内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

ナッツで認知症は予防可能か?

 ナッツは、さまざまな健康上のベネフィットと関連付けられている。しかし、認知症との関連をめぐるエビデンスは、いまだ結論が出ていない。中国・浙江大学のMengjia Zhao氏らは、3つのプロスペクティブコホート研究を対象に、ナッツ摂取と認知症の長期リスクとの関連を検討することを目的に、本研究を実施した。Nutrients誌2026年5月28日号の報告。「Health and Retirement Study(HRS:2013~20年)」、「Framingham Offspring Study(FOS:1998~2018年)」、「Whitehall II Study(WHII:2002~16年)」のデータを用い、ベースライン時点で認知症でなかった45歳以上の成人を対象に解析を実施した。木の実およびピーナッツを含むナッツの摂取量の評価には、妥当性が確認された食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いた。HRSではベースライン時に1回、FOSおよびWHIIでは複数回の調査を通じ、繰り返し評価が行われた。すべての原因による認知症の発症は、HRSでは妥当性が確認されたアルゴリズム、FOSでは専門家パネルによる判定、WHIIでは医療記録との照合によって特定された。ナッツ摂取と認知症発症との関連について、コホートごとにCox比例ハザードモデルを用いて推定を行ったうえで、それらの結果をプールした。

日中の過度の眠気と入眠潜時延長、高血圧リスクの警告サインか

 日中に過度の眠気(excessive daytime sleepiness;EDS)を感じることは、高血圧の警告サインである可能性があり、特に入眠に時間を要する場合はその可能性が高まる——そんな研究結果が、米ペンシルベニア州立大学医学部の研究グループにより報告された。EDSを有する成人は、高血圧を有しているか、将来的に高血圧を発症するリスクが高いことが示されたという。この研究は、米国睡眠医学会(AASM)および睡眠研究学会(Sleep Research Society)が共同で設立した米国睡眠関連学会連合(APSS)の年次総会(SLEEP 2026、7月14〜17日、米ボルチモア)で発表予定であり、要旨が「Sleep」5月増刊号1に掲載された。

加糖飲料の摂取は肝細胞がん・肝内胆管がんのリスク増加と関連

11件の長期追跡研究に参加した150万人以上の成人の食事データを解析した研究で、加糖飲料の日常的な摂取は肝細胞がん(HCC)および肝内胆管がん(ICC)のリスク増加と関連することが示された。米国立がん研究所(NCI)のCody Watling氏らによるこの研究結果は、「JAMA Network Open」に6月10日掲載された。  肝がんは世界で3番目に多いがん死亡の原因である。肝がんの主な組織型で最も多いのはHCCで、肝がん全体の75〜85%を占めている。研究の背景情報によると、HCCの主なリスク因子には、B型肝炎ウイルス(HBV)またはC型肝炎ウイルス(HCV)の慢性感染、過度の飲酒、喫煙、アフラトキシン類汚染食品の摂取、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)、糖尿病、肥満などの代謝性疾患が含まれるが、HCCの35%は既知のリスク因子では説明できないという。

飲酒するとうま味のあるスナックが食べたくなるのはなぜ?

 飲酒をすると、ポテトチップスやナッツ類、フライドポテト、ピザなどのうま味のある食品を食べたくなることがあるが、それには生物学的な理由があるようだ。新たな研究で、アルコール摂取により誘導されると考えられているホルモンのFGF21(線維芽細胞増殖因子21)を介してうま味への選好が高まり、食事内容が変化する可能性が示された。研究グループは、うま味の強い超加工食品が豊富な食環境では、この作用が過食につながる可能性があると見ている。シドニー大学(オーストラリア)チャールズ・パーキンス・センターのAmanda Grech氏らによるこの研究は、「Obesity Reviews」に5月19日掲載された。

禁煙成功には“自信”が重要?働く世代対象の禁煙支援研究

 禁煙支援では、ニコチン依存の強さが禁煙成功に影響するとされているが、本人の「禁煙できる」という自信も重要かもしれない。今回、日本の企業向け禁煙プログラム参加者を対象とした研究で、禁煙への自信の高さが、加熱式たばこ利用者を含め禁煙成功と関連する可能性が示された。研究は北里大学大学院医療系研究科の吉原翔太氏らによるもので、詳細は5月19日付の「Journal of Medical Internet Research(JMIR)」に掲載された。  スマートフォンアプリやニコチンガム・パッチを用いた禁煙支援が広がる中、禁煙成功に関わる要因への関心が高まっている。

日光浴は精神神経疾患の予防に有効か?

 生態学的研究により、日光が精神疾患の発症に及ぼす影響が明らかにされてきた。しかし、個人レベルの日光曝露と精神疾患の進行への影響に関するエビデンスは限られている。中国・華中科技大学のXiaodie Li氏らは、日光曝露と精神疾患との関連を明らかにするため、プロスペクティブコホート研究を実施した。Public Health誌オンライン版2026年5月29日号の報告。  英国バイオバンクのデータベースより、データを取得した。日光曝露に関するデータは、自己申告による質問票から聴取した。日光曝露と初回精神疾患発症、精神疾患の多疾患併存、すべての原因による死亡との関連性を検討するため、制限付き3次スプラインおよびCox比例ハザードモデルを用いた。多状態モデルを用いて、日光曝露が精神疾患の経過に及ぼす影響を検討した。最後に、これらの関連性について季節的および性別による違いを評価した。

便秘や下痢は大腸がんの危険因子なのか

 大腸がんの危険因子として慢性便秘や下痢などの排便習慣の異常が提唱されているが、大規模な前向き研究やメタアナリシスでは便秘・下痢と大腸がんの明確な因果関係は確認されていない。今回、ドイツ・University Hospital of the Ruhr University BochumのErnst W. Kolbe氏らがリアルワールドのプライマリケアデータを用いた大規模傾向スコアマッチング症例対照研究を実施した結果、大腸がんの診断直前の数ヵ月間においてのみ、便秘と下痢がその後の大腸がん診断と関連しており、因果関係というより逆因果関係が示唆された。BMJ Open Gastroenterology誌2026年7月6日号に掲載。

高齢肥満者の肥満関連リスク減少、日本含む7ヵ国データを解析/Lancet

 肥満および高血圧、脂質異常症に対して有効な治療法が存在するようになり、先進国の肥満高齢者は降圧薬や脂質低下薬の使用率が高くなっている。その恩恵を受けて肥満関連リスクが低下していると考えられるが、若年の肥満成人の心血管代謝リスクは依然として高いままであった。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのMajid Ezzati氏らNCD Risk Factor Collaboration(NCD-RisC)が行った、日本を含む7ヵ国・110の健康サーベイのデータ解析の結果で示された。著者は、「長期的な心血管疾患およびその他の合併症を予防するため、公衆衛生・医療システムプログラムでは、これら若年層を対象とした早期の生活習慣への介入、スクリーニング、および適切な場合は薬物療法による介入を実施すべきである」と述べている。Lancet誌オンライン版2026年7月1日号掲載の報告。

PPI、P-CABなどに「低マグネシウム血症」の重大な副作用追加/厚労省

 2026年7月14日、厚生労働省より添付文書の改訂指示が発出され、PPIやP-CABなどの消化性潰瘍治療薬の「重大な副作用」および「重要な基本的注意」の項に、「低マグネシウム血症」に関する注意が追加された。  各製剤における低マグネシウム血症関連事象を評価した結果、PPI含有製剤と低マグネシウム血症との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断された。ただし、PPI単剤で因果関係の否定できない症例が複数確認できるため、一部のパック剤および配合剤についての集積状況は確認されていない。

感染症は認知症リスク上昇と関連しているのか

 感染症が認知症リスクに及ぼす影響については、生物学的加齢の加速による影響との比較において、どの程度なのかは明らかではない。中国・北京大学のRuoxi Ding氏らは、感染症と認知症の関連性を評価し、生物学的加齢の加速が感染症と認知症リスクの関係を修飾するかどうかを検討した。Brain, Behavior, and Immunity誌2026年10月号の報告。  2006~10年の英国バイオバンク・コホートデータより抽出された37~73歳の参加者33万9,463例を対象とし、プロスペクティブ研究を実施した。入院治療を受けた感染症と認知症の既往は、医療記録統計およびスコットランド疾病記録との連結によって特定した。