内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

レカネマブで重度アルツハイマー病への進行は何年遅らせることができるか

 主要な臨床試験において、レカネマブなどによる抗アミロイド療法は、早期アルツハイマー病患者の臨床認知症評価尺度(CDR-SB)スコアの悪化を統計的に有意に遅らせることが示されている。CDR-SBにおける治療群間の差を「疾患進行の遅延期間」に換算することは、患者や介護者に対して臨床的な意義をより効果的に伝える一助となりうる。米国・CurtのTroy Williams氏らは、レカネマブの長期的な「疾患進行の遅延期間」を推定するため、本研究を実施した。Alzheimer's & Dementia誌2026年6月21日号の報告。

アレルギーや喘息で、がんリスクは上がる?下がる?〜JPHC研究

 アレルギーや喘息に伴う過敏な免疫反応や慢性炎症が、がん発症に防御的に働くのか、あるいは促進するのかについては、依然として議論されている。今回、国立がん研究センターの平林 万葉氏らが、日本人の多目的コホート研究(JPHC Study)から得られたデータを用いて前向き観察研究を実施したところ、アレルギーや喘息の既往はがん全体のリスクとは関連しないものの、喫煙男性では大腸がん、非喫煙女性では子宮頸がんのリスク上昇と関連することが示された。Cancer Medicine誌2026年7月号に掲載。

夏の理想的な水分補給は「4つのS」で/アボット

 糖尿病管理のための持続グルコース測定器「リブレ」や循環器疾患領域などの医療機器を全世界で開発・販売しているアボットは、夏の熱中症対策と高血糖リスクの関連について、都内でメディアセミナーを開催した。セミナーでは、「ペットボトル症候群」への警鐘と夏期の糖尿病患者への対応などが解説された。  「『理想的な水分補給』と血糖管理~夏の熱中症対策が“高血糖のリスク”になる?~」をテーマに、川名部 新氏(おばな内科クリニック 院長)が、夏期の脱水予防と血糖管理の重要性について講演した。

1時間ごとの5分間の運動休憩で気分改善、疲労感軽減

 1時間ごとに5分間の歩行休憩を挟むことで、気分が改善し疲労感が軽減するとともに、長時間の座位行動による健康への悪影響を和らげられる可能性が、米コロンビア大学医療センターのKeith Diaz氏らによる研究で示された。Diaz氏らは、「短時間の運動休憩は仕事の生産性を低下させるのではないかという懸念は、こうした取り組みの実施・普及を妨げる要因の一つとして指摘されてきた。しかし今回の研究結果は、そのような認識に反するものだった」と述べている。この研究の詳細は、「British Journal of Sports Medicine」に6月23日掲載された。

既治療CLL/SLL、ピルトブルチニブ+VRでPFS改善(BRUIN CLL-322)/Lancet

 前治療歴のある慢性リンパ性白血病(CLL)患者において、非共有結合型BTK阻害薬ピルトブルチニブは、ベネトクラクス+リツキシマブ療法(VR)との併用により、VRと比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に改善し、この効果は共有結合型BTK阻害薬の前治療歴のある患者においても一貫しており、新たな安全性シグナルは認められないことが示された。米国・ダナファーバーがん研究所のMatthew S. Davids氏らが、22ヵ国152施設で実施された無作為化非盲検実薬対照第III相試験「BRUIN CLL-322試験」の結果を報告した。Lancet誌オンライン版2026年7月9日号掲載の報告。

新ガイドラインで変わり始めたうつ病治療/塩野義

 2025年12月に『うつ病診療ガイドライン2025』が公表された1)。ゼロベースで全面的に改訂された本ガイドラインでは、エビデンスに基づく治療に加え、患者と医療者が治療方針を共に決める「SDM:Shared Decision Making(共有意思決定)」や、症状を定量的に評価しながら治療を進める「MBC:Measurement-Based Care(測定に基づく診療)」が重視された。  塩野義製薬は2026年7月1日に「新ガイドライン導入で変わり始めたうつ病治療 患者と医師が“一緒に考える”診療の最前線を解説」と題したプレスセミナーを開催した。加藤 正樹氏(関西医科大学 精神神経科学講座)が登壇し、うつ病診療の課題、『うつ病診療ガイドライン2025』の概要、新たに期待される薬剤について解説した。

双極症の躁状態における白質の構造変化が判明

 双極症は、躁状態とうつ状態のエピソードを繰り返すことを特徴とする重篤な精神疾患である。双極症の重要な側面の1つが「フェーズ・スイッチング」である。これは、気分状態が急速に切り替わる現象だが、その神経生物学的な機序についてはいまだ十分に解明されていない。近年、神経画像技術、とくに拡散テンソル画像(DTI)やトラクトグラフィーの進歩により、気分の変動に伴う白質の構造的変化に関する知見が得られるようになった。イタリア・ミラノ大学のGiuseppe Delvecchio氏らは、躁およびうつ状態の患者およびフェーズ・スイッチングの過程にある双極症患者を対象に、白質の変化を調査する統合的な拡散神経画像研究を実施した。Bipolar Disorders誌2026年8月号の報告。

不規則な食事時間が老化を早める!?

 国立長寿医療研究センターの木下 かほり氏らの研究グループは、地域在住高齢者を対象に、食事時間の不規則性と生物学的老化の潜在的バイオマーカーGrowth Differentiation Factor-15(GDF-15)との関連、およびそれに対する食事の質の媒介効果を評価した。その結果、食事時間が不規則な高齢者は、規則的な高齢者と比較して年齢が有意に若いにもかかわらず、血清GDF-15が高く、食事の質が低いことが明らかになった 。本研究結果は、European Geriatric Medicine誌2026年6月16日号オンライン版掲載の報告。

チルゼパチドvs.セマグルチド、日本における肥満症患者の体重減少効果は?(SURMOUNT-5サブ解析)

 日本における肥満症の薬物療法適応基準を満たす集団において、チルゼパチドはセマグルチドと比較して72週時点での体重変化率が有意に大きく、体重、BMI、腹囲のいずれにおいても減少幅が有意に大きいことが示された。千葉大学大学院医学研究院の北本 匠氏らによるこの研究成果は、Current Medical Research and Opinion誌2026年7月11日号に掲載された。  本研究は、国際共同試験であるSURMOUNT-5のサブ解析として実施された。日本における肥満症の薬物療法適応基準を満たす参加者(BMI 27~34.9、高血圧、脂質異常症のいずれかを有し、さらに肥満関連健康障害[ORHD]を2つ以上有する、またはBMI ≧35かつORHDを 1つ以上有する)を対象とした。

高用量DHAサプリ、認知機能低下の抑制効果示せず

 多くの米国人が、加齢に伴う認知機能の低下を防ぐことを期待して魚油のサプリメントを摂取している。魚油に含まれているオメガ3系不飽和脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は、中性脂肪の低下など健康へのさまざまな効果が報告されている。しかし、「EBioMedicine」に6月18日付で発表された最新の研究で、こうしたサプリメントには期待されるような認知機能向上効果はない可能性が示唆された。  論文の筆頭著者である米南カリフォルニア大学ケック医学部神経学分野のHussein Naji Yassine氏は、「誰もがアルツハイマー病予防の“特効薬”を望んでいる。