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2025-07-07 ~ 2025-07-07

2025/07/07

食事インスリン併用2型DM、efsitora vs.グラルギン/Lancet

ジャーナル四天王

 食事インスリンを併用している2型糖尿病患者の基礎インスリンとして、insulin efsitora alfa(efsitora)の週1回投与はインスリン グラルギンU100の1日1回連日投与と比較して、糖化ヘモグロビン(HbA1c)値の低下効果に関して非劣性で、臨床的に重要または重症の低血糖の発生率も同程度であり、連日投与に代わる基礎インスリンとして忍容性が良好で有効な治療法であることが、米国・Texas Diabetes & EndocrinologyのThomas Blevins氏らが実施した「QWINT-4試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2025年6月22日号で報告された。  QWINT-4試験は、7ヵ国78施設が参加した26週間の第III相並行デザイン非盲検無作為化treat-to-target非劣性試験であり、2022年8月~2024年2月に患者のスクリーニングを行った(Eli Lilly and Companyの助成を受けた)。

心房細動を伴う脳梗塞のDOAC開始、早期vs.遅延~メタ解析/Lancet

ジャーナル四天王

 急性虚血性脳卒中と心房細動を有する患者において、直接経口抗凝固薬(DOAC)の遅延開始(5日以降)と比較して早期開始(4日以内)は、30日以内の再発性虚血性脳卒中、症候性脳内出血、分類不能の脳卒中の複合アウトカムのリスクを有意に低下させ、症候性脳内出血を増加させないことが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのHakim-Moulay Dehbi氏らが実施した「CATALYST研究」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2025年6月23日号に掲載された。  研究グループは、急性虚血性脳卒中発症後におけるDOACの早期開始と遅延開始の有効性の評価を目的に、無作為化対照比較試験の系統的レビューと、個別の患者データのメタ解析を行った(英国心臓財団などの助成を受けた)。

ICU入室患者に対する強化タンパク栄養の効果(解説:名郷直樹氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

オーストラリアとニュージーランドの4つのICUを対象にした、経腸栄養を受けた患者に対する強化タンパク栄養(100g/L)と通常タンパク栄養(63g/L)を比較し、90日以内の死亡と入院していない日数を1次アウトカムとして評価した、クラスターランダム化、クロスオーバー、オープン試験である。クラスターランダム化は、4つの施設のうち2つずつを強化群、通常群に割り付け、さらに3ヵ月以上の間隔を空け、4つの時期においてそれぞれの施設で強化群と通常群に2回ずつ割り付けるデザインになっている。参加施設が少ないデメリットを、クロスオーバーにより両群に2回ずつ割り付けることでカバーするデザインといえる。両群の患者背景を見るとよくそろっており、4施設の研究でありながら大きな問題はなさそうである。

「終末期」を「人生の最終段階」へ変更、その定義とは/日本老年医学会

医療一般

 日本老年医学会は6月27日のプレスリリースにおいて、「終末期」から「人生の最終段階」への変更における定義などを示した『高齢者の人生の最終段階における医療・ケアに関する立場表明2025』を発表した。この立場表明は同学会が21世紀初頭に初版を発表、2012年の第1改訂から10年以上が経過したため、現在を見据えつつ近未来を展望して今回の改訂がなされた。今回開催された記者会見では、立場表明のなかで定義付けされた用語とその理由について、本改訂委員会委員長を務めた会田 薫子氏(東京大学大学院人文社会系研究科 附属死生学・応用倫理センター 特任教授/同学会倫理委員会 エンドオブライフ小委員会委員長)を中心に解説が行われた。

左右の肺がんで死亡リスクに差~日本のがん登録データ

医療一般

 肺がん罹患率は、解剖学的、遺伝的、環境的要因の影響により右肺と左肺で異なる可能性がこれまでの研究で示唆されている。今回、千葉県がんセンターの道端 伸明氏らが日本のがん登録データで調べたところ、右側肺がんが左側肺がんより多く、死亡リスクは男性では右側肺がんが高かったが、女性では差がなかったという。Cancer Epidemiology誌オンライン版2025年6月24日号に掲載。

統合失調症における中枢コリン作動系の変化

医療一般

 統合失調症では、コリン作動系のさまざまな変化がみられることが報告されているが、これらのエビデンスのシステマティックレビューおよびサマライズは行われていなかった。カナダ・オタワ大学のZacharie Saint-Georges氏らは、統合失調症およびまたは統合失調感情障害における中枢コリン作動系に関するイメージング研究および剖検研究についてのシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Molecular Psychiatry誌2025年7月号の報告。

スタチンは敗血症の治療にも効果あり?

医療一般

 スタチン系薬剤(以下、スタチン)は、高LDLコレステロール(LDL-C)血症の治療における第一選択薬であるが、この安価な薬剤は、別の病態において救命手段となる可能性があるようだ。新たな研究で、敗血症患者の治療において、抗菌薬、点滴、昇圧薬による通常の治療にスタチンを加えることで死亡リスクが低下する可能性のあることが明らかになった。天津医科大学総合病院(中国)のCaifeng Li氏らによるこの研究結果は、「Frontiers in Immunology」に6月6日掲載された。  敗血症は、感染症に対する過剰な免疫反応によって全身に炎症が広がり、複数の重要な臓器に機能不全が生じる病態である。研究グループによると、米国では毎年約75万人が敗血症で入院し、そのうち約27%が死亡している。敗血症患者の約15%には、血圧が危険なレベルまで低下する敗血症性ショックが生じる。敗血症性ショックの死亡リスクは30〜40%に上ると報告されている。

乾癬性関節炎では関節リウマチよりも診断が遅れる

医療一般

 乾癬性関節炎(PsA)患者は関節リウマチ(RA)患者と比較して診断が遅れるという研究結果が、「Annals of the Rheumatic Diseases」に3月29日掲載された。  英バース大学のRachel A. Charlton氏らは、PsA患者とRA患者の診断に至るまでの期間を比較した。解析対象となったのは、PsA患者2,120人と、年齢と性別でマッチさせたRA患者2,120人であった。  解析の結果、症状が発現してから専門医に紹介されるまでの期間は、PsA患者の方がRA患者よりも長かった。PsA患者の方が、かかりつけ医を受診してから診断を受けるまでの期間が長く(平均112日対89日、ハザード比〔HR〕0.87)、二次医療機関に紹介された後の診断の遅れも認められた(HR 0.86)。多発性関節炎を有する患者において、ベースライン時における疾患修飾性抗リウマチ薬の処方率は、PsA患者の方がRA患者よりも低かった(それぞれ54.0%、69.0%)。28関節を対象とする疾患活動性スコアは、ベースライン時ではRA患者の方が高かったが、3カ月後にはPsA患者の平均スコアの方が高くなった。

SGLT2阻害薬で糖尿病患者の転倒リスク上昇

医療一般

 SGLT2阻害薬(SGLT2-i)が、2型糖尿病患者の転倒リスクを高めることを示唆するデータが報告された。筑波大学システム情報系の鈴木康裕氏らが行った研究の結果であり、詳細は「Scientific Reports」に3月17日掲載された。  転倒やそれに伴う骨折や傷害は、生活の質(QOL)低下や種々の健康リスクおよび死亡リスクの増大につながる。糖尿病患者は一般的に転倒リスクが高く、その理由として従来、神経障害や網膜症といった合併症の影響とともに、血糖降下薬使用による低血糖の影響が指摘されていた。さらに比較的近年になり、血糖降下以外の多面的作用が注目され多用されるようになった、SGLT2-iやGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)に関しては、体重減少とともに筋肉量を減少させることがあり、その作用を介して転倒リスクを高める可能性も考えられる。ただし、実際にそのようなリスクが生じているか否かはこれまで検証されていなかった。

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