原宏氏)

現在のPSSA(Penicillin-Susceptible Staphylococcus aureus)を取り巻く環境は10年前とはかなり変化している。欧米を中心に、かつては稀とされていたPSSAの割合が再増加傾向であることが本研究の背景となっている。PSSAであれば、治療としてペニシリンGは、最も狭域で抗菌活性が高く、内服アモキシシリンへの移行が容易、腎障害・肝障害・静脈炎が少ない可能性があるなど利点が多い。その一方で、低レベルペニシリナーゼ産生菌がPSSAと誤判定されていた場合の治療失敗リスクを踏まえて、抗ブドウ球菌ペニシリン系薬が第一選択とされていた。本研究はPSSAに対して「念のために抗ブドウ球菌ペニシリンを使う」という従来の治療戦略に再考を促す結果となった点で意義が大きい。

加糖飲料によるうつ病リスク、そのメカニズムは?

 うつ病は、世界的な精神的・身体的障害の主要な原因となっており、その発症や進行は、食事、心理、生物学的要因の複雑な相互作用により影響を受けることが報告されている。近年の研究により、加糖飲料(SSB)の摂取とうつ病リスクとの関連が示唆されているものの、この関連の根底にある生物学的メカニズムについては、依然として十分に解明されていない。中国・吉林大学のZhirong Li氏らは、SSBの摂取とうつ病発症との関連を評価するため、UKバイオバンクのデータを用いた検討を行った。Nutrition Journal誌オンライン版2026年6月20日号の報告。

死亡リスクが最も低い気温は?死因・年齢別に検討〜日本含む39ヵ国の研究

 気温と死亡率の関係は、U字型またはJ字型を描くことが多くの研究で報告されている。気温と死亡率の関連を示す重要な指標に、死亡リスクが最も低くなる温度(minimum mortality temperature:MMT)があるが、年齢や死因による違いについてはこれまで十分に解明されていなかった。今回、日本を含む39ヵ国を対象とした国際的な観察研究の結果、心血管疾患による死亡のMMTは呼吸器疾患などほかの死因よりも高く、さらに年齢が上がるにつれてMMTが上昇することが示された。韓国・Korea Advanced Institute of Science and TechnologyのSeunghyun Eom氏らが、Environmental Research誌2026年6月号に報告。

リラグルチドの胃排出遅延は食欲抑制に直接影響せず

 GLP-1受容体作動薬の作用として胃排出遅延と食欲抑制は知られているが、両者に関連性はあるのだろうか。このテーマに関して、米国・モネル化学感覚研究所のMark I. Friedman氏らの研究グループは、リラグルチド投与群の症例の胃排出と満腹感の測定値およびエネルギー摂取量との相関関係を検討した。その結果、胃排出遅延は、リラグルチドの食欲抑制作用において直接的な役割をほとんど果たしていないことが示唆された。この結果はObesity誌オンライン版2026年7月2日号で公開された。

ビタミンA高値は喘息患者の良好な肺機能と関連

 ビタミンAは、喘息を有する人の肺機能の改善に役立つ可能性がある。ビタミンAおよびビタミンDの肺機能に対する影響を検討した新たな研究で、血液中のビタミンA濃度が高いことは、喘息を有する小児と成人の双方において良好な肺機能と関連することが示された。一方、ビタミンDについては、効果が見られたのは成人の喘息患者のみであった。米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のMichael McGeachie氏らによるこの研究結果は、「Thorax」に6月30日掲載された。  ビタミンAおよびDは遺伝子発現を調節し、肺の発達に影響すると考えられている。喘息患者ではビタミンA欠乏症が多く見られ、これは気道の過敏性と関連していることが報告されている。