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2025-12-15 ~ 2025-12-15

2025/12/15

降圧薬数漸減で、フレイル高齢者の死亡率は改善するか/NEJM

ジャーナル四天王

 介護施設に入居し、複数の降圧薬による治療を受けているフレイルの高齢者では、通常治療と比較して降圧薬数を漸減する治療法は、全死因死亡率を改善せず、転倒や骨折の頻度は同程度であることが、フランス・Universite de LorraineのAthanase Benetos氏らが実施した「RETREAT-FRAIL試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2025年11月20日号で発表された。  研究グループは、フレイル高齢者における降圧薬中止の便益とリスクの評価を目的に、フランスの108の介護施設で非盲検無作為化対照比較試験を行った(フランス保健省などの助成を受けた)。2019年4月~2022年7月に参加者を登録し、2024年7月に追跡を終了した。

THP療法後に病勢進行のないHER2+転移乳がん維持療法、tucatinib追加でPFS改善(HER2CLIMB-05)/SABCS2025

医療一般

 タキサン+トラスツズマブ+ペルツズマブ(THP)併用療法後に病勢進行のないHER2陽性(HER2+)転移乳がん患者における維持療法として、トラスツズマブ+ペルツズマブ(HP)へのtucatinibの追加は、プラセボ+HP療法と比較して無増悪生存期間(PFS)を統計学的有意に改善した。米国・Sarah Cannon Research InstituteのErika P. Hamilton氏が、日本を含む23ヵ国で実施された第III相HER2CLIMB-05試験の結果をサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2025、12月9~12日)で発表した。なお、この結果はJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2025年12月10日号に同時掲載されている1)。

ゾンゲルチニブ発売、HER2変異陽性NSCLCの治療の変化は?/ベーリンガーインゲルハイム

医療一般

 日本ベーリンガーインゲルハイムは、ゾンゲルチニブ(商品名:ヘルネクシオス)を2025年11月12日に発売した。発売を機に「非小細胞肺がん(NSCLC)のアンメットニーズと最新治療」をテーマとしたメディアセミナーを2025年11月18日に開催した。後藤 功一氏(国立がん研究センター東病院 副院長 兼 呼吸器内科 科長)がHER2遺伝子変異陽性NSCLC治療のアンメットニーズと最新治療について紹介し、HER2遺伝子変異陽性NSCLC患者の清水 佳佑氏(肺がんHER2「HER HER」代表)が、患者会の運営経験、患者が抱える課題やアンメットニーズを述べた。

麻雀で統合失調症患者の認知機能は改善するか

医療一般

 麻雀は、認知機能の向上と密接に関連していることが広く報告されている。しかし、統合失調症患者の認知機能に対する麻雀の影響については、これまで研究されていなかった。中国・重慶医学大学のRenqin Hu氏らは、統合失調症患者の認知機能改善を目的とした麻雀介入の有効性を評価するため、パイロット単盲検ランダム化比較試験を実施した。BMC Psychiatry誌2025年11月7日号の報告。  本パイロット研究では、統合失調症患者49例を対象に、介入群(麻雀と標準治療の併用)と対照群(標準治療)にランダムに割り付けた。介入群は、麻雀による認知トレーニングを1日2時間、週4日、12週間にわたり行った。主要認知アウトカムは、ケンブリッジ神経心理学的検査自動化バッテリー(CANTAB)を用いて評価した。副次的アウトカムには、生活の質(QOL)、臨床症状、無快感症、副作用、個人的および社会的機能を含めた。評価は、ベースライン時および4週目、8週目、12週目に実施された。

脳腫瘍内部に細菌シグナルの存在を発見

医療一般

 脳は、細菌の存在しない無菌環境と考えられている。しかし新たな研究で、脳腫瘍の内部に細菌が存在することを示唆するシグナルが確認された。研究グループは、これらの細菌は、がんの成長や挙動に影響を与えている可能性があると考えている。これまでにも大腸がんなどの消化器がんにおいて細菌が発見されているが、他の部位の腫瘍における細菌の存在については議論があった。米テキサス大学MDアンダーソンがんセンター外科腫瘍学およびゲノム医学分野のJennifer Wargo氏らによるこの研究結果は、「Nature Medicine」に11月14日掲載された。

メトホルミンが運動療法の効果を阻害してしまう可能性

医療一般

 古くからある経口血糖降下薬で、米国では現在も2型糖尿病の第一選択薬として位置付けられているメトホルミンが、運動療法の効果を阻害してしまう可能性を示唆するデータが報告された。米ラトガーズ大学ニューブランズウィック校のSteven Malin氏らの研究によるもので、詳細は「The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」に10月7日掲載された。  この研究の背景について、論文の筆頭著者であるMalin氏は、「多くの医療従事者は、1+1=2だと考えている。しかし、メトホルミンがわずかながら運動の効果を弱めることを示唆するエビデンスも存在する」と話している。この問題の本質を探るため同氏らは、メタボリックシンドロームのリスクのある成人において、同薬が血管インスリン感受性(インスリンによる血管拡張や血流促進作用)を低下させる可能性の有無を、二重盲検プラセボ対照試験で検討した。

ロボット支援直腸がん手術、国内リアルワールドデータが示す新たな標準治療の可能性

医療一般

 国内約1.8万人分のリアルワールドデータを解析した多施設後ろ向きコホート研究により、進行直腸がんに対するロボット支援手術が、開腹および腹腔鏡手術と比較して短期・長期の両成績で有意に優れていることが示された。5年全生存率はロボット支援手術で94%と最も高く、術後合併症の発症率や総入院費用も最小であったという。研究は東京科学大学消化管外科学分野の花岡まりえ氏、絹笠祐介氏らによるもので、詳細は10月28日付で「Colorectal Disease」に掲載された。  従来の腹腔鏡手術(LRR)は直腸がん治療に有効であるが、長期的な腫瘍学的成績は開腹手術(ORR)と同等で、直腸膜間全切除(TME)が不完全になるリスクがあることが報告されている。ロボット支援手術(RARR)は低侵襲なアプローチとして短期成績に優れるとされる一方、長期成績のデータは限られている。そこで本研究では、国内大規模リアルワールドデータを用いて、進行直腸がん患者に対するORR、LRR、RARRの短期・長期成績を比較することを目的とした。

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