わが国でも、欧米と同様に、HbA1c値を診断基準に取り入れることが検討されていたが、2010年3月3日、HbA1c値を現行の診断基準に加えることが決定され、2010年3月4日から2日間にわたって開催されている「第44回糖尿病学の進歩」で発表された<演者:清野 裕氏(関西電力病院)>。
これまでわが国では、「空腹時血糖値」、「75gOGTT2時間血糖値」、「随時血糖値」の3項目が診断基準として用いられていたが、HbA1c値が加われば、「空腹時血糖値≧126mg/dL」、「75gOGTT2時間血糖値≧200mg/dL」、「随時血糖値≧200mg/dL」のいずれか1項目と、「HbA1c値≧6.1%」を満たせば、その日に「糖尿病」と診断できることになる。
HbA1c値の診断基準への追加決定と合わせて、新たな「糖尿病の診断基準フローチャート(案)」が公開されたが、正式な発表は、2010年5月に岡山で開催される「第53回日本糖尿病学会年次学術集会」になる。
また、同講演で、HbA1c値の国際標準化についても発表された。
現在、日本で表記されているHbA1c値と、日本以外の国で表記されているHbA1c値に0.4%の差がある(日本では、「HbA1c値6.5%以下が血糖コントロール良」となっているが、この数値は、日本以外の国で言うと、7.1%にあたる)。
以前より、HbA1c値を海外の数値と合わせるべきと言われていたが、2012年4月より、諸外国の数値と合わせて記載されることが決定した。それまでは、日本での数値と、海外に合わせた時の数値と2つが併記されることとなる。
例:HbA1c 6.1%(JDS値)/ 6.5%(NGSP値)
*JDS値・・日本での表記、NGSP値・・海外での表記
(ケアネット 栗林 千賀)