内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

高齢者の不眠症治療、非ベンゾジアゼピン系催眠薬vs.オレキシン受容体拮抗薬

 世界的な高齢化の加速に伴い、高齢者の不眠症は、公衆衛生上の大きな課題となっている。高齢者の不眠症では、認知行動療法が第1選択治療であるにもかかわらず、薬物療法も依然として広く用いられている。しかし、高齢者に対する従来の非ベンゾジアゼピン系鎮静催眠薬(非BZRA)の使用には重大な安全性上の懸念が存在する。一方、新しい二重オレキシン受容体拮抗薬(DORA)の長期的な実臨床における安全性に関するエビデンスは依然として限られている。このエビデンスのギャップを埋めることは、高齢者における安全な薬剤使用を導くうえで、きわめて重要である。中国・Nanjing Youan HospitalのShuqing Gao氏らによる、Frontiers in Pharmacology誌2026年3月10日号の報告。

中性脂肪、がんリスクマーカーに?~日本の全身がん検査プログラム

 京都府立医科大学の手良向 聡氏らが行った後ろ向き観察研究から、ベースラインの血清トリグリセライド(TG)が、将来のがん発症リスクを予測する高感度なバイオマーカーとなる可能性が示唆された。Health Science Reports誌2026年3月29日号掲載の報告。  日本において、メタボリックシンドローム(Mets)併存患者のがん死亡率は年々増加しており、これらの患者のがんの早期発見が喫緊の課題となっている。近年、Metsの構成要素が活性酸素種(ROS)の生成、ホルモン産生の変化などを通じて、がん発生を促進する可能性が指摘されている。

ストレス耐性を高めたければ、まずこの習慣を

 大半の人がパニックに陥るような状況でも冷静さを失わない人がいる。彼らはなぜ、プレッシャーがかかっても落ち着いていられるのだろうか?新たな研究によると、その鍵は「心理的柔軟性」の高さにあるようだ。  この研究は、米ビンガムトン大学のLina Begdache氏らによるもので、詳細は「Journal of American College Health」に12月30日に掲載され、3月17日に同大学からリリースが発行された。そのリリースの中で同氏は、「いつも落ち着いている人は、置かれた状況に対して考え方を適応させ、脳のリソースを使ってストレスに対処しているようだ」と説明している。

薬剤耐性菌の防御システムを乗り越える「ファージ」の仕組みを解明/JIHS

 薬剤耐性菌は世界的に深刻な脅威となっている。対策の1つとして注目されているのが、細菌に感染して溶菌させるウイルス(バクテリオファージ、以下ファージ)だ。国立健康危機管理研究機構(JIHS)/国立感染症研究所の千原 康太郎氏、氣駕 恒太朗氏らは、ファージが細菌の防御システムを回避して原因菌を破壊する仕組みを明らかにした。その詳細をJIHS開催の記者ブリーフィングで紹介している。  薬剤耐性菌による感染症は全世界で急速に増加している。2025~50年における薬剤耐性菌を直接原因とする累積死者数は3,900万人以上、関連死者数は1億6,900万人以上に上ると推定される。

特定健診の「2cm2kg減」は適切? 3万人の代謝指標との関連を検討

 日本の特定健診・特定保健指導では、生活習慣改善の目安として「腹囲2cm・体重2kgの減少(2cm2kg)」が推奨されている。しかし、この目標達成が実際に代謝指標の改善と結びついているか検討した研究は乏しい。そこで、笠原 健矢氏(京都府立医科大学)らの研究グループは、健診コホートデータを用いて2cm2kg目標の妥当性を検討した。その結果、2cm2kg達成は、血糖、血圧、脂質、肝機能といった代謝指標の改善と有意に関連し、実務上の目安としておおむね妥当であることが示唆された。本研究結果は、Obesity誌オンライン版2026年4月4日に掲載された。

ストレスや悲しみはがんリスクと関連しない

 長年にわたり、強い心理的ストレスや悲しみ、あるいはネガティブな性格はがんを引き起こし得ることが、ウェルネス分野や医療現場で広く信じられてきた。しかし、大規模な国際研究により、個人の精神状態はがんの発症とほとんど関係がない可能性が示された。フローニンゲン大学医療センター(オランダ)のLonneke van Tuijl氏らによるこの研究は、「Cancer」に3月23日掲載された。  この研究では、複数コホートを統合した大規模データベースであるPsychosocial Factors and Cancer Incidence(PSY-CA)コンソーシアムを用いて、心理社会的要因とがん(乳がん、肺がん、前立腺がん、大腸がん、喫煙関連がん、アルコール関連がん)の発症との関連が検討された。

60歳以上の甲状腺機能低下症、レボチロキシン中止は可能か/JAMA

 甲状腺ホルモン製剤であるレボチロキシンは、60歳以上の甲状腺機能低下症では一般に生涯にわたって継続投与されるが、長期の投与が常に必要かは定かでないという。オランダ・ライデン大学医療センターのJanneke Ravensberg氏らは、安定用量のレボチロキシンの投与を1年以上受けていた甲状腺機能低下症の60歳以上の集団では、その約4分の1が、投与中止から1年後も適切な甲状腺機能を維持し、甲状腺関連の生活の質(QOL)にも臨床的に意義のある変化を認めないことを示した。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年4月6日号で報告された。

糖尿病患者の心血管リスク軽減のための先手必勝手段:PCSK9阻害薬による早期介入?(解説:島田俊夫氏)

本研究の最大のセールスポイントは、これまで主に「心筋梗塞や脳卒中の既往がある患者(2次予防)」に限定されていたPCSK9阻害薬の有効性を、「イベント未発症でリスクが高い糖尿病患者(1次予防)」において初めて証明した点にある。劇的な脂質改善:エボロクマブ投与により、LDLコレステロール(LDL-C)値をプラセボ群の111mg/dLに対し、エボロクマブ投与群では52mg/dLまで大幅に低下させた。確かなイベント抑制効果:主要心血管イベント(心血管死、心筋梗塞、虚血性脳卒中)のリスクを31%減少(ハザード比:0.69)させた。

医療者向けChatGPT登場!米国在住の医師が特別レポート

多くのAIツールを医療者が使うようになり、医療者の情報検索に特化したOpenEvidenceなどの専門AIツールも急速に普及するなか、4月末に汎用型AIツール・ChatGPTが医療者向けのChatGPT for Cliniciansをリリース。現時点では使用は米国在住の医師に限られるものの、医療AIの「本命」となるのかが注目される。CareNet.comで「タイパ時代のAI英語革命」「医療者のためのAI活用術」などを連載する原田 洸氏(米国・マウントサイナイ医科大学病院)が使用感を特別レポート。

アルツハイマー病に対する4つの第2世代抗精神病薬の死亡リスク比較

 第2世代抗精神病薬(SGA)は、安全性に関する懸念が存在するにもかかわらず、アルツハイマー病の行動症状のマネジメントに対し、適応外で使用されることが少なくない。しかし、特定のSGA間における死亡リスクを比較したエビデンスは、依然として限られている。米国・ピッツバーグ大学のChen Jiang氏らは、一般的に使用されるSGAで治療を行ったアルツハイマー病患者におけるすべての原因による死亡率を比較し、因果機械学習を用いて治療効果の異質性を検討した。CNS Drugs誌オンライン版2026年3月28日号の報告。