内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

ベンゾジアゼピンの投与量と死亡リスクとの関連

 フィンランド・トゥルク大学のHanna Sarkila氏らは、フィンランド人の集団において、ベンゾジアゼピン系薬剤およびZ-drug(以下、BZD)の使用を新たに開始した患者を対象に、5年間のフォローアップ期間中における用量依存的なBZD使用とすべての原因による死亡および原因別死亡リスクとの関連を調査した。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2026年6月21日号の報告。  対象は、2004~05年にBZDの使用歴がなく、2006年にBZDの使用を開始した患者。薬剤調剤に関する情報はPRE2DUP法を用いてモデル化し、調剤のたびに更新される時間依存性変数として扱った。

超多剤併用高齢患者の処方を減量・中止させるには

 高齢になると多数の併存疾患が存在し、このため処方される薬剤も多く、いかに減量・中止するか、いわゆる「ポリファーマシー」が課題となっている。ポリファーマシーを成功させるには何が必要であろう。このテーマについて、オランダ・SIR薬局業務・政策研究所のGert Baas氏らの研究グループは、高齢患者の処方薬の減量・中止について、臨床的服薬レビュー(CMR)が薬剤数に影響を及ぼすかどうかを調査した。その結果、研修を受けた薬剤師によるCMRは薬剤数に影響を及ぼすことがわかった。この内容はAge and Ageing誌2026年7月2日号に掲載された。

マイクロプラスチックは心筋梗塞と関連?

 心筋梗塞を起こした人では、血液中からマイクロプラスチックおよびナノプラスチック(MNP)が高い割合で検出され、その濃度も高いことを示すデータが報告された。サピエンツァ大学サンタンドレア病院(イタリア)のPasquale Paolisso氏らの研究によるもので、詳細は7月14日付で「European Heart Journal」に掲載された。喫煙や大気汚染も、MNPの検出と関連があるという。  この論文では、「先行研究により、ヒトの臓器や組織にMNPが存在していることが既に示されている」と、研究背景が記されている。しかし、筆頭著者であるPaolisso氏によると、冠動脈(心臓の筋肉に血液を供給する動脈)の血液中にもMNPが存在するのか、また、喫煙や大気汚染などの環境要因がその存在に影響を与えるのかどうかという点については、「ほとんど知られていなかった」という。

コーヒー摂取量が多いほど肝硬変・肝細胞がんリスク低下

 朝のコーヒーの魅力は、カフェインによる目覚め効果だけではないかもしれない。新たな研究で、コーヒーの摂取量が多いほど、肝硬変、肝細胞がん、および肝疾患による死亡リスクが低いことが明らかになった。米シーダーズ・サイナイ医療センター肝がんプログラムのメディカルディレクターを務めるJu Dong Yang氏らによるこの研究結果は、7月1日付で「Clinical Gastroenterology and Hepatology」に掲載された。Yang氏は、「今回の結果は、もともとコーヒーを好み、問題なく飲める人に対して、適度なコーヒー摂取を支持するものだ」と述べている。

「右利き」か「左利き」かは何によって決まる?

 字を書く、ボールを投げる、道具を使うといった日常的な動作をするとき、右利きの人は右手、左利きの人は左手の方がはるかに上手に動かせるのはなぜだろうか。新たな研究で、利き手の優れた運動能力は練習の積み重ねによって形成されるものであり、人の利き手を決定付けるような生まれつき固定された大脳半球の優位性は存在しないことが示された。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)デイヴィッド・ゲフィン医学部神経内科のAhmet Arac氏らによるこの研究の詳細は、「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に6月30日掲載された。

低ナトリウム血症、腎機能が高くても低くてもリスク上昇

 低ナトリウム血症は日常診療でよく遭遇する電解質異常だが、腎機能との関連は十分に明らかになっていなかった。今回、日本の外来患者13万人超を対象とした解析で、腎機能と低ナトリウム血症リスクにはU字型の関連が認められ、腎機能が高い場合と低い場合の双方でリスクが上昇することが報告された。研究は聖路加国際病院腎臓内科の長浜正彦氏らによるもので、詳細は6月25日付の「Clinical and Experimental Nephrology」に掲載された。  低ナトリウム血症は、血液中のナトリウム濃度が低下した状態で、体内の水分バランスを調節する仕組みの異常などによって生じる。

SNAP試験:MSSA菌血症に対するセファゾリンの位置付けを変えるエビデンス(解説:小金丸博氏)

MSSA(methicillin-susceptible Staphylococcus aureus)菌血症に対する治療では、長年、欧米を中心にflucloxacillin、クロキサシリン、nafcillinなどの抗ブドウ球菌用ペニシリン(antistaphylococcal penicillin:ASP)が標準治療として位置付けられてきた。一方、セファゾリンは広く使用されているものの、とくに重症感染症における有効性については、ASPと比較した質の高いエビデンスが十分ではなかった。この長年の臨床的疑問に対して、大規模ランダム化比較試験で答えを示したのがNEJM誌2026年6月18日号に報告された「SNAP試験」である。 本試験はMSSA菌血症患者を対象とした国際共同ランダム化比較試験であり、セファゾリン群671例とflucloxacillinまたはクロキサシリン群670例を比較した。

ピロリ菌で大腸がんリスク増、除菌の恩恵を受けやすい人は?

 Helicobacter pylori(H. pylori)感染は大腸がん発症リスクを高める可能性があり、除菌治療が長期的なリスク低減につながる可能性が示された。中国で実施された2つの大規模ランダム化試験の解析により、遺伝的リスクや病原性因子を考慮した層別解析では、除菌の恩恵を受けやすい集団が存在することも明らかになった。北京大学のXuan Han氏らによる研究結果は、Gut誌オンライン版2026年6月30日号に掲載された。  H. pyloriは胃がんや消化性潰瘍の原因菌として知られる一方、近年は慢性炎症や腸内細菌叢の変化などを介して大腸がんにも関与する可能性が指摘されている。今回の解析では、中国・山東省で実施された2つのランダム化試験を対象とした。1つは1995年開始のShandong Intervention Trial(SIT、3,365例、追跡期間29.4年)、もう1つは2011年開始のMass Intervention Trial in Linqu, Shandong Province(MITS、18万284例、追跡期間13.8年)である。MITSでは、宿主の遺伝的リスクとH. pyloriの病原性因子に対する血清陽性率に基づいて大腸がんリスクを評価するケースコホート研究も実施された。

重度歯周炎、高齢者の脳卒中リスク上昇――医療費増加とも関連

 口腔の健康状態は、脳卒中発症だけでなく、その後の医療負担にも影響するのだろうか。今回、高齢者1,997人を対象とした5年間の追跡研究で、重度歯周炎は脳卒中発症リスクの上昇と関連し、脳卒中後の医療費増加にも関与する可能性が示された。研究は愛知学院大学歯学部口腔衛生学講座の齋藤瑞季氏、嶋崎義浩氏らによるもので、詳細は6月12日付で「Journal of Clinical Periodontology」に掲載された。  歯周炎は口腔内の慢性炎症性疾患であり、歯周病菌や炎症反応が血管に影響することで、心血管疾患リスクを高める可能性が指摘されている。

GLP-1薬は骨折リスクを上げる?下げる?

 GLP-1受容体作動薬(以下「GLP-1薬」)の投与開始は、DPP-4阻害薬の投与開始と比較して、2型糖尿病患者における脆弱性骨折リスクの低下と関連することが、米国・カリフォルニア大学のChristopher D. Hamad氏らの研究で示された。一方、GLP-1薬開始群と非開始群を比較した糖尿病の有無別の感度分析では、非2型糖尿病患者においてGLP-1薬使用は骨折リスク増加と関連していた。JAMA Network Open誌オンライン版2026年7月24日号掲載の報告。