内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

前糖尿病者、生活習慣改善やメトホルミンは多疾患併存リスクを軽減するか/JAMA

 前糖尿病の成人において、生活習慣の改善は多疾患併存の負担軽減と関連するが、メトホルミン介入ではそのような関連は示されなかった。米国国立老化研究所のMarcel E. Salive氏らDPP Research Groupによる、無作為化試験の被験者を長期にわたって追跡評価した観察コホート研究で示された。個別疾患のみならず多疾患併存の予防や発症遅延についての研究は、公衆衛生上きわめて重要であるが、長期的な追跡調査で有効性が実証された介入方法はほとんどない。今回の結果について著者は、「生活習慣改善プログラムは、慢性疾患の発症を長期にわたって抑制する可能性がある」とまとめている。JAMA誌オンライン版2026年6月15日号掲載の報告。

PSSA菌血症、ペニシリンG vs.抗ブドウ球菌ペニシリン/Lancet

 ペニシリン感受性黄色ブドウ球菌(PSSA)菌血症の治療について、90日死亡率に関するベンジルペニシリン(ペニシリンG)の抗ブドウ球菌ペニシリン(flucloxacillinまたはクロキサシリン)に対する事前既定の非劣性基準は満たされなかった。しかし、非劣性の事後確率は96.1%であり、急性腎障害(AKI)のリスク低減が認められたことが、オーストラリア・メルボルン大学のJoshua S. Davis氏らStaphylococcus aureus Network Adaptive Platform(SNAP)Trial Groupによる、研究者主導の国際的な多施設共同無作為化非盲検試験「SNAP試験」の結果で示された。過去にはまれであると考えられていたPSSA菌血症が世界的に再興している。

PPI中止後のGERD再燃、プロバイオティクスが抑制

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)にプロバイオティクスを併用することで、胃食道逆流症(GERD)患者におけるPPI中止後の症状再燃が抑制され、その効果が腸内細菌叢および代謝物のリモデリングを介して維持される可能性が報告された。中国・南昌大学のLi Yingmeng氏らによる研究成果はmSystems誌オンライン版2026年1月29日号に掲載された。  GERDに対する標準治療であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)は高い有効性の一方、長期使用による腸内細菌叢の乱れや中止後の症状再燃が課題となっている。研究者らは、多菌種プロバイオティクス製剤をPPIに併用することで、PPI中止後も症状改善効果が持続するかを検証した無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。

家庭血圧測定値の遠隔モニタリングで心血管イベントリスクが低下

 動脈硬化性疾患(ASCVD)と診断された50歳以上の成人において、帯状疱疹(HZ)ワクチンの接種は、主要心血管イベント(MACE)およびその他の心血管アウトカムのリスク低下と関連するという研究結果が、米国心臓病学会年次総会(ACC.26、3月28~30日、米ニューオーリンズ)で発表予定である。  米カリフォルニア大学リバーサイド校のRobert Nguyen氏とAditya Desai氏は、米国のTriNetXデータベースを用い、2018年1月1日~2024年1月1日にASCVDと診断された50歳以上の成人を対象とした後ろ向きコホート研究を実施し、この集団において帯状疱疹ワクチン接種が心血管リスクを低減するかどうかを検討した。傾向スコアマッチング後、HZワクチン接種群27万5,304人と非接種群27万5,304人が解析対象となった。

日本人片頭痛患者に対する3年間の抗CGRP抗体継続治療、その有用性は

 抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)抗体については、治療期間が24ヵ月を超える長期的な実臨床のデータが乏しく、とくに治療継続率や目標達成後の計画的中止に関するデータは不足している。昭和医科大学の笠井 英世氏らは、実臨床における3年間にわたる抗CGRP抗体の有効性および安全性を評価するため、単施設レトロスペクティブ研究を実施した。Frontiers in Neurology誌2026年5月13日号の報告。

死亡リスクが低下する適切な筋トレ時間は?

 レジスタンス運動(筋力トレーニング)は生活習慣病の予防・治療だけでなく、日常生活でも広く行われている。とくに筋力トレーニングは、健康な体の維持に勧められている。では、筋力トレーニングは、運動すればするだけ死亡率を減らす効果があるのであろうか。米国・ハーバードT.H.チャン公衆衛生大学院栄養学部のYiwen Zhang氏の研究グループが、長期的な筋力トレーニングと死亡との関連を検討した結果、中程度の長期的な筋力トレーニングは全死因死亡率の低下と関連し、約120分/週以上の筋力トレーニングで死亡リスクは頭打ちとなることが判明した。この結果はBritish Journal of Sports Medicine誌2026年6月12日号に掲載された。

トマトに認知機能改善効果は期待できるのか?

 トマトは、血液脳関門を通過して抗酸化作用と抗炎症作用を発揮するカロテノイドであるリコピンの主要な供給源である。しかし、健康成人におけるトマト摂取が認知機能に及ぼす影響は、依然として不明であった。スペイン・バルセロナ大学のRicardo Lopez-Solis氏らは、濃縮トマトペーストが認知機能に及ぼす影響を評価し、脳由来神経栄養因子(BDNF)や脳機能結合などの潜在的なメカニズムを検討した。Antioxidants誌2026年5月19日号の報告。  40~55歳の健康成人47人を対象に、ランダム化2期クロスオーバー試験を実施した。

SCORPIO-PEP試験:エンシトレルビルはCOVID-19家族内発症を予防できるか(解説:小金丸 博氏)

NEJM誌2026年5月14日・21日合併号に掲載されたSCORPIO-PEP試験は、エンシトレルビル(商品名:ゾコーバ)をCOVID-19患者の同居家族に対して曝露後予防に用いた第III相試験である。主要評価項目である「症候性COVID-19発症」は、エンシトレルビル群2.9%、プラセボ群9.0%で、リスク比0.33と有意な抑制効果を示した。絶対リスク減少は約6%であり、NNT(治療必要数)は17と計算される。家庭内感染という高曝露環境を考慮すると、かなり良好な成績といえる。本試験の強みは、二重盲検ランダム化比較試験であること、多国籍試験であること、さらにオミクロン株流行期に実施された点にある。参加者の大多数が既感染あるいはワクチン接種由来の抗体を保有しており、現在の実臨床に近い集団で有効性が示された意義は大きい。また、有害事象発現率はプラセボ群と同等であり、安全性に関しても大きな問題を認めなかった。

最も老化しにくい睡眠時間は?

 睡眠時間が短いことだけでなく、長すぎることも、多くの臓器の生物学的老化の加速指標と関連していることが報告された。生物学的老化の進行が最も緩やかな傾向は、1日の睡眠時間が6.4~7.8時間の人に見られるという。米コロンビア大学ヴァジェロス医学校のJunhao Wen氏らの研究によるもので、詳細は「Nature」に5月13日掲載された。 この研究では、英国で約50万人の一般住民を対象に行われている大規模疫学研究「UKバイオバンク」のデータを用いて、睡眠時間とさまざまな臓器の老化との関連性が検討された。睡眠時間は自己申告により評価された。一方、臓器の老化については、画像検査データ(in vivo imaging:生体内イメージング)、および、血漿中のタンパク質や代謝産物の網羅的なデータを機械学習により解析して、脳や心臓、肺、肝臓などの17の臓器・システムを含む23種類の「生物学的老化時計」を作成して評価した。

筆記動作が認知機能低下の手がかりに?

 筆記動作が、脳の老化の進行を示す手がかりになるかもしれない。新たな研究で、筆記に要する時間やストローク数などの時間的・運動学的特徴が、特に認知負荷の高い書き取り課題において、認知機能の程度と関連することが示された。研究グループは、筆跡解析が高齢者の認知機能低下を早期発見するための低コストの検査になり得るとの見方を示している。エヴォラ大学(ポルトガル)スポーツ健康学部のAna Rita Matias氏らによるこの研究結果は、「Frontiers in Human Neuroscience」に5月20日掲載された。