内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

MSSA菌血症、セファゾリンは抗ブドウ球菌ペニシリンに非劣性/NEJM

 メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)菌血症患者において、90日死亡率に関して抗ブドウ球菌ペニシリン(flucloxacillinまたはクロキサシリン)に対するセファゾリンの非劣性が認められ、急性腎障害の発生率はセファゾリンで低かった。カナダ・マギル大学のTodd C. Lee氏らStaphylococcus aureus Network Adaptive Platform(SNAP)Trial Groupが、多施設共同無作為化非盲検非劣性試験「SNAP試験」の結果を報告した。黄色ブドウ球菌菌血症は死亡率が高い。MSSA菌血症の治療において、セファゾリンと抗ブドウ球菌ペニシリンのどちらが望ましいかは明らかになっていなかった。NEJM誌2026年6月18日号掲載の報告。

アイトラッキング式認知機能評価プログラム「ミレボ」の実臨床における有用性評価

 認知症の早期発見やスクリーニングにおいて、多忙な日常診療のなかで効率的かつ客観的に実施できる評価ツールの開発が望まれている。2025年、アイトラッキング技術を用いた神経心理検査用プログラム「ミレボ」が、初の保険適用を有する認知症領域のプログラム医療機器(SaMD)として日本国内で承認された。川崎医科大学高齢者医療センターの和田 健二氏らは、同センターのもの忘れ外来を受診した患者を対象に、ミレボと従来の標準的な神経心理検査であるミニメンタルステート検査(MMSE)および改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)のスコアとの関連性および認知症診断精度を評価するため、本研究を実施した。Neurology and Clinical Neuroscience誌2026年5月号の報告。

日本人の心筋梗塞と大動脈解離、5年生存の違いは?

 急性心筋梗塞(AMI)と急性大動脈解離(AAD)は、いずれも死亡リスクの高い循環器疾患であるが、同一地域の集団で両疾患の長期予後を直接比較した研究は限られている。そこで、澤山 裕一氏(滋賀医科大学)らの研究グループは、滋賀脳卒中・循環器病登録研究のデータを用いて、AMIとAADの死亡率を比較した。その結果、AAD患者ではAMI患者より5年死亡率および心血管死亡率が高かった。しかし、この差は主として発症早期の死亡によるものであり、発症後30日生存した患者集団の比較において、心血管死亡リスクには差が認められなかった。本研究結果は、European Heart Journal Open誌2026年5月30日号に掲載された。

非DM肥満/過体重への経口GLP-1薬elecoglipron、最大10.5%の減量効果/Lancet

 非糖尿病の肥満/過体重の成人において、elecoglipron(AZD5004)の1日1回経口投与は臨床的に意義のある体重減少を示し、安全性プロファイルはGLP-1受容体作動薬クラスの既知の報告に合致することが確認された。英国・レスター大学のMelanie J. Davies氏らが、日本を含む7ヵ国で実施された第II相の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照用量設定試験「VISTA試験」の結果を報告した。elecoglipronは、食事や水分摂取の制限なしに1日1回経口投与可能な低分子GLP-1受容体作動薬で、これまで2型糖尿病を有する肥満/過体重の患者の体重管理を目的として開発が進められてもいる。

病名や薬物治療手順を一部変更、「蕁麻疹診療ガイドライン」改訂/日本皮膚科学会

 国際ガイドラインの改訂や病態解明の進展、新たな生物学的製剤の登場などを背景に、8年ぶりの改訂版となる「蕁麻疹診療ガイドライン2026(第4版)」が2026年4月に公開された。病型分類および病名の一部変更や治療アルゴリズムのアップデートが行われた今回の改訂について、ガイドライン策定委員会の委員長を務めた福永 淳氏(大阪医科薬科大学)が第125回日本皮膚科学会総会で講演した。  蕁麻疹の病型について、特発性の蕁麻疹、刺激誘発型の蕁麻疹、血管性浮腫、蕁麻疹関連疾患という4つの大分類に変更はないが、その下の分類や病名がいくつか変更された。

腎デナベーションの国内治療成績と期待されること/メドトロニック

昨夏に発刊された『高血圧管理・治療ガイドライン2025』での治療に関するClinical Question*に対し、作成委員の合意率100%のもとで盛り込まれた腎デナベーション。2026年2月には『腎デナベーションシステムの適正使用指針』が各関連学会を通じて公表され、翌3月にはその治療システムが国内初の保険適用を取得、2社より同時発売された**。高血圧症治療における唯一の侵襲的治療であることからも、現時点での実施可能施設や施行可能医師は限定的であるが、治療の個別最適化が求められる今、このシステムがどのように活用されていくべきなのだろう―。

睡眠時無呼吸症候群治療薬、臨床試験で症状改善を確認

 睡眠時無呼吸症候群(OSA)の治療法の一つであるCPAP(持続陽圧呼吸療法)を忍容できない患者では、毎晩1回服用する錠剤がCPAPに代わる治療法となり得ることが、第3相臨床試験で示された。実験的治療薬AD109(aroxybutynin/atomoxetine)は、上気道筋の弛緩を抑制する作用を有する。臨床試験では、この薬を服用した患者で、睡眠1時間当たりの無呼吸と低呼吸の合計数(無呼吸低呼吸指数〔AHI〕)が約44%低下したという。米ピッツバーグ大学医療センターの睡眠医療専門医であるPatrick John Strollo氏らによるこの研究結果は、「American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine」に5月18日掲載された。

認知症の疾患概念を考え直す(解説:岡村毅氏)

アルツハイマー型認知症が「アミロイドの蓄積⇒タウの蓄積⇒神経変性⇒軽度認知障害の顕在化⇒認知症の顕在化」という一連の流れであることがわかってきた。かつては「もの忘れで受診したときには、すでに遅いのである」「アミロイドやタウの病理は完成しているから介入できない」とされていた。しかし、脳画像検査や血液検査の進歩によって、本人にはもの忘れ等の自覚がない時期に、脳内の変化が検出できるようになってきている。神経学者たちは、より早く見つけ、より早く介入しようとしているのである。本論文はまさにその最先端である。

セマグルチドがMASH適応を取得、国内初の治療薬に/ノボ

 2026年6月19日、ノボ ノルディスク ファーマは同社のGLP-1受容体作動薬セマグルチド(ウゴービ)が、肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎(metabolic dysfunction-associated steatohepatitis:MASH)のうち、中等度または高度の肝線維化を有する患者を対象とした効能・効果の追加承認を取得したことを発表した。これにより同薬は日本で初めて承認されたMASH治療薬となる。  MASHは、従来「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」として知られていた疾患概念を発展させたもので、代謝異常を背景として肝細胞障害や炎症、線維化が進行する慢性肝疾患である。

パーキンソン病へのiPS細胞由来「ラグネプロセル」薬価収載、最適使用推進ガイドライン発出

 パーキンソン病に対する再生医療等製品「ラグネプロセル(商品名:アムシェプリ)」について、住友ファーマが日本における製造販売承認(条件及び期限付承認)を2026年3月6日に取得し、5月20日に薬価収載された。本品の使用に当たっては、厚生労働省より5月19日に「最適使用推進ガイドライン」が発出された。  ラグネプロセルは、世界初となる日本発のiPS細胞由来製品で、京都大学iPS細胞研究財団が提供するiPS細胞ストックを原材料とした、「非自己(他家)iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞」を有効成分とする再生医療等製品に分類される。