内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

6種類のSSRIの安全性プロファイル比較

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、現在のうつ病の薬物治療において中心的な薬剤であるが、実臨床における安全性プロファイルの比較に関しては、依然として情報が不足している。エビデンス不足は、臨床の意思決定や患者アウトカムに深刻な影響を及ぼす。中国・Bayer PharmaceuticalsのAdrian Chin Yan Chan氏らは、主要な6つのSSRIに関する安全性を分析するため、グローバルファーマコビジランス分析を実施した。Cureus誌2025年12月8日号の報告。  WHOの個別症例安全性報告データベースであるVigiBaseを用いて、主要な6つのSSRI(セルトラリン、fluoxetine、パロキセチン、citalopram、エスシタロプラム、フルボキサミン)に関する34万2,000件超の報告を含む包括的なファーマコビジランス分析を実施した。

食事からの重金属摂取は2型糖尿病の発症因子か/国立環境研

 糖尿病の発症には、遺伝、環境、生活習慣因子などさまざまな原因がある。とくに食生活において海産物を多く摂取する日本人は、魚介類からごく微量の重金属も摂取している可能性がある。こうした重金属の摂取が、2型糖尿病の発症のリスク因子となるのであろうか。このテーマに関し、国立健康危機管理研究機構 臨床研究センター 疫学・予防研究部の伊東 葵氏らの研究グループは、健康診断の血液サンプルを用いて、水銀、鉛などと2型糖尿病発症との関連性を検討した。その結果、血清水銀濃度が高いほど2型糖尿病のオッズ比が高いことが判明した。この結果は、Clinical Nutrition誌2026年2月号に掲載された。

認知症の修正可能な14因子、日本人で影響が大きいのは?

 Lancet委員会では、2017年より認知症の修正可能なリスク因子に関する研究結果を報告しており、最新の研究結果は2024年に公開されている。そこでは、修正可能なリスク因子として14因子が挙げられ、難聴と高LDLコレステロール(LDL-C)が最も影響の大きな因子とされた1)。では、これらの因子の日本人における影響はどうだろうか。その疑問に答える研究結果が、和佐野 浩一郎氏(東海大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科 教授)らによって、The Lancet Regional Health – Western Pacific誌2026年1月号で報告された。本研究では、日本人は難聴が最も影響が大きく、14因子を合計すると最大で38.9%(グローバル研究は45%)が理論上予防可能であることが示された。

点鼻のアナフィラキシー補助治療薬「ネフィー」発売/アルフレッサファーマ

 アナフィラキシー補助治療薬「ネフィー点鼻液(1mg、2mg)」がアルフレッサファーマから2026年2月12日に発売された。アナフィラキシー補助治療薬としては自己注射製剤のエピペンに続く2剤目となるが、点鼻液での発売は国内初となる。  本製剤はアドレナリンを有効成分とする点鼻液で、蜂毒、食物、および薬物などに起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療薬で、点鼻により簡便な投与が可能である。

アシクロビルとバラシクロビルに重大な副作用追加、エンシトレルビルの併用禁忌一部変更/厚労省

 2026年2月10日、厚生労働省より添付文書の改訂指示が発出された。アシクロビル(経口剤、注射剤)とバラシクロビル塩酸塩(以下、バラシクロビル)の「重大な副作用」の追加、エンシトレルビル フマル酸(以下、エンシトレルビル)とロナファルニブとの併用が禁忌とされていたリオシグアトの併用注意への変更などが含まれる。  アシクロビルとバラシクロビルの重大な副作用に「急性汎発性発疹性膿疱症」を追加 単純疱疹や帯状疱疹などの治療に用いられる抗ウイルス薬アシクロビルおよびバラシクロビルについて、国内外の急性汎発性発疹性膿疱症症例を評価した結果、因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断された。

入浴中の死亡、年間で最もハイリスクな日は?

 日本は世界的にみて高齢者の溺死率がきわめて高く、その主な要因は家庭での入浴習慣にある。とくに入浴中の死亡は冬場にピークを迎えるが、全国規模での外気温の影響や、特定の「ハイリスク日」については十分に検討されていなかった。奈良県立医科大学の田井 義彬氏らの研究グループは、全国の26年間のデータを解析した結果、浴槽内溺死リスクの季節性の影響のうち約80%が外気温の影響であり、元日や大晦日にとくにリスクが上昇することを明らかにした。Environmental Health and Preventive Medicine誌2025年号に掲載。  本研究では、1995〜2020年の死亡診断書に基づく住宅での浴槽内溺死データ(ICD-10コードW65)9万9,930件を用いて、全国47都道府県を対象とした時系列解析を実施した。

日本における認知症有病率、2012年から変化〜久山町研究

 2010年代以降、アジア地域における認知症の有病率、発症率、生存率がどのように変化したかを調査した集団ベースの研究は、これまでほとんどなかった。九州大学の小原 知之氏らは、日本のコミュニティにおける37年間の疫学データを用いて、認知症の有病率、発症率、生存率の変化を調査した。Alzheimer's Research & Therapy誌2025年12月29日号の報告。  65歳以上の日本の地域住民を対象に、認知症に関する横断調査を7回実施した(1985、1992、1998、2005、2012、2017、2022年)。また、1988年(803例)、2002年(1,231例)、2012年(1,519例)に、認知症を発症していない65歳以上の住民を対象とした3つのコホートを設定し、それぞれ10年間フォローアップ調査を行った。認知症有病率の傾向は、ロジスティック回帰モデルを用いて検証した。年齢と性別で調整した後、コホート間で認知症発症率と認知症発症後の生存率を比較するため、Cox比例ハザードモデルを用いた。

日本の帯状疱疹罹患率、約10年で増加

 日本における帯状疱疹罹患率は2014年以降の約10年間で増加傾向にあり、罹患率は加齢に伴い増加することが明らかになった。自治医科大学の片山 真穂氏らが、日本のレセプトデータベースを用いた大規模解析の結果を、BMC Infectious Diseases誌2026年1月10日号に報告した。  本研究では、2014年4月~2023年3月の帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛の標準化罹患率を検討するため、日本のレセプトデータベース(DeSCデータベース、約1,250万人のデータを含む)を用いた大規模解析を実施した。帯状疱疹発症後の入院および帯状疱疹後神経痛のリスクを評価するとともに、国のサーベイランスデータを用いて水痘罹患率の解析も行った。

腎不全リスク別にみたSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の有効性

 2型糖尿病患者において、腎不全リスクの高低によるSGLT2阻害薬およびGLP-1受容体作動薬の腎不全や心血管アウトカムを調査した結果、GLP-1受容体作動薬は腎不全の中等度リスクの患者に、SGLT2阻害薬は高度リスクの患者にそれぞれより有益である可能性が、米国・ユタ大学のSydney E. Hartsell氏らによって報告された。Clinical Journal of the American Society of Nephrology誌オンライン版2026年1月13日号掲載の報告。  研究グループは、2018年1月1日~2021年12月31日にSGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬(非エキセンジン系)またはインスリン グラルギンのいずれかを新たに開始した2型糖尿病を有する米国退役軍人コホートを用いて観察研究を行った。

政府主導の現金給付プログラムが死亡率に関連する行動および健康決定要因に与える影響:差の差研究(解説:名郷直樹氏)

ランダム化比較試験で検討困難な疑問に関して、ビッグデータを用いた観察研究によって検討しようという流れの中にある研究である。37の低~中所得国家を対象とし、政府主導の現金給付プログラムを提供している国と提供していない国を比較し、また提供された国における提供前と提供後を比較して、死亡に関連する17のアウトカムを検討している。 解析方法は、“difference-in-differences study”とあるように、少し特殊である。具体的には、現在現金給付を行っている国の行っていない時期とのアウトカムの差から、行っていない国の現在のアウトカムと行っている国の行っていないのと同時期のアウトカムの差を差し引いたものを効果の指標としている。